もしも、深夜に目醒めたら
夜が深まり、世界の音がすべて消え去る時刻。ふと目を醒ましたときに訪れるのは、隣にいたはずの温もりを失った、冷たく重い静寂です。
暗闇の中で指先が探すのは、もう二度と埋まることのない空白。月光が静かに照らし出す部屋で、記憶の欠片を抱きしめながら、果てしない孤独の底に佇む夜があります。
この物語は、消えない傷跡と届かない想いを抱え、明けない夜の中でただ静かに息を潜める誰かのための記録です。どうかあなたの心が、この深い闇のどこかでそっと寄り添えますように。
もしも深夜に目醒めたら
静寂が部屋の重みを増す刻
冷えたシーツに一人取り残され
指先で手探りする空白は
もう二度と埋まらないあなたの温もり
もしも深夜に目醒めたら
私はどこへ向かえばいいのだろう
暗闇が記憶の輪郭を削り取り
涙の雫だけが頬を伝って闇に消える
叫んでも届かない胸の疼き
揺れるカーテンの隙間から溢れる月光が
二度と戻らない昨日の影を
残酷なほど鮮やかに映し出す
もしも深夜に目醒めたら
この果てしない孤独の底で
私はただ静かに息を潜め
夜明けのない朝を祈り続ける
静寂が支配する深夜、目を覚ました瞬間に押し寄せる圧倒的な孤独と、もう戻らない面影を追い求める切なさを綴った詩です。「もしも深夜に目醒めたら」という問いかけの反復が、逃れられない喪失感と夜の深さを際立たせています。冷えたシーツや月光の残忍な美しさといった質感のある描写を通し、夜明けすら拒んで闇の中に留まろうとする痛切な祈りを描きました。読んだ方の心に寄り添うような静かな余韻が残れば幸いです




