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書きかけの物語へ

しかし、創作ノートの多くは未完であった。

城へ着いた時の完結までの構想は頭の中ではわかってる。

しかし、文字に起こすとなると労力というものに変化し、

それが私を苦しめていたことを思い出す。


「もう、いいや」


この言葉で幾度の物語が未完に終わっただろう。

終わりの見えないトンネルの中で、

暗闇から早く抜け出したくて、

いつまでも仮想にいるという申し訳なさが、

襲ってくるのだ。

評価されない、評価するなんてことを

そんなどうでもいいことを、あのときの私は、

気にしていた。

空気を読んでいた、確かに大事な社会スキル、だけど、、気にしすぎれば毒、私は、自意識過剰であることは、今に始まったことではない。


証拠として、家から外に出れない、用事がなければ、基本は家で、自分で決めることへの不安が私の足を鉄筋コンクリートのように塗り固めていた。


誰にもわからないのだろうと思う。

他人に期待するのはいつの頃からかしなくなったから、

他人は他人の心の内でしか動けないと知っているから、

彼が好きになるのも、彼の利があるから、好きになって

彼女が好きになるのも、彼女の利があるから、好きになるだけだから。

恋愛は素敵なものじゃなく、利害一致で成り立つ事象に過ぎないから、私は恋愛というものがわからない。


だけど、、私は、私自身が好きなことには変わりない。

端から見れば自己愛の、ナルシストだと言うかもしれない。

だけど、、ナルシストと言って、自身はナルシストではないという証拠があるのか?不確かな証拠、自分が正義だという誤った不確定な証拠を不確定なままでいってるだけとの虚無主義者、私も間違ったまま言っている自覚を持ったままだから。

論争の後に残るのは虚無、争いの中に残るのも虚無、差別の中に残るのも一時的な喜びが来てからの虚無。

あらゆるものの終着点は虚無でしかない。

友人との心の繋がり、恋人との心の繋がり、家族との心の繋がりも結局のところは虚無を恐れるが故の戯れであり、終着点は虚無でしかないにも関わらずだ。


違う、そうじゃない


それも然り。

円環の輪を理解した気になっている。

私の頭はまだ、未熟、生きてる可能性がある限り、

人は皆、赤子なのだと。

答えは死の中にあるが自身の手で刃を向けてもいけない。

若い内に死ぬのは、

逃れられぬ苦しみから逃げることなのだろうか?


私は頭の中でかぶりをふる。

今は他の人の事を気にして、どうする。

他人の死など、他人で考えればいいことだろう。

確かに悲しい、他人は他人に殺されたと言っても変わらない。

だけど、それがどうした?自分にとって、どんな利益があるか?

悲しみをもって、それは救いになるのか?

笑うことで救いになるのか?

わからない、わからない、

結局のところ思考を虚無へと放棄せざるおえない。


書きかけのノートは書きかけの物語は

思考の放棄をしたゴミである。

されど、それも物語、私は、彼らを思う。

書きかけの物語達へ、

修正コードは使わない。いや、使わせない。

他人の正義を振りかざせはしない、知ったかぶりを知った見えなき他人に修正させはしない、拳を受け止めて、その拳を切ってやるのだ。

かつての自分はただ、他人に言われるがままの情けない奴隷であった、弱者の奴隷、皇帝に意のままに操られる敗北者。


だが、私は、今の私は違う。

なぜ、違うのか?不確かだが、

書く手が動いている。

感想はあくまでも個人の感想だ。

過激な言葉で修正されど、あくまでも個人の感想だ。

知らん、対決したい挑発行為は、未熟が故の行為であると知る。

知らん、無視をすればいい、個人の感想など返信しての心の交流など、虚無でしかない。

だから、気にしても意味がない。

わかる人にわかればいい、


無色に染まっていた物語はいつしか、空に色がつく、

キャンバスを持つ、私、間違った言語と誤った使い方をしてしまうかもしれない大根役者の私だけれど、大根が切り干し役者になって、脚本を昇華させたら、私にとって満足なのかもしれない。


今は底辺、崖の中、ダンボールの底に眠るかつて完結した物語、書けぬ哀しみを背負うより、新たな創作への糧となることを口に入れつつ、私は書く、ただ、ただ、誰かの為でなく、私の為に、


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