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◆Prologue
ここに…果てはあるのだろか。
どんなに先に進んでも一切の光も届かない深い闇の中を俺は歩いている。
いや、実際は自分が進んでいるのかも分からない。
自分以外、何も見えないから、進んでいるのか分かる訳がない。
…でも、足はちゃんとつくなんて何だか不思議だ。
…どうせ、行くあてなんてないんだけどな。
あそこじゃないどこかへ、行きたいだけなんだ……
いや、べつにどこかへ行きつきたいなんて訳でもないけど。
――あそこって…どこだ?
俺は、…違う。
逃げたいんじゃない。俺が逃げる必要なんてないだろう?
…帰りたくない、これは俺の意思だ。
逃げてるんじゃない…、絶対に。
大体、俺は…俺…は、……俺?
俺って…誰なんだ?
…光が………世界が、――見えてきた。