第二話 辛い戦記
「それで・・・ラーデウスはどうなったの?」
「それはね・・・」
魔導師ラーデウス・パーラットは、竜神オルストに仕え、復活する魔王に備える。
彼には、三人の妻がいた。
弟子でありハーフエルフのシルス。
師でありドワーフとエルフのハーフのロナ。
剣士であるエニスである。
やがて彼は、邪神の最後の手駒を、家族や仲間と共に打ち破る!
だが・・・
腹違いの妹が、エニスとの間に生まれた息子と共に「結婚の条件」を突きつけたとたん、「引き離そう」としたと早合点・・・
そして、駆け落ちをしてしまい・・・
今度は、ラーデウスより「許す」条件として、数年の追放となる・・・
「どうして!?どうしてそうなったの!?」
「それは・・・家族の誰もが「被害者」であり「加害者」だったからだよ・・・」
その意味は、私には理解できた。
が・・・
「でも・・・どうして妹は、ラーデウスの言うことを完全否定したの!?受け入れていれば、すんなり結婚できたのに!赤ちゃんとだって別れずにすんだのに!」
「こんなこともある。それが、「矛盾」と「肯定」だ。」
私は、このとき、現実の厳しさを知った。
「でも、お前の敵は、これが全て「悪い」ということにして、全部叩き壊そうとする酷い奴だ。」
「うん・・・」
このとき、私は誓った。
自分の恋愛で、他者を傷つけることのなきよう「恋愛感情」を封じることを・・・
「皆の笑顔を守るため」に・・・
それは、私の言い訳だったのかもしれない・・・
心が、深く傷ついたがゆえの・・・