新規ギルドの作成と囲い込み
――案内された支部長の部屋にて。
「まずは僕の方から一つ謝らせてもらいたい」
と支部長シュナイダーが頭を下げてきた。
秘書らしき女の人が突然の対応に驚いている。
こちらは何だか日本人臭いなぁ、と懐かしさすら感じていた。
確か、まだ2日目だよね。
「2日目であります」
「何がだい?」
「ここへ来ての滞在日数」
「ボクの誠意は伝わっただろうか?」
「いや、いきなり頭を下げられてもね」
「あなたが支部長の話を一切聞いていないのが良くないのですっ!」
あっさりと否定したら、女秘書さんがカンカンになった。
確かに、自分は支部長の謝罪の瞬間、アイシャに別のことを訊ねている。
「ギルドの人間が、私たちに手を挙げた件についての謝罪だったのよ」
すかさずハルカがフォローしてくれた。
なるほど。では、次はこちら側が頭を下げる番か。
死んだ異世界の侍に何の情もないが、形式に沿って、頭を下げておいた。
「うん。これで、形式だけの謝罪はおしまい。
次は、ギルド加入の話に移るよ」
支部長は事務的というか淡々と事実を述べた。
”自分が冒険者ギルドに加入すること”は不可能になった、と。
「やはり、先程の殺しの一件か」
「そうだね。あんなことがあったのにボクのゴリ押しで加入させたりでもしたら、あとあと、色々と面倒なことが次から次へと起こるのは誰の目からでも明らかだ」
「どちらかというと、この建物を出た瞬間、命を狙われる立場になるだろうなぁ」
「うん。恐らく、懸賞金がかかっているだろう。ネネ、情報を」
「はい。首謀者のアナタ様には「アントンと呼べ!」」
「失礼しました。アントン様には金貨10枚相当の懸賞金が掛けられています」
「あー、金貨10枚って、この世界ではどのレベルかな?」
「そうだね。ランクDぐらいと言っても意味不明か。えーっと、少しは腕の立つ剣士ってところかな。ランクEの冒険者からすれば、美味しい依頼だと思うよ」
「美味しい?」
「まず君たちは3人しかいない。次に魔法に疎い。特にキミ、アントンは徹底的に狙われるだろうね。そして、君たちの変わった武器について、ギルド内ネットワークにて様々な意見がやり取りされているし、生存者を中心に君たちへの対処方法が次から次へと丸裸にされつつあるよ」
「それは、ギルド加入したら不思議とつながるあのコミュニティのことを言っているんだよな」
「そう。僕たちにもそれがどういう仕組みかはわからないんだが、ギルドに加入することで、世界へと旅立った冒険者たちの様々な情報の見聞が自由に閲覧可能だし、意見のやり取りもできる」
なるほど。予想以上に利用しがいのある機能が搭載されていた。
それだけに、あの殺人は勿体無かったかもしれない。
「後悔しているのかい?」
「いや。自分の命を救ってくれた彼女の気持ちを無碍にするよりはずっといい」
「損得よりも愛を選ぶんだね」
「そうだ」
言い切った自分に対し、何故か懐かしそうな眼差しの支部長である。
自分の疑問の眼差しを受け取り、彼がぼそりとつぶやいた。
「キミの生き様にナナシさんを、つい重ねちゃったんだよね」
「何だ、あんた、ナナシを知っているのか」
「あ、そうか。ボクとしたことがキミの隣のオートマータを失念していたよ。ホラ、みてごらん」
支部長は頭髪をかき分けて、長耳を見せた。
「耳が尖ってるな」
「え? ひょっとしてキミ、エルフを知らないのかい?」
「ハルカは知っているか?」
「つい最近、日本でも劇場公開された映画に出てきたわよ」
「へー」
「へー、じゃなくて、シュナイダーさんが言いたいのは、エルフは長生きする種族だから、その分、色んな知識を持っているって言いたかったの」
