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第一章 一話 

遅れてすみません。受験勉強の合間に頑張っていたんですけど、全然終わりませんでした。

ルイが食糧庫の長官になってから3か月が経過した大陸歴342年の6月4日。そんなある日、ルイはカルロに呼び出されていた。

 

食糧庫の現在の報告書の提出をしに来い、だそうだ。つい先日提出したはずなのに。まあ、どうせ裏があるんだろう。

 

そんなことを考えながら、皇帝の執務室へ続く廊下を歩く。

貴族という生き物は歩き方すら気にしなければならないらしい。ルイは男爵になってすぐに、カルロに最低限のマナーは学べと言われて(准男爵はちょっと位の高い平民みたいなものなので、マナーは全く習わない)2週間で貴族に必要なマナー、動作を徹底的に仕込まれたのだ。そして、それを教えてくれた(ししょう)が超スパ・・・若干厳しい人(汗)だったため、意識せずとも結構様になってたりする。

 

そうこうしてるうちに執務室へ着く。余分な話だが、食糧庫から皇帝の執務室までは約1キロあり、歩いていくと二十分くらいかかってしまうのだ。(個人差有り)

「失礼します。食糧庫長官のルイです。」

と、おにきょ・・ゴホンゴホン・・師匠に仕込まれたお辞儀をしながら言う。


「おう。来たか。まずは、報告書を提出しろ。」

カルロは急かす様に言う。しかも手ぶり付きだ。そんなに急ぎの用らしい。はっ、と言いルイは報告書を差し出す。


「それでは次の要件だ。」

ヤッパリほかの要件あった、を心の中で呟く。

「君に相談なんだが、そろそろお隣の王国さんが動くらしい。食糧は足りるか?あとどこから来ると思う?」


カルロは悪だくみを考えた悪童のような笑みを浮かべる。

「前者ははい。後者は・・・・・そうですね、私なら北西部群のモウブレー侯爵領から攻めると思います。」

ルイははっきりと応える。

「ほう。何故そう思う?」カルロは目を細めつつ問う。


「・・・・・・まず王国は北西側にあります。北西側で一番兵力が少ないのは、モウブレー侯爵領です。ならば、西群にでも牽制(けんせい)しつつ、北西群を一気に奪取するのが一番効率的です。」

ルイはまるで、この質問が来ることを予想していたかのようにスラスラと応える。(カルロはさも当然といった様子だったが)

「ほう、君()そうか。」

()ということは、陛下もですか?」


「ああ、よし君の意見は分かった。王国はついさっき宣戦布告してきてな、明日ぐらいには仕掛けてくるだろう。兵糧の準備をしておいてくれ。人数は5万。2か月分でよい。」

ルイは、はっ失礼します、と言い部屋を出る。その日カルロはものすごく上機嫌だったという。


6月5日。

 

貴族は全員参加する会議が今日緊急で開かれた。理由は言うまでもないだろう。もちろん、ウルク王国が宣戦布告してきたからだ。大上段にカルロが入ってくるとその場にいた全員は頭を下げた。

「皆も知っての通り、ウルク王国が宣戦布告してきた。そして、西群のセシル伯爵領に攻め込んできた。諸君らの意見を聞きたい。」


カルロがこういうと、まず宰相のヘンリー・サンセットが話し始めた。

「私はまず、セシル伯爵へ援軍を送りこちらはウルク王国へ停戦協定の締結を目指したいと思います。」

ヘンリーの意見は穏健派だった。


「いや、ここは我が国の力を見せつけるために、徹底的に叩くべきだ。」

大将軍のアルバート・グレイが発言する。やはり、アルバートは徹底抗戦を望んでいた。


現在穏健派と交戦派の比率は3対19だった。

「よし、ウルク王国に対して徹底抗戦とする。ではまず、誰を遣わせる?」


カルロが決定した。そして発案者のアルバートに聞く。

「私が行けばよいでしょう。兵力は相手が3万なので余裕をもって5万で行きましょう。」


「アルバート。すまぬが、5千は残してくれ。北西部が怪しい。もし、不穏な動きがあれば私が独断で派遣する。」

「因みに誰を派遣するんですか?」

アルバートは聞く。


「最近、面白い奴を見つけてな。能力試しに使わしてもらう。」

カルロは腹黒い笑みを浮かべながら、そういった。

ルイ「はっくしゅん・・・?」

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