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第04章

あの言葉にできない領域から意識が引き戻される感覚は、まるで目覚めに似ていた――いや、それは「目覚め」とは似て非なるものだった。


身体など存在しないはずなのに、確かに意識はあった。形なき存在のまま、動こうと――いや、「動こうとしたような」気配を感じ、そして視線のようなものを手に向けてみる。手、だと思ったそれは、白く泡立つような霧の塊であり、常識を超越した奇妙な物質の渦だった。


理解を拒むその姿でありながら、不思議と安心感があった。あの焼き尽くすような激痛――永遠とも思える苦痛が、そこにはなかったからだ。


涙、と呼べるかも怪しいものが、存在するかすら怪しい身体から零れ落ちる。安堵、困惑、そして言葉にならないほどの深い感情が入り混じり、私は膝をついていた。


内から溢れ出す感情は嵐のように荒れ狂い、やがてゆっくりと静まり始める。すると、私の周囲を包んでいた白霧が、少しずつ光へと変わっていった。その光には、どこか既視感があった。あの「地獄」としか形容しようのない場所で私を包んだ、あの忌まわしき輝きだ。


「やだ……やだ、やだ、お願い、もうやめて!」懇願にも似た声をあげる。周囲がまたあの光へと染まり、私の存在がそれに呑まれていくのを感じた。あの痛みが、また戻ってくる――そう思っただけで、恐怖が全身を支配した。


だが――


変化の中で、思いがけない感覚が私を包んだ。焼けつくような苦痛ではなく、懐かしさと共鳴するような感覚。私をあの場所から解放してくれた光の柱……それと繋がるような、穏やかな感触。


忘れていた記憶が、一気に流れ込んでくる。そうだ、この輝きは私を苦しめたものじゃない。これは――私を救った光だ。


その理解が訪れた瞬間、内にあった混乱と恐怖は嘘のように収まり、私はその変化を受け入れた。もう、あの地獄に戻るのではない。これは、新たなる存在への移行。私は光の抱擁に、身を委ねた。


光の柱と一体化するように、私は変わっていった。その最中、ある「気配」が私の意識に届いた。男でも、女でも、何かの生き物ですらない。あらゆる定義を超えた、ただ「そこにある」存在。


言葉にできないその存在を前に、本能的に私は膝をついた。頭を深く垂れ、光に触れる床に額を寄せる。祈りと呼ぶには稚拙だが、今の私にできる最大限の敬意を込めた姿勢だった。


恐怖、畏怖、そして――ただただ圧倒される。未知なる世界をさまよい、想像を超える苦痛を乗り越え、私は今、神聖とも思える存在の前にいる。


だが、その存在は、感情という概念すら超越しているようだった。こちらを見ているのかすら分からない無表情のまま、ただそこに「在る」。


その冷たい視線に、背筋が凍りついた。


何かを言いたかった。何かを伝えたかった。だが、恐怖が言葉を縛りつけた。


どれほどの時が経ったのか、それともほんの一瞬だったのか――この時の流れのない空間で、時間の概念は意味を失っていた。


その時、私を包む光の柱が、わずかに揺らぎ始めた。変化の兆しが、勇気を呼び起こす。


「わ、私……」言葉が途切れる。地獄の記憶が脳裏に蘇り、声が震える。だが、それでも私は言葉を紡いだ。


「……たぶん、意味なんてないって、分かってます。でも……でも、感謝を、伝えたくて……あの場所から、私を……救ってくれて、ありがとう……」


光の中の存在は、やはり何も言わない。ただ、私を――いや、何かを――見ているような気配を保ったまま。


それが私を見ているのか、見ていないのか――その曖昧さが、かえって恐怖を煽った。


沈黙の中、私の心音だけが鳴り響いていた。


もしかして、私は何か場違いなことを言ってしまったのだろうか?知らぬ間に、何か禁忌を犯してしまったのか?敬意の表し方に問題があったのか……?


言葉と行動の意味を振り返るほどに、胸の奥から焦燥がこみ上げてきた。――もし、この存在が、私をあの地獄へと送り返すと決めたら……?


その想像だけで、全身が凍りつく。


だが、次の瞬間――理解の枠を超えた変化が起きた。その存在が、私の姿に酷似した「影」へと形を変えたのだ。目的は分からなかった。ただ、あまりにも衝撃的で、言葉を失った。だが、やがて気付く――これは、意思の表れだと。


「お前の感謝は見当違いだ。私はお前を救っていない」感情の一片もない、しかし空間全体に響き渡るような声が、その姿から発せられた。


その言葉に驚かないわけがなかった。けれど、黙っているのも何か違う気がして、私は必死に返す。


「……救って、ない……んですか?」


声は震えていた。


「意図したわけではない。ただ――お前が、そこに居ただけだ」


その言葉に、胸の奥がぐらりと揺れた。けれど、同時に「やっぱりな」とも思っていた。


(……何を期待してたんだ、私。まさか、選ばれし者とでも……)


失望が静かに広がっていく。それでも私は、それを悟らせないように笑みのような何かを作って、頷いた。


「……そうですか。理解しました」


形だけの言葉だった。その瞬間、脳裏に嫌な考えがよぎる。


――では、私はただ偶然、助かっただけ。なら、また元の場所……あの地獄へ戻される可能性も、ある?


