店長はこねこちゃんスピンオフ・ビューティフルフォックス
「店長はこねこちゃん」に登場するクロギツネちゃんや一部の妖怪系キャラをメインにしてます!
さらに「店長はこねこちゃん」にはまだ出てないオリジナルの妖怪も活躍します!
ここは、人間と言葉を喋る動物が暮らす町・鈴夏町。その町には他にも、妖怪も存在しているのです。心優しい妖怪もいれば、人間や動物を支配しようとする悪い妖怪もいます。
セミの鳴き声が鳴り響く暑い夏のある日、
そんな悪い妖怪の一体が、空を飛び、不気味な雄叫びを上げながら町に現れました。
サタンバード「グエ〜〜〜!! ワシの名は妖怪サタンバード! この町を支配してやる〜!」
七面鳥によく似た大きく、禍々しい極悪妖怪・サタンバードが鈴夏町を支配しようとしているのです。
女の子「助けて〜!」
そんな中、サタンバードから逃げる1人の人間の女の子がいました。
サタンバード「ちょうどいい! まずお前からいたぶってやる!」
サタンバードは急降下し、女の子に襲いかかろうとしました。
ですがその時でした。
???「せいっ!」
サタンバード「ぎゃっ!?」
黒い毛並み覆われた何者かが、鋭い爪によるひっかき攻撃を炸裂し、サタンバードを妨害し、女の子を助けました。
その後、彼女は女の子に優しく話しかけてきました。
???「大丈夫?」
女の子「お姉ちゃん誰?」
クロギツネちゃん「私はクロギツネちゃん。」
女の子を助けたのは、クロギツネちゃん。
黒い毛並みに、しっぽの先っちょが白いのが特徴なキツネの女の子。彼女は悪の妖怪であるサタンバードを退治するために駆けつけて来たのです。
クロギツネちゃん「サタンバード! これ以上あなたの好きにはさせないわよ!」
サタンバード「たかがメスギツネごときが生意気な! 七面鳥男ども、かかれ〜!」
七面鳥男達「グエ〜!!」
サタンバードの叫び声により、顔は七面鳥、体は人間、手にはライフル銃を持った妖怪・七面鳥男達がうじゃうじゃと現れました。
七面鳥男達は、クロギツネちゃん目掛けてライフルをバンバンと発射しました。
ですがクロギツネちゃんは、ライフルからの弾丸を軽やかにかわし、ひっかき攻撃で七面鳥男達どんどんやってけていきました。
サタンバード「おのれ役立たずどもが! ギエ〜〜〜〜!!」
クロギツネちゃん「きゃあー!」
ですが、怒ったサタンバードの翼によるこんしんのはたき攻撃をくらい、クロギツネちゃんはダメージをくらい、吹き飛ばされてしまいました。
女の子「お姉ちゃん!」
クロギツネちゃん「うぅ…。」
サタンバード「このまま燃やしてやるー!!」
さらに追い討ちとして、サタンバードは口から紫色の火球をクロギツネちゃん目掛けて吐き出しました。
女の子「危ない!」
ですがその時、どこからか吹いてきた青い吹雪により、火球はカチコチの氷漬けとなり、クロギツネちゃんに命中することなくドスンっと落下してしまいました。
サタンバード「ど、どうなっているだ!?」
???「君と戦うのはクロギツネちゃんだけじゃないよ!」
そこへ現れたのは、クロギツネちゃんの仲間である4人の妖怪でした。
まず1人目は銀髪キツネ耳少年の狐田光太郎、
2人目は光太郎の妹である青髪キツネ耳少女の狐田青子、
3人目は青がかった黒髪の雪女の少女:北園しずく、
4人目は茶髪のロングヘアーに茶色い猫の耳と2本のしっぽが生えた猫耳少女の北乃エリ、
このカッコよくて可愛い4人の妖怪が駆けつけてきたのです。
ちなみに先ほど冷気を放ち、クロギツネちゃんを助けたのは、彼女とは高校のクラスメイトでもある青子です。
クロギツネちゃん「みんな!」
青子「クロギツネさん、遅れて申し訳ありません。」
光太郎「無事かい?」
クロギツネちゃん「えぇ、なんとか。」
しずく「みんなでアイツをやっつけよ!」
エリ「あーいうヤツのせいで、私達妖怪全員が悪いヤツって、疑われるのはごめんだからね。」
クロギツネちゃん「そうね! それじゃあ反撃開始と行こうかしら!」
???「待つでおじゃる待つでおじゃる! まろも参加させてもらうでおじゃるよ〜!」
妖怪の仲間達と共にサタンバードに反撃しようとするクロギツネちゃん。するとどこからか可愛らしい声が鳴り響いてきました。
光太郎「おやおや。来たみたいだね。」
青子「そうですね、お兄様。」
女の子「誰?」
すると地面から白い土管が出てきました。
???「ジャンジャカジャンジャンジャ〜ン!! ビュンッ!」
その土管から白い毛並みに、耳と手足が赤く、小さなキツネの女の子が、まるでロケットのように勢いよく飛び出し、華麗に着地しました。
