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大賢者の魔法喪失  作者: 夜見風花
魔物たちとの邂逅編
31/33

アンリへ

 よく眠れた? 

 あんな部屋と布団しかなかったことを、今ここで謝っておくよ。

 

 話は変わるけど、君が俺の家、その扉の前に立ったときすぐ分かったんだ。


 あぁ、アンリが来たんだ、って。



 どうして君の魔力が移動されたのか。

 どうしてその先が俺なのか。

 どうして君と、初対面の気がしなかったのか。



 わからないことはたくさんあるけど、心残りじゃない。


 だって君が、俺の代わりに全部知ってくれるって分かる。

 アンリは誰よりも強いんだって。感じるよ。



 俺たちはここでお別れだけど、これは別れじゃない。


 この手紙の重石代わりに置いた『閃光』──そこに俺の思いを全部託したから。


 せっかく俺にくれた短剣だけど……君にお返しするよ。

 俺はこういう才能はからっきしだったし、これから俺には何も必要なくなるからな。


 これからの辛い旅に、何か役立つかもしれない。



 

 昨日初めて会って、少し会話しただけの奴にこんなこと言われて……迷惑だったらごめん。

 

 俺さ……君が思ってなかったら気まずいかな、と言わなかったけど……アンリのこと、生涯に一人しか出会えないような、親友だと思ったんだ。


 不思議だよな……多分、君も同じように感じてるんじゃないか?

 思い上がりかもしれないけど。


 


 

 そして、助言が一つ。



 ここから北東に塔がある。魔力を得てすぐ感じたよ……余りに膨大な魔力があるんだ。


 そこに何があるかもしれない。

 君たちの役に立つ何かが。



 俺の家の物も、なんでも持っていっていい。


 あと村人には、俺のことは言わないでくれ。

 彼らに勘違いされたら君たちが危険だからな。



 最後に……このことを君が気に病むことはない。

 これは俺が自分の意志で選択したことだから。


 忘れないで、なんて女々しいことを言うつもりもないが……。


 アンリがメルラスに一泡ふかせてやってくれれば、俺は満足だ。


 

 

 君たちの遥かなる旅路の果てに、幸福あらんことを。




 ────ロゾミゼ

  





 決して上手ではない文字が記された、一枚の手紙。

 表面の四箇所に、乾いた水滴の後。



 それは今、何よりも熱き意志を持つ者が纏うローブの懐に。



 二人の意志が込められた──『閃光』と共にあった。



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