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ヤミとカゲ  作者: まいまいഊ
-静寂の記憶は、ときに彷徨い-
59/100

58・失われた技術が作り出す部屋。

 空間の歪みが収まると、不思議な空間に着いた。そこは硝子張りの空間であった。その壁は氷のようにも見える。


「動物さんが、たくさんいるッピョ」

 確かに動物達がいた。しかし、どの動物も凍りついた硝子の中に閉じ込められている。

 皆、眼を瞑り、膝を抱えたような格好で、眠りについている。

「今は失われた技術を使って、動物たちを作っていたんだよ……」

 ここは氷の中に閉じ込められた生物達の標本博物館のような雰囲気であった。

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