妖狐ちゃん「聞いて驚くでおじゃる! ひざまずくでおじゃる! まろは、スーパーチャーミングセクシー妖怪、妖狐ちゃんでおじゃる!!」
土管から現れ、高らかに名乗りを上げた白くて小さなキツネは、なんと光太郎と青子の母親でもあるキツネ妖怪の妖狐ちゃんでした。
光太郎「母さんも来てくれたんだね。」
妖狐ちゃん「まろも助太刀するでおじゃるよ!」
青子「ありがとうございます、お母様。」
女の子「え〜!? あんな小さいのにお母さんなの!?」
クロギツネちゃん「まぁ、色々あってね。」
こんなに小さいキツネがイケメンの光太郎や、クールビューティな青子の母親であることに、女の子は当然驚きました。
サタンバード「何人増えても同じことだ! やってしまえ、七面鳥男ども!」
クロギツネちゃんと正義の妖怪達、そしてサタンバード率いる悪の妖怪軍団による最後の戦いが開始されました。
光太郎「ハッ!」
青子、しずく「それっ!」
エリ「えいっ!」
妖狐ちゃん「おじゃる!」
光太郎は黄金に輝く光の剣・妖光剣、
青子としずくは手から冷気同時放出、
エリは鋭い爪による引っかき攻撃、
妖狐ちゃんは赤い火球、
それぞれの技を炸裂させ、七面鳥男達をあっという間に倒しました。
サタンバード「ば、バカな!?」
クロギツネちゃん「アンタの相手は私よ!」
そしてクロギツネちゃんは、最後に残ったサタンバード相手に、勇敢に立ち向かっていきました。
クロギツネちゃん「ハァ〜〜〜〜〜!!」
クロギツネちゃんは鋭い爪による連載引っかき攻撃で、サタンバードを追い詰めました。
クロギツネちゃん「せいっ!!」
サタンバード「ギャア〜〜〜〜〜〜!!」
そして最後に、両手をクロスさせた同時引っかき攻撃も炸裂し、サタンバードにトドメをさしました。
サタンバード「バ、バカな!? こんなバカな〜〜〜〜〜!!」
ボロボロとなったサタンバードは叫びながら紫色の煙となって消滅しました。
戦いが終わり、一安心するクロギツネちゃん。
女の子も大喜びしていました。
女の子「やったやったー!」
クロギツネちゃん「あなたが無事で良かったわ。」
クロギツネちゃんは再び優しい眼差しを女の子に向けました。
すると女の子が恥ずかしそうに、クロギツネちゃんにこんなことをお願いしてきました。
女の子「あ、あのー…しっぽ、触ってみても良い!?」
クロギツネちゃん「…。少しだけなら良いよ。」
女の子「やったぁ! ありがとう!」
少し考え込みながらも、クロギツネちゃんは快く自分のしっぽを触らせてあげることにしました。
一方、恥ずかしそうな顔から再び笑顔になった女の子は、クロギツネちゃんのサラサラモコモコのしっぽをなでました。
こぎつねちゃん「お〜い! クロギツネさーん!」
するとそこへ、黄色い毛並みで、妖狐ちゃんと同じくらい小さな体をしたキツネの女の子・こぎつねちゃんがやって来ました。
すると、そんかこぎつねちゃんを目撃したクロギツネちゃんは、今日一番の笑顔で走り出し、こぎつねちゃんに抱きつきました。
実はいつもクールなクロギツネちゃんは、こぎつねちゃんの前では普段メロメロのデレデレになってしまうのです。
こぎつねちゃん「大丈夫でしたか?」
クロギツネちゃん「大丈夫、大丈夫! こぎつねちゃんが来てくれたおがげで元気いっぱいになっちゃった〜〜〜〜❤️」
女の子「…。」
青子「クロギツネさんはあちらのこぎつねちゃんのことが大好きなのです。どうかご理解ください。」
女の子「大丈夫だよ! カッコいいクロギツネちゃんも、メロメロになっているクロギツネちゃんも、どっちも大好きだよ!」
最初はキョトンしてしまったものの、
どうやら女の子は、さっきまでのクールなクロギツネちゃん、そして今こぎつねちゃんに抱きつきメロメロなクロギツネちゃんも喜んで受け入れてくれたようです。
こうして、サタンバードの退治できたクロギツネちゃん達。ですが悪い妖怪はまだまだいるのです。
とはいえ、もしまたそんなヤツらが現れても、クロギツネちゃんと正義の妖怪達が必ず鈴夏町を守ってくれるでしょう。
おわり
〈イメージ声優紹介〉
クロギツネちゃん:近藤玲奈さん
女の子:本渡楓さん
こぎつねちゃん:原田彩楓さん
狐田光太郎:小林裕介さん
狐田青子:金元寿子さん
北園しずく:山口愛さん
北乃エリ:石飛恵里花さん
妖狐ちゃん:日高里菜さん
サタンバード:考え中
七面鳥男:松岡禎丞さん
クロギツネちゃんと妖怪達メインの短編はいかがでしたか?
ちなみに今作は、「黒ギツネと少年」という童話のあらすじを参考にした部分もあります。