「なるほど。確かにナナシのことはアイシャから聞いたが、オートマータがナナシとどう関係するんだ?」
「初代ナナシがオートマータ使いだったからね。彼のオートマータが『コウケイキ』というものを遺していたのなら、何らかの情報がキミの彼女にも残っていると、僕は考えたのさ」
ふむ。この支部長は役に立つなぁ。もう少し話を聞こう。
そう腰を落ち着けて、ガッツリ聴く態勢に入った途端、女秘書が支部長に次のスケジュールを耳打ちするや、優先順位が下がったらしく退室を余儀なくされた。女秘書がなぜか嬉しそうだ。
「そうだ。最後に一つアドバイスを。ギルドに加入できなくなっても落ち込むことはないよ」
「作ればいいんだろ?」
「何だ、知っていたのかい?」
「いや。自分たちの仕事の特性上、壁にぶつかったらすぐ他の方法を考えて試すクセが付いていてね」
「参考程度に、どんなギルドをつくる気だい」
「「「暗殺者ギルド」」」
なぜか3人同時にハモッた。なんだ、2人とも同じ考えか。
その点に関しては、素直にうれしかった。
作り方は知らないので、後日、考えよう。
何か忘れていたことはないだろうか? とハルカとアイシャに確認をとってみる。
ハルカが女秘書の真似をしてきた。それを今度は自分が支部長にしてみせる。
「支部長、いいかな」
「なんだい?」
「暗黒街のボス、自分たちが倒したから懸賞金金貨10枚ポッチじゃ、この扉を開けた瞬間、ボスのアジトと同じように無数の冒険者の死体であふれかえるぞ」
「ホントかい? すぐ確認をとるから、少し待っていてくれ」
支部長は我々に居残るよう命じ、自分たちは再びソファに腰を落ち着けた。
女秘書が悔しがっているが、仕方がなかろう。まぁ、ニヤニヤ返しをしておいたが。
確認が取れるまでの間、ナナシ関連を聞こうとしたが、まとまった時間が欲しい、とやんわりと断られた。仕方がないので、ギルドのつくり方を聞いておいた。
程なくして、支部長が何らかの連絡装置ごしに驚いていた。それは、パッと見、黒電話以前の壁にかかっている木箱の電話を彷彿とさせた。
少しばかり考えていた支部長は、女秘書に何らかの命令を下していた。
今度は女秘書の方が驚いていた。
「アントン君の言うとおりだったよ。死亡確認は取れなかったが、ついさっき救出できた腰巾着の息子から情報が取れた。どうやら君たちはレベルで判断してはいけないタイプのようだね」
「ほほう。では、懸賞金はどの程度に?」
「そうだね。金貨の上のランクに白金貨という貨幣がある。1枚が金貨1万枚に相当する。キミへの懸賞金は白金貨3枚。冒険者ランクで言えば、最低でもBランク以上じゃないと危険! という扱いにしておいたよ」
「それはなにより」
「ちなみに一番危険度が高い順にアイシャくん、ハルカさん、アントンくんとなる」
「どうしてですか? アイシャは分かりますけど、武器を持たない私がアントンより上なのは納得いかないです」
あー、そこは自分も激しく同意だ。
「その理由は、キミの装備品だね。この衣服は、『変形衣装・スザク』という名の意思を持つ防具なのだけれども、これが今回、装備者の魅力値に関係なく君を認めたことにより、他の変形衣装たちに意識改革が起こったらしい」
「意識改革、ですか?」
「というか、スザクが決定した事項が何で他の防具にも反映されるんだ?」
「まぁまぁ、まずは順序良く説明させてくれ。もともとこのテの武器防具が使用者を選ぶ系の装備品は、本来は魅力値なんて必要なかったのさ。だけど、いつの間にかにそういう仕組みが出来てしまい、状況に流されるようにして一定の魅力値の者たちを受け入れていたけれども、スザクがハルカさんに見惚れて魅力値を無視して認めたのを機に、彼ら本来の誇り~気に入った相手を勝手に選択する権利~を取り戻したようだね」
