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「男……?」

「はい……。」

 雨宮さんの表情を見る限り冗談ではないみたいだ。

 でも、なんで急にそんなカミングアウトを?

 それに男って……。女子校に男って問題じゃないか。

 僕が言える立場じゃないけど。

 男か……。

「驚きますよね……。すいません。」

「あぁ……。うん……。」

「どうか私が男なのを皆にばらさないでもらえないでしょうか?!」

「ええ……。」

 バラさないで欲しいなら、何で僕にカミングアウトしてきたんだろう……。不思議だ。

 僕が言うのもなんだけど、女性にしか見えないし。僕みたいにボロを出す事がなければ、バレなそうだけどな。

「ダメでしょうか……?」

「いくつか質問していい?」

「はい。」

「正直、私から見て雨宮さんは女性にしか見えないんだけど、何で性別をカミングアウトしてきたのかな。正直言われなければ気づくことなかったと思うよ。」

「そうでしょうか……。女装するのも初めてで、女の子みたいにするって言っても分からなくて……。どうしていいのか分からなくて……。うぅ……。」

 

 ええ?泣いた?どうしよう……。泣かせちゃったのか……。

「ごめんごめん。泣かないで。落ち着いてくれるかな……。」

「すいません……。」

 この子にはこの子なりの事情があるのかな……。

「久遠さんは凄く良い人そうで、理事長の知り合いって事もあって、協力してほしいと思ったんです。皆さんを騙すのは勿論悪い事だと思ってます。それでも、出来る限り問題を起こさず生活したいんです。久遠さんにだけは真実を伝えて協力して頂ければと思い……。」


「そうなんだ……。」

「久遠さんが仲良くしたいと言ってくれたのは、凄く嬉しかったのですが、自分は男なので、その気持ちが凄く申し訳なく。」

  僕の性別がバレてる可能性も考えてたけど、そういう訳でもないみたいだ。

「そっか。私が皆に性別をバラしたらどうするつもりだったの?」

「その時はその時です。学校を退学するでしょう。」

「なるほど。」

 僕が女の子だったら、どうしてるんだろう。普通、男の子と一緒だなんて難しいだろう。

 それでも、僕なら彼を助けれるのかな。

「分かった。協力してあげる。その代わりに、条件があるけど良い?」

「なんでしょう……。」

「男と女の子だから、限度はあるけど仲良くはしてほしいかな。後は私が困ってたら助けて欲しいかな。」

「え?それだけですか?」

「うん。どうする?」

「ぜひお願いします!」

「よろしくね。」

 握手を交わした。


「私なんかが女の子手を触っても良いんでしょうか……。性別を知ってる久遠さんぐらいは、触れない方がいいのでは。」

「私は気にしないよ。勿論、体をベタベタ触られるのは嫌だけど、これぐらい普通だよ。」

「そうですか……。」

「雨宮さんは何か困ってることある?私も事情を知ってるんだから、出来る限り協力してあげたいしな。」

「困ってることですか……。来てばっかなので分からないことだらけですね……。」

「それもそっか。生活してる内に分からない事があったら聞いてね。何でも答えるから。」

「ありがとうございます。」


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