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「お兄さま、それに触っちゃダメ!!」

 幼い妹の叫び声が聞こえた時には、全てが遅かった。

 ああ、なんて迂闊なことをしたのだろう。

 動きの鈍い身体を引きずるように床を這って、倒れたまま動かない妹の手を僕は掴んだ。

「アン……」

 部屋のテーブルの上に置かれていた壮麗な装飾の施された箱は、なにか良くないものだったらしい。

 それに触れようとしていた僕の手を、彼女は叩き落として箱に触れてしまった。

「アン、目を覚まして……」

 きっと僕もその「良くないもの」の影響を受けているのだろう。身体を蝕むような、だるさが襲ってくる。

 意識を保っている僕でさえこうなのだから、妹はこのままでは死んでしまうのではないだろうか。

 ピクリとも動かぬ彼女の手を握りしめる。

 どうか神様、僕はどうなったっていいから、妹だけでも助けて――。

 その願いは届いたのか、それとも届かなかったのか。

 その真偽はわからぬまま、僕は意識を失った。

Kindleにて加筆修正版を販売中!

挿絵(By みてみん)

販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0B9JXCH9R

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