ヤミとカゲ

-降り注ぐ雨は、ときに厳しく-

20・落ちてきたものは。

「ウピュー」

　奇妙な声と共に上から何かが落ちてきた。その蒼い物体は何回か弾んで地面に着地した。

「痛いピュ」

　現れた生命体は、手らしい器官で頭をなでる。

「プテリの優雅な昼寝のジャマをしないで欲しいピョ」

　グイは見上げた。紐で簡単にこしらえたハンモックが揺れていた。この生命体はそこから落ちたらしい。

　スライムとはあんな物で寝るのだろうか？　もしかするとスライムの身体は、思っているほど柔らかくないのかもしれない。