それを拒む術など、どこにもない。


「……わかってます。でも、それでも……私は感謝してるんです。してしまうんです、自然と。気持ちを考えてほしいわけじゃなくて……ただ、私にできることがあるなら、少しでも……役に立てるなら……」


言葉を絞り出した時、自分でも理解できない感情が渦巻いていた。


(なにそれ……今の、何言ってるの私?)


叫びたい気持ちを必死に抑えながら、自問する。


(奉仕? 感謝の気持ちを伝える手段がそれって……)


――神様、お願い。今の言葉、どうか怒らせていませんように。


すると、意外にもその存在は応じた。


「“お前”に感謝の意として差し出せるものなどあるのか? 何ができる?」


その問いに、私は言葉を失った。考えれば考えるほど、自分の無力さが身に沁みる。


「……なにも、できません」正直に、そう答えるしかなかった。


「では、なぜ差し出す?」


問いかけは、依然として無表情だった。


私は、心の奥底をさらけ出すように、口を開いた。


「……たぶん……罪人でも、神の前でだけは、ちゃんとしてるように見せたかったんです……」


その瞬間、沈黙が降りた。しまった、と思った。怒らせたのかもしれない――そう感じた。


やがて、静かに声が返ってくる。


「まず、一つ訂正しておく。私は、お前が罪人であろうがなかろうが、興味はない。私は“お前”に、興味がない」


その明確な否定は、胸に突き刺さったが……私は何も返さなかった。


「そしてもう一つ。私は“神”ではない」


「……神、じゃ……ない……?」思わず口にした。思考が追いつかない。


「そうだ。私は、彼女の“道具”に過ぎない」


(“道具”? こんな存在が“ただの道具”だと……?)


もしこれが神じゃないのなら、神とは一体どれほどの存在なのだろう?私の小さな脳では、到底理解できなかった。


だが、ある言葉が引っかかった。


「……彼女……」


私は意を決して尋ねた。


「その……彼女の……お名前を、お聞きしてもよろしいですか?」


その時、空気がわずかに変わった。


「何のために?」


その声には、微かな苛立ち――いや、正確には“面倒くさそうな雰囲気”があった。この存在から初めて感じた、わずかな感情の機微だった。


「この状況の中で……私には、祈れる存在が……“神”が必要かもしれないと、思ったんです」


「お前の祈りなど、彼女の助けにはならない」


その一言が、まるで終止符のように、響いた。


(……ああ、そうだよな。私の祈りなんか、意味がない)


それでも私は、言葉の中にあった「助け」という一言に、何かを感じた。


「では……もし、助けにならないとしても……彼女の役に立てることは……私に、ありますか……?」


震える声で、そう尋ねた。


輝きに満ちたこの空間に、重く、沈黙が垂れ込めていた。だが、私はどうしても続きを語らずにはいられなかった。


「……私は無力です。何も知りませんし、何もできません。ただの、どうしようもない存在です」息を吐くように、言葉が零れ落ちる。


「でも……生きていた頃、私には一つだけ誇れることがありました。忠誠心と、献身。それだけは、誰にも負けない自信がありました。今の私には、それしかありません」


私は震える足で立ちながら、必死に声を絞り出した。


「……あの場所に戻ることを想像するだけで、心が引き裂かれそうになります。こんなに怖いと思ったのは、生まれて初めてです。もう二度と、あそこには戻りたくない。そのためなら、全てを捧げる覚悟があります。だから――彼女の名前を、教えてほしいんです」


その存在は、しばし考えるように沈黙を保ち、やがて変わらぬ異質な声で口を開いた。


「なるほど。お前が彼女の名を知りたがった理由、それは“恐怖”か」


「……はい」私は素直に認めた。


「恐ろしくて、赦しを請いたくて。でも、それに値しないことも分かっています。だからせめて、少しずつでも報いる方法を探したい。……正直に言えば、これは“取引”を求めているに過ぎません。信仰とは違うと自覚しています。でも……もし機会が与えられるのなら、自分を変えていく努力は惜しみません。祈りが助けにならないのは理解しています。……ですが、もう一度お聞きします。私は、彼女のために……何かできるでしょうか?」


