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横浜の柴犬たち  作者: アンコウ
序章
2/3

2話 苦悩と悶々

2年半前、


伏田千夏(ふしだちなつ)は悩みに悩みまくっていた。


「なんで気づかないのぉ~」


何を隠そう千夏は暁のことが好きだ。

事の発端は前のLHRで私が黒板に意見を書いている時バランスを崩し倒れそうになったとこを助けてくれたところだ。

ちょろい。チョロすぎる

そうしてその頃から好意が高まっていき今ではアピールしまくっているつもりだ。

なのに気づかない。


「なんどぅぇ~」

そこから千夏は作戦を変えた。

名ずけて。

押してダメなら引いてみろ!」作戦


そして1年後、


「mission impossible」

千夏は押してダメなら引いてみろ作戦を考えた翌日、親から3つ離れた三重県の蒼英中学校へ転校となった。

サッカーの試合も見に行った。

これ以上人気が出で欲しくないのに大会の結果はと言うと......

新聞にでかでかと。

中島暁、ダブルハットトリックで全国大会優勝!

本人のコメント

(しょう)だけに優勝!」


「は?」


千夏はぼーっとした目で天を仰いでいると、

母が部屋にノックもせず入ってきて。


「千夏っ 高校からは横浜に戻れるわよ」


千夏はパニックしていた。

ぇ、戻れる?


「いょぉぅしゃぁーーー」

そして運命の高校初日、

ちなみにどこの高校に行くかは母が調べてきた。

なんか裏ルートとか言ってたけど......


「ここでクラスが一緒になれるかどうか」


1組、2組と順に見ていき、

24番中島暁

28番伏田千夏


めっちゃ喜んだ(頭の中で)

声に出すと暁くんが見たら引かれるかもしれないからそれは嫌だった。


喜びを噛み締めながら桜沢高校1年3組級に入るのだった。

貴族の中の貴族の中島財閥のご令息として生まれた中島暁はすでに小学生、いやそれ以前から周りとの格の差で妬み、僻みひがみ 嫉みそねみを受け育ってきた。



小学生の頃からピアノではコンクールでは頑張ってたくさん優勝した。


勉強も頑張った。


なのに周りからは



「出来て当然だよ」、



「天才はずるい」


もちろん元々天才肌だったしかし、


努力して報われるのは間違っているの?


こんな考えは間違っているの?


お母さんに聞いても「あっているわよ」


お父さんに聞いても「正しいぞ」


ねぇ教えてよなんでこうして妬まれなければならないの?


僻ひがまれるの?



やがてどんどん頭も冴えていった。


そして中島暁は考えた。


この才能を自分だけでなく、周りのために使おうと



そのため小学3年生で友達に助けを求められたからサッカーを始めたし、


クラスのみんなから求められたから委員会にも率先して参加した。中学では学級委員長を3年やり、


サッカーでは全国大会、


そしていじめを解決し、自殺しようとしていた人も止めた。


でも止まらなかった。


何をしていいかさっぱり分からなかった。


話はずれるが、お見合いもさせられたしお父さんから嫌になるほど仕事の勉強をさせられた。




ねぇ俺はそんなに過ちを犯したの粗相をしたの?


贖罪する覚悟も


償つぐなう覚悟も


贖あがなう覚悟もあるのにこのもどかしい気持ちは何?




何も解決しないまま高校に入る。


こんな惰性だせいで生きて、


こんなくだらない生活のまま時間だけがすぎていく


ねぇ、僕もうどうしたらいいのかわかんないよ



ねぇ

お母さん。


千夏side


「ぇ、私達前にも会ってんじゃん」


私、伏田千夏は内心かなり焦っていた。


なんで?


忘れたの?



「ほら、中一の学級委員だよ私たち」


暁side



「ぇ、私達前にも会ってんじゃん」


?誰?

マジで知らん。

これで前本当に会ってたとかだったら詰むんですけど。



「ほら、中一の学級委員だよ私たち」


あ、 ごめんお母さん死んだわ。


そういえばこんな子いたような......


当時はそれ以外に夢中になりすぎたから忘れてた。



「も~う、失敬しっけいな! 冗談でしょ?」


「そうだよじょーだんにき、キマッテイルジャナイカ、マイケル・ジョーダンだよ~」


よし乗り越えた。

やっぱモテる男は辛いねぇ~



「ダウト!」



「忘れてたでしょ!」


「酷いよ!ずっと好きだったのに!」


目に涙を貯めながらそんなことを言ってくる。



「えじゃあなんで今まで話しかけてこなかったの?」



「転校してたんだよ!も~う」

頬を膨らませながらプンスカプンと怒っている。


瞬時に察した。


これは謝らないとヤバいやつだ。


「本当にごめん、今はまだ完全に思い出せそうにないけどこれから頑張って思い出していくから。」


そしてなんか気まずい空気の中、脱兎のごとく家に入って行くのであった。


千夏side


千夏は暁と別れその後はと言うと......

ベットの上で足をバタつかせながら枕に向かって文句を言っている。


「なんでぇ」


「あんなに好きだったのに」



そしてその刹那


押してダメなら引いてみろ作戦を掲げた千夏だったが、....


「うん、引きすぎたからしょうがない」


今千夏は必死に自分を納得させる言い訳しか考えていなかった。



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