「さて次に、アントンくんの質問だが、これまたギルド内ネットワークと同じで、具体的な仕組みはよく分かっていないんだ。答えになっていなくて済まないと思うよ」
こればかりはエルフの溜めこんだ知識でも明確な回答は導かれなかったようだ。
仕方がないので、このテのシステム事項は、ギルドを作成したときにでもアイシャに解析させてみよう。そこから得た経験値で思わぬことがわかるようになるかもしれない。
「さて、現在、この意識改革のおかげで困ったことが起きた」
「たとえば、それを着て自慢していたお姫様が防具から見放された、とか?」
今までお茶うけの菓子ばっかり食べていたレミが、口をはさむや、支部長は「イタイな~」とぼやきながら、軽く笑い飛ばしていた。
「いや、全くその通りなんだよ。キミ、なかなか鋭いね」
「お姉ちゃんが洋服屋さんやってて、そういう話を聞いたことがあるから」
支部長は納得していた。自分は洋服屋と聞いて、心当たりがあり、ズボンのポケットからかぼちゃパンツをレミに見せた。
「あ、ウチの商品。おまわりさん、この人、泥棒です」
いや、お前さんが言うな。それに、コレは店番のやんちゃな少年からキチンと買ったわ。
「オジサン、ルビーがそれを聞いたら真っ赤になって怒られるよ」
ん? 話が見えない。とりあえず、レミはあの洋服屋の関係者なのははっきりした。
今度こそ退室しないと次のスケジュールが困る、と女秘書が人目をはばかることなく泣きついてきたため、彼女の顔を立てる形で退室することにした。
「!」
ドアノブに手を触れた自分は、向こう側から殺気を感じ取り、思わずバックステップした。
「アントン様、向こう側に剣士2人が待ち構えています」
すかさずアイシャが何らかの機能で壁の向こう側の情報を読み取り、教えてくれた。
自分はP90を呼び寄せると、壁越しにアイシャが指し示す場所に撃ち込んだ。
威力は申し分なく、壁が抉れ、弾が当たった剣士は断末魔を挙げる暇もなく息絶えた。
「ドア中央の向こう側に魔法使いです」
残弾数に余裕があったので、全弾使い切るつもりでぶっ放した。
弾切れになってようやく解放されたのか、銃口から硝煙がゆらめいた後に、ドサッと人が倒れる音がした。
「生体反応――ありません」
とはいえ、光学迷彩めいた魔法もある世界だ。
今度は魔法使いの格好をしているハルカにお願いして、周囲に魔力の反応があるかどうかのチェックを頼んだ。
「魔力反応……というのかしら、それもないわね」
うむ。どうやら片付いたようだ。
念には念を入れよ、というか、支部長のいるところでやるのも何だが、ドアを開けてすぐ、魔法使いの遺体を室内に引っ張って、彼の冒険者ランクを聞いてみた。
「ん、Aだね」
衣服は激しい出血からくる血のりで生前の状態がよく分からないというのに、支部長は、一目でランクを言い当てた。
「死んで間もない状態だからね。彼は死んでもネットワークがまだ生きているから、彼の名前から検索をかけて、出てきたステータスを読み取っただけだからね」
ふむ。死んで間もない状態だと、ネットワークはまだ使えるのか。
「ああ、そうそう。せっかくだから、冒険者知識を教えておこう。
死んだ冒険者のアイテムだが、勝利者に有効活用する権利があるので、遠慮せずに役立つアイテムを入手して欲しい。勿論、所持金もだ」
ほぅ、それは良いことを聞いた。ボディチェックは職業柄、わりと得意なので、衣服のすみずみに至る凹凸を見逃すことなくせしめた。
異世界の道具である。どれが役に立つとかはわからないが、ポケットにかさばらない範囲のアイテムだけ、貰っておくことにした。
この魔法使いは、文字の書かれた石ころと、モッツアレラチーズのようなまっ白くて柔らかい感触の石ころを持っていた。あとは、巾着袋。