返事を待つ間、空間に漂う沈黙が変質していくのを感じた。それは拒絶でも怒りでもなく――思索。まるで、この存在が深く思い巡らせているかのようだった。


私はそれ以上、勝手な期待や解釈を押しつけないよう努めた。だが、推測を止めることはできなかった。


そして、再び存在が変貌する。今度は、私と同じ形をとり始めた。骨、血、肉、そして皮膚――明らかに人間的な姿。まるで鏡に映った自分自身を見ているかのようだった。


そしてその口から発せられた声は、間違いなく――私の声だった。


「……あの場所がそれほど嫌で、何としてでも戻りたくないと願うのか?」


「はい」私は即答した。迷いなどなかった。


「では、お前があの場所に堕ちた原因と“自分で思っていること”を、再び行う覚悟はあるか?」


試されている――そう感じた。


あの地獄で過ごした時間は、私を変えた。そして、二度と戻りたくないという感情は、何よりも強く焼き付いていた。


「……もしそれが、あそこに戻らないために必要なら、善であろうと、悪であろうと、私はやります」


存在は反応を示さず、また新たな問いを投げかける。


「では、お前が再び“目的”を持ち、“存在”を許されたとする。その任務の果てに、再び“死”を迎えることになったとしたら……その“死”を受け入れるか?」


またしても、試練のような問い。だが今度は、すぐに答えなかった。


「……逆に、お聞きしてもよろしいでしょうか。その“死”は……私を、また“あそこ”に戻しますか?」


沈黙。存在は、冷たく見下ろすだけだった。


返答はない。けれど、私は続けた。


「与えられた任務には全力で取り組みます。ただ、もし許されるのなら、一つ……一つだけ、事前にお願いがあります」


「……何だ?」


「任務がどう終わろうと、その結末がどうなろうと――私の死は、“あの場所”ではなく、“完全な消滅”に繋がるようにしてほしいのです」


浅はかな取引かもしれない。だが、それ以外に私が望める条件など、何一つとして存在しなかった。


――二度と、あそこには戻りたくない。


その想いだけが、私を支えていた。


すると、今までにない変化が起きた。


私の姿を借りたその存在の顔に、微かな“感情”が浮かんだのだ。


「……それが、本当にお前の望みか?」


「はい」私は静かに、しかし力強く答えた。


「それが叶うのなら――私の生は、その“目的”のために捧げられます。一度生きて、あっけなく終わった命です。私は、もうそれ以上を望みません。望む資格もありません。ただ一つ、あそこにだけは……戻りたくない。それだけは、どうか……」


その存在が静かに近づいてきた。伸ばされた一本の指が、私の額に触れようとしていた。


「それが、お前の望みであるのなら――それが、お前の“終わり”となるだろう」


額に触れたその瞬間、私は大いなる変化や衝撃を覚悟した。壮大で、崇高で、何かしら運命を揺るがすような“何か”が起こると思っていた――だが。


……何も、起きなかった。


存在は、すぐにその手を引っ込め、私の姿を手放し、元の形に戻った。私は、どうすればいいのか分からず、その場で呆然と立ち尽くした。


戸惑いの中、ようやく勇気を振り絞って口を開く。


「……私に、できることは……ないでしょうか?」


しかし、その問いに対して存在は、しばらく黙したままだった。まるで、元の形に戻ったことで言葉を失ったのでは――そんな考えが頭をよぎったが、それはすぐに否定される。


静寂を破るように、淡々とした声が響いた。


「まもなく、この形を手放す」


「……形を手放す?」私は繰り返す。まだ混乱していた。


「お前たちの言葉で言えば、“死ぬ”ということだ」


その言葉に、思考が止まる。この存在が、死ぬ?“道具”と名乗ったそれが、死ぬなどということがあり得るのか?頭の中で疑問が渦を巻き、思考が追いつかない。


「もっとも、私は“生き物”ではない。殺されても、生者のように死ぬことはない」


「……殺される……?」思わず、声が震えた。


この存在を――殺すことができる“何か”が存在するのか?


神のような存在……あるいは、それ以上の“何か”……?


