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「海外にいたって言っていたけれど、日本に住んでたことはあるの?」

「幼少期ですが、ありますよ。4歳ぐらいまででしょうか。それから海外に住んでいたのですが、長い休みの時とかに少し日本に来たりはしてました。」

「なるほどなるほど。じゃあ、海外での生活の方が長いんだね。」

「そうですね。」

「英語とかペラペラな感じだよね?」

「まあ……。そうですね。英語圏以外にも住んでいたので、いくつかの言語を話せます。」

「えー……凄い……。」

 海外って聞いたら英語なのかなって思ってたけど、そうだよね。海外って英語以外も使うよね。海外イコール英語って凄いバカっぽい発想かも……。恥ずかしい。

「海外って具体的にはどこに住んでたことがあるの?」

「ニューヨーク、イギリス、フィンランド、フランス、アイルランド、中国ですかね。」

「すご……。海外と日本ってやっぱり違う?」

「それは違いますよ。私は日本好きですよ。他の地域も好きですけれど、日本は日本でとても良いと思います。」

「へー!それは良かった。やっぱり日本って良いんだなあ……。」

「私の知り合いにも日本好きな人が多かったですよ。」

「そっかそっか。それはなんだか嬉しいな。」

「久遠さんは海外に行った事ないですか?」

「ない……。だから少し憧れちゃうかな。英語とかペラペラとか凄い羨ましい!」

「あはは……。少し照れますね。もし機会があれば案内とかしてみたいですね。」

「えー?ほんと?それは凄い助かるかな。そういう機会があればいいなー。」

「ですね。」


 海外か……。いつか旅行とかで行ってみたいな。特に何がしたいとかないけれど、一度ぐらいは言ってみたい。


「雨宮さんは何か好きな事とかある?趣味とか……。好きな食べ物とか!」

「趣味ですか……。そうですね。絵を描くことは好きですよ。」

「絵!凄いなあ……。雨宮さんが描いた絵見てみたいかも。」

「今は無いですが、気が向いたら描こうかなと思っていたのでそれが出来上がったらでいいならいいですよ。」

「嬉しいな。期待して待ってるね。」

「あまり期待されると困りますが……。頑張って描きますね。」

「うん。」

「久遠さんは絵とか描きませんか?」

「全然描かないかな……。ほんとにへたっぴって感じで……。」

「あはは……。気持ちは分かりますよ。」

「えー?」

「本当ですよ。私でもそう感じる事があります。ですけれど、絵を描くことって楽しくて。」

「そっか。楽しむことが一番なのかも。」

「ええ。もし機会があれば絵を描いてみてください。」

「考えとくね……。」

 そんな機会が来るのだろうか。

 絵が趣味って硬派な感じ。羨ましいなあ。歌が上手とか、絵が上手とか芸術性の高い人って言うのかな。憧れちゃうな。

 自分の発想とかを発言する能力って言うのかな。凄く良い。


 そうだ。ピアノとかイメージ的にはかっこいいな。ピアノで思いだしたけど部活とかもあるよなあ。


「雨宮さんは絵が好きって事は美術部とかに入る予定?」

「え……。いや、あまり考えてなかったです。今までも一人で適当に描いていたので。」

「なるほど……。入りたいって思ったりはしないの?」

「考えた事も無かったので……。」

「あ、それはそうだよね。ごめんね?」

「いや、大丈夫ですよ。」

「まあ、もし興味が湧いたりしたら入ってみたりするのもいいかもね。」

「そうですね……。」

 少し不安そうな表情だ。それもそうかも。男の子なんだから、あまり女の子の輪に入りたくないのかも。性別がバレるリスクも増えちゃうし。

 それでも、少しでも興味があるなら挑戦して欲しいな。きっとその方が学園生活を楽しめると思うし。


 ぐぅ~~~。突然聞こえてくる不思議な音。何だ……?と周りを見ると雨宮さんが恥ずかしそうな顔をしていた。

「お腹すいた?」

「はい……。恥ずかしながら……。」

「ご飯食べに行く?」

「出来れば……。お願いします。」

「いいよ。食堂いこっか。」


 部屋を出ると玲奈と凜と紬が待機していた。

「三人とも何してるの……?」

「何してるのは私達じゃなくて一花だわ!」

「そうですよ。ひどいですお姉さま……。」

「どういうことっすか?!」

「ちょっと待って……。落ち着いて。どういうこと……?」

 知らぬ間にまた何かやらかしてしまったらしい。

「その女は誰?!」

 玲奈が雨宮さんの方を指さして怒っている。

「雨宮璃子さんだよ。転入生。」

「なんでお姉さまと同じ部屋なのですか?!」

「それは私も分からないけど……。七海先生がさっき連れてきて、私も事情は知らないよ。」

「それは困った事っすね……。」

「あ……皆さん初めまして……。雨宮璃子です……。今日こちらに来ました。よろしくお願いします。」

「……。初めまして。よろしく。私の名前は東雲玲奈よ。」

「自分は月見凜っす。」

「秋月紬です。」

「まあまあ……。皆食堂行かない?こんな所で話すのもなんだし……。私も良く分かってない事も多いから……。」

「ふん……。しょうがないわね。」

「ちょっと機嫌悪くなりすぎっすよ。自分もいいっすよ。聞きたいこともあるっすから。」

「私はお姉さまの傍にいます。」

「雨宮さんも皆一緒で良いかな?」

「自分はご飯が食べれたら何でもいいです。皆さんに申し訳ないですが……。」

 気まずい空気のまま食堂へ向かう事に。

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