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講義:なぜなぜ分析(5Why)

塾生の皆さん。


特性要因図で要因を整理したあと、

次に行うのが なぜなぜ分析 です。


これは非常に有名な手法ですが、

実際の現場では意外と正しく使われていません。


大切なのは、

表面の原因で止まらず、

真因に辿り着くまで問い続けることです。


さて今回は、剛田課長の事例を使って

その流れを見ていきます。


なお、この講義には

若手の田辺くんも参加しています。


彼は現在、

将来の設備状態について

少々不安を抱えているようですが、


品質管理の世界では

早期発見はむしろ良い兆候です。


どうか温かい目で見守りながら、

講義を聞いていただければと思います。


それでは始めましょう。


塾生の皆さん。


特性要因図で要因を整理したら、

次に行うのが


なぜなぜ分析


です。


これは非常に単純な方法です。


一つの現象に対して


「なぜ?」


を繰り返していきます。


一般的には

五回程度掘り下げることで、

表面的な原因ではなく


真因


に到達できるとされています。


では実際に、

剛田課長の事例で考えてみましょう。



現象


まず事実を確認します。


現象は


ミサキさんからの低評価


です。


ではここから始めます。



なぜ①


なぜミサキさんから低評価なのか。


町田

「視覚的不適合ですね」


剛田

「つまり」


町田

「頭頂部工程です」


田辺は小さく前髪を触った。



なぜ②


なぜ頭頂部が問題になるのか。


町田

「バーコード工法です」


剛田

「移送ラインか」


町田

「はい」


「無理な資源移送です」


田辺

「……」



なぜ③


なぜバーコード工法を続けているのか。


剛田は少し考えた。


「……更地を隠したいからだ」


町田

「はい」


「隠蔽工程ですね」


田辺

「隠蔽…」



なぜ④


なぜ更地を隠したいのか。


会議室が少し静かになった。


剛田は言った。


「……恥ずかしいからだ」


町田はうなずいた。


「はい」


「心理的要因です」


田辺は急に真剣な顔になった。



なぜ⑤


なぜ恥ずかしいと感じるのか。


剛田はしばらく沈黙した。


そして言った。


「若い頃の自分と比べているからだ」


町田はマーカーを置いた。


「真因です」


ホワイトボードには書かれた。


真因

過去の成功体験への執着


田辺は小さく言った。


「……深い」



町田は振り返った。


「塾生の皆さん」


「これがなぜなぜ分析です」


最初は


髪の問題


に見えていました。


しかし掘り下げていくと、


心理の問題


に到達しました。


これが品質改善の面白いところです。


不良の原因は、

必ずしも


現場


にあるとは限りません。


ときには


人の考え方


にあることもあります。


町田はホワイトボードを指した。


「つまり今回の改善は」


「髪ではなく」


「価値観のアップデートです」


田辺が慌てて言った。


「ちょっと待ってください」


町田

「はい」


田辺

「それって」


「将来」


「私にも必要になりますか」


町田は少し考えた。


そして言った。


「統計的に言うと」


「かなり高確率です」


田辺は静かに前髪を押さえた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


なぜなぜ分析は、

非常にシンプルな手法ですが、

使い方を間違えると


ただの犯人探し


になってしまいます。


重要なのは、

人ではなく 構造 を見ることです。


今回のケースでも、

最初は髪の問題に見えていましたが、

最終的には


価値観の問題


に辿り着きました。


さて塾生の皆さん。


今回の分析について、

皆さんはどのように感じられたでしょうか。


もしよろしければ、

ぜひ感想を聞かせてください。


また、田辺くんへの

予防保全のアドバイスなどがあれば、

それも大歓迎です。

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