私の混乱を見透かすように、存在は静かに続ける。


「私は“個”として消える。そして、私を構成する“欠片”だけが残るだろう」


私は黙って、その言葉の意味を咀嚼するしかなかった。


「その欠片の一つを、お前に託す」


「……託す……」呟くように繰り返す。理解が追いつかない。


「そうだ。お前に、それを“振るう”資格を与える」


「振るう……それを……どうして……?」


問いかける前に、存在は淡々と答えを重ねる。


「その目的を今、説明する必要はない。お前は“知る”。“感じる”だろう」


答えは答えであって、答えでない。それでも、その言葉は確かな“責任”と“意味”を私の中に根付かせた。


何もかもが不確かで、理解も追いつかないというのに、なぜか――心のどこかが静かに燃えていた。


それでも、どうしても聞きたかったことがある。


「……私は、また……生きるのですか?」


その問いが、口から漏れた瞬間。私は、わずかな希望を乗せていた。


だが――


「いいや」


即座に返ってきたのは、迷いなき否定。


「……え……?」


衝撃で、言葉を失った。この存在が計画していることの中に、自分の“生”が含まれているものだと、どこかで確信していたからだ。


それを真っ向から否定され、頭の中が空白になる。


「だが、私が“する”ことで――お前は“存在”する」


「存在……する……?」


呟いた言葉は、ただ空虚に響く。それが“生きる”ことと同じかどうかも分からない。けれど、それでも――何か“繋がり”はある。完全な絶望ではない、そんな気がした。


私たちを包む空間は、刻一刻とその姿を変えていく。万華鏡のように次々と形を変え、法則を拒絶し、理を無視した――目に映るすべてが混沌の奔流だった。


そんな中、存在が静かに告げる。


「――始まる」


その声に、奇妙な終わりのような、始まりのような、決意が込められていた。


「……何が、始まるの……?」そう問いかけたかった。けれど、なぜか――それを聞いてはいけない気がした。


存在は続ける。


「お前は、まもなく“新たなる次元”へと到達する」


「新たな……次元……?」


私は、口の中で繰り返す。


「それは……並行世界、みたいな……?」


「お前の古き世界とは完全に切り離された世界だ。だが――似たものを、必ず見つけるだろう」


そして、彼はこう続けた。


「君に求めるものは一つだけだ。私が残す“欠片”が望むままに動くこと──それだけだ。あとは君の裁量に任せよう。」


「……どういう意味だ、それ?」思わず心の中で問い返す。混乱が胸を満たしていく。欠片が、自分の意思を持っているのか?まるで別の存在なのか?疑問は次から次へと湧き上がり、頭の中をかき乱す。


だが、口にする前に、あの存在はすでに察したかのように言った。


「すべての問いに答える時間はない。だが、先ほど君が投げかけた一つの質問には、答える余裕がある。」


その声色がわずかに変わったのを感じた。それはまるで、無機質な機械から、かすかに“命”を感じさせるものへと変化したようだった。


「祈りは必要ないかもしれないが──好きなだけ、彼女に祈ればいい。私、K.R.U.Lが補助するよう作られた存在──それが『A42675』だ。」


「A42675……?」その響きを繰り返しながら、思考が停止する。名前とは思えないその記号のようなもの。「それって名前なのか?神の名って、そんな感じなのか……?」


「あまり“名”らしくはないが、彼女が用いていた呼称だ。とはいえ……別の名もある。いや、正確には“称号”と言うべきだろう。君がこれから赴く次元で、彼女はこう呼ばれている──


『A42675──外なる神・腐敗の権化』」


「……外なる神・腐敗の権化……」思わず呟いたその言葉に、畏怖と戦慄がこもった。それほどまでに、衝撃は深く、自分の存在がいかに小さなものかを思い知らされる。


空間はなおも変容を続けていたが──その時、今までとは異なる現象が起きた。


視界が砕け散るように、まるで世界そのものが無数のガラス片となって弾け飛んだのだ。混沌と美しさが同居する、幻想的でいて恐ろしい光景。


「これが終わりだ。」


K.R.U.Lの声には、はっきりと終焉の響きがあった。砕けた現実の破片が煌めき、胸の奥に不安と期待が同時に湧き起こる。


そして、その存在は俺に視線を向けた──そんな気がした。


「かつての名も、仮初の名も……──ハッサン、路地裏の王子、ペドシ、あるいはこれから名乗る名でも構わない。君がその忠誠と覚悟で、彼女に何を示すのか──見せてみろ。」


その言葉が、過去には破滅しかもたらさなかったことなど、今の俺にはどうでもよかった。懲りもせず、学びもせず、それでも──


心の奥底に触れられたその一言に、膝をつき、何の打算もなく、ただ真っ直ぐに宣言した。


「──やってみせる。」


誓いと共に、身体の芯から力が湧き上がった。現実の破片が、まるでそれに応えるかのように収束し、一本の道を形作る。それは、まるでこの世界が俺の意志に屈していくかのような光景だった。


次の瞬間、混沌の中に一筋の光柱が立ち上がり──眩い光が、俺の全身を包み込む。


だが、それは痛みでも灼熱でもなかった。優しく、温かく、まるで胎内に戻ったかのような安心感に包まれる。


そして、光の中で、俺の存在は静かに、しかし確かに──無数の微粒子へと分解されていく感覚。


それは痛みではなく、恐怖でもなかった。どこか神聖で、荘厳な感覚だった。──新たな“存在”へと生まれ変わるための、始まりの分解。

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