巾着袋を開けてみると、中身が見えなかった。
何が入っているのか気になったので、逆さにしてみた。
その様子を見た支部長が何やら慌てた声で制止したが、遅かった。
いろんなものがちっぽけな巾着袋から出てきて、支部長室は瞬く間に一時保管に利用される倉庫になった。
個人的に驚いたのは、巾着袋のクセに生きた人間を保存できた点だろうか。その人間は、ほぼ全裸で猿ぐつわに手枷が付いた状態だったが、非常に元気だった。というか、大暴れしていた。
支部長がその人物を見た途端、顔を蒼くしていた。
すぐさま手枷を解こうと行動するあたり、何となく立場が偉い人っぽい気がした。
面倒事はゴメンだったので、アイシャに頼んで、効率の良い逃走ルートを検索してもらった。
―
――アクアの仕立屋さんにて。
何気に拾ったレミだったが、今さらながら猫少女の話を聞いてみたら、自分が少年からフンバの殺しを請けた店の末っ子だったことが判明した。
とはいえ、レミには人間である姉弟2人との直接的な血の繋がりはなく、拾われて育てられた過程で、一番年少者だったので、末っ子というだけだ。
現在、レミはすっかり元気になった長女アクアの気迫に根負けする形で、自分に対し、いやいやながらも謝罪の言葉を口にしている。
正直、そんな態度で謝られても気分は晴れないので、そもそも何でスリを働いたのかを、長女が怒りを押し殺した微笑みをレミに向けている中、吐かせることにした。
「お店が苦しいって言ってたから、拾われる前にやってた経験を活かして、少しは役に立とうと思ったのにゃ」
どうでもいいが猫少女、人前ならともかく自宅内では、「にゃにゃにゃ」の語尾が付くようだ。
長女アクアは、レミのほっぺたを音をたてて叩いた。そして、怒鳴った。
「そんなお金で私が喜ぶと思ったの。そういうお金はね、フンバのような人たちからはどういうお金かというのがあとでばれるモノなの。すると、どうなるのかわかる?」
「わからないにゃ」
「まず私たちの信用を落とす噂が早速流れるわ。でも私たちは言い返せない。何故なら、そのお金はまっとうな手段で稼いでいない真っ黒なお金だからよ。そして、言い返せないということは、最近得た大金の正体がろくでもないことを認めているようなモノなの。こうなると私たちは今まで仲良くやってた周りの人たちからも相手にされなくなって、のけ者にされていくの。いいえ、のけ者ならまだいいわ。最悪、衛兵につかまって、犯罪者として牢屋で過ごすか奴隷へと身分を落として、みんなとバラバラになるかなのよ」
アクアの剣幕に「ゴメンなのにゃ」を何度も言いながら、泣き崩れるレミ。
レミの涙につられて、アクアも涙を流し、やがて2人は抱き付いて泣き出した。
「先程は見苦しいところをお見せしました」
ワンワン泣いて、気持ちが吹っ切れたのだろう、アクアが家族を代表して頭を下げた。
悲壮感を漂わせていて、空気が非常に重いので、少年の依頼の話をした。
「まぁ、そういうわけだから、債権者の方は片付けた」
くわしい話は端折ったが、要はフンバからの借金で余裕がないとのことだったので、フンバ自身を消したので、報酬を貰いに来たことを告げる。
「報酬は、オレを好きに使え」
「残念だが、自分に男色の気はない」
「ふざけるな、オレは女だ、このバカ」
依頼者の目の前でバカ発言も凄いな、とは思ったが、少年が女だと言い切ってもにわかには信じられないので、ハルカに確認してもらうようお願いしてみた。
ハルカは、自分の頼みを阿呆扱いし、下らないと言って捨てた。
「一目瞭然のことをアントン様に示すが肝要であると思われます」
なおも引き下がらない自分に対し、アイシャが少年の衣服をこともなげに破り始めた。
