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ヤミとカゲ  作者: まいまいഊ
-静寂の記憶は、ときに彷徨い-
72/100

71・戦力外通告を言わないやさしさ。

「それに……2対1じゃ、分が悪い」

 魔物は蜥蜴とグイを見ながらそう言った。


「おいらもいるから、3対1っピ!」

 数に入れてもらえなかったことに気がつき、液体のままながら懸命に存在をアピールするプテリ。

(ごめん、君は戦力外なんだ……)

 あえて誰もそのことに、口には出さないその優しさ。


「……とにかく、これを返して欲しくば、他のガラクタも全て持って、魔王城へ来い。ふっふっふ」

 魔物は、黒い風に包まれて消え去った。

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