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ヤミとカゲ  作者: まいまいഊ
-暁闇の世界は、ときに現れ-
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2・思い出の樹の下。

 グイは、目を開いた。


 グイが触れている木の根には、かつての記憶が刻んである。

 友人たちと、兄弟たちと、背比べをした痕。

 夕闇と共に淡く消え去った過去の想い出……


 グイは、その傷に指を走らせる。

 大木にまた一つ小さな水滴が落ちる。


 グイは、目を閉じる。

 懐かしい情景が、ほんやりと浮かぶ……


 晴れわたった空に漂うのは白い雲だった。

 山の山頂は、まだ雪に覆われていた。草原にも、所々、白いものが残っていた。

「僕の……故郷」

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