裁縫がしっかりしていない衣服は、簡単にビリビリと破れ、自分の目の前に胸板と付いてない部分がしっかりと提示された。
「なるほど。女だな」
ようやく納得した自分に対し、元少年はわなわなと震わせていた身体を気力で奮い立たせた後、視認できないほどの見えない蹴り攻撃で自分の頭を狙ってきた。
先程、「好きにしていい」とか言っておきながら、蹴ってくるのだから、こはいかに? ではあるが、大人しくしてもらうため、彼女から買った意外と伸縮性に優れたかぼちゃパンツで拘束しておいた。余談だが、こういう縛り系のスキルは得意だ。
なおも暴れる彼女をよそに、話を続けることにした。
「で、報酬の件だがね、君らの身柄を自分が引き取る、というのでどうだろうか?」
「おっしゃられている意味がよく分からないのですが?」
「うん。まぁ、明日にでも自分ら3人は新ギルドを結成して、旅に出るわけだが、君ら、裁縫の腕はどのぐらい?」
長女アクアは申し分なく、次女ルビーが半人前。三女レミが駆け出しという。
「これから自分らは目的のために世界を駆け巡る。ついでに、君らも連れて行く。ルビーとレミの裁縫の腕前を挙げつつ、アクアには仕立屋の経営ノウハウを行く先々の流行っている店で勉強してもらう。これならば、再びこの地に帰り着いたとしても、借金の返済のめどは立てられるだろう」
「あたいらに裁縫の腕前を上げて何をさせる気にゃ」
「うむ。実は、レベルが8でカンストした自分にこの世界を渡り歩ける衣服を作ってもらいたい」
「それは難しいお話ではないでしょうか。一般常識ですが、素材のいい材料ほど高いレベルを要求し、それは衣服になっても高レベルを維持します。ですので、低レベルの方が高レベルの衣服を着用することは出来ない、というのはご存知ないでしょうか?」
「知らん。だが、ここにいるハルカの衣服という例外を見ていたら、腕のいい職人の情熱があれば、案外、レベルの壁というモノは関係なく作れる気がするのだよ」
アクアがハルカの衣服に目を通して、驚愕していた。
あくまでも支部長の目測だが、ハルカのレベルは50ぐらいらしい。変形衣装「スザク」の場合、要求レベルが200なのだそうだ。
本来は着られるはずのない衣装が、衣装が認めただけでその壁が超えられる。
それならば、しかるべき腕前を持った仕立屋を3人揃えて、無理難題を承知で要求に応えてもらえれば、自分もまた、レベルに依存しないこの世界でも通用する衣服が入手できるのではなかろうか。
長女アクアは、自分の考えに対し、長いこと沈黙を貫いた。
そして、訊いてきた。
「アントン様が私を助けた理由は、このためですか?」
「このためだったら、もっと要領よく立ち回っていると思うがな。あの時は、ただ助けたい一心で薬を飲ませたからな」
アクアがあの時を思い出したのか、頬を赤らめた。
そのただならぬ様子に、ハルカとアイシャが目ざとく反応する。
隠していても為にならないので、正直に当時の状況を答えておいた。
2人からのお咎めはなかった。人命救助だったからな。
「叶いますならもう一度お願いできますか? あの情熱的な舌遣いを」
その問いかけに、ハルカが激昂し首を絞めてきた。
アイシャは、信じられないものでも見るかのような視線で自分を刺してくる。
何となくだが、このアクア、わざとらしく声にした気がする。
(2人との関係が最悪になってでも、私を得るために行動できますか?)
とでも言っているかのようなアクアの試練だったが、あえて乗った。
背中と頭がものすごく痛かった。
ハルカとアイシャの頭部への打撲攻撃に加え、レミのひっかき攻撃が背中の傷を深めた。
だが、行動した。
行動は実を結び、長女アクアの信頼を得た。