5話 神様になればいい
少し暑さが増してきた日が続き、薄着でも構わない季節。GWという休みをはさんだ。
俺は少し怠け癖がついてきたのかもしれない。
再び学校に行くことが億劫になっていた。万国共通の感覚だろう。
自分のことをうつ病だと自称したいほどの、頭の重さ。身体のだるさ。よく、朝起きることができたものだ。それだけでも自分を褒めたたいたい。本当は、鳥の大群が俺のマンションの叩きに来たのだが。誰かに操られたような鳥の大群。俺が目覚めるとすぐさま、どこかに行ったのだから絶対わざとであろう。
教室につくと、そこには傷心し切ったフウカがいた。
GWゴールデンウイーク前に、一通りの行動を終え。
燃え尽き症候群みたいに灰になっていた。
おそらく神様はいなかったのだと考える。
生徒ほぼ全員といっても良いほど聞き取り調査を行なったが結果は見つからなかったようだ、
GW休み明けの月曜日。何食わぬ顔で、フウカは俺の後ろの席にいた。
この女に監視されるという背徳感、カラスに突かれるゴミ袋のような、心苦しさを覚えている。
フウカが静かにいるというのは奇妙なもんだ。その日は朝から静かに座っていた。
いつもは数分をおしんで教室を出て、
「神様ですか?」
と聞きまくっていたが、今日は一歩も動かない。嵐の前の静けさ、そんな恐怖を俺は感じてしまっていた。
ただ平穏であることを俺は願っている。そう俺は願っていたんだ。
願って・・・・・・・・
その日、月曜日2時間目の国語の授業。昼食の前ということもあって。糖分が俺の頭から無くなり、意識が朦朧となる自然現象。
「この文にはですね。断定の助動詞なりが使われていますね。」
どうしても眠たくなってしまう。教室全体が静けさに包まれていた。
平安時代を思わせるような、古風あふれる静寂がそこにはあった。
しかし、そこにいきなり大きな爆弾が爆発したかのような、大きな響きが起こった。
「私が、神様になればよいのよ!!」
うん??
台風が後ろから通り抜けたような声、静まり返った教室にフウカの叫び声が通り抜ける。本当に突然の出来事だった。俺は反射的に後ろを振り向く。周りの生徒も一斉にフウカの方を見る
フウカは何かを叫び、いきなりその場に立ち上がったかと思うとすぐに再び座った。生まれて初めて蛇を始めてみたかのような奇妙さがまじった表情をしていた。
何も言えない。世にも奇妙なことが行われたかと思うとすぐさまもと通りになった。マヒャドという大きな氷が教室内に放たっれたかのように、5秒間の沈黙が教室を襲う。
「空歌。授業終わってからにしなさい。授業中は静かなにするように。」
国語の先生の静止があって、彼女はひとまず席につく。良いメラみたいな炎で冷えきった教室をとかしてくれました。ナイスです先生。
教室では何事もなかったかのように、再び授業がはじまった。
クラスメイトたちもそれほど気にならないのか、すぐに振り向き戻ってしまった。
何故ならクラスメイトは全員、フウカに神様かどうか少なくとも1回は尋ねられているからである。2回同じ質問をされた奴もいるだろう。
フウカがどんな人間なのかを熟知しているためさほど気にならないようだ。、
フウカも、その後の授業の間は特に何も言うことはなかった。
が、
極度の振動の貧乏ゆすりの揺れが前の席の俺にまで伝わってきた。
何かに苛立ちを覚えている。何かを思いついたのに授業を受けなければならない苦痛だろうか?
激しい、激しい、俺の席にまでマグニチュードが伝わる。なんでこいつは俺の後ろの席なんだよ。
キーンコーンカーンコーン
授業の終了を告げるチャイムが鳴ると共に、フウカはいきなり俺の方を振り向いてきた。その速度は獲物を狙い定めたオオカミのよう。射殺される感覚を俺に味合わしてくる。
「ついてきなさい!!!」
そして、俺の右腕を引っ張って教室の外へと連れられる。
「おい、どこいくんだよ?」
「いいから、ついてきなさいよ。」
有無を言わせぬ表情、言動に俺は連れられるしかなかった。
3Fの教室から、さらに1つ上がった所、フウカはなぜか持っている鍵で扉を開け屋上へと行く。
晴れやかな空、雲一つない神々しい昼である。まだ5月ということもあり心地よい暖かさが俺を包む。
ここまで素晴らしい快晴はないだろうという日。
この学校では屋上の扉に鍵がかっているから、誰でも自由に入れるというわけではないのだろう。
フウカは屋上の扉を外側から再び鍵をかける。誰も入ってこないようにしたのだ。
天気とは裏腹の緊張感ただよう感じ。悪いことが起こる気しかしない。
表情は、にこやかに俺の顔をまじまじ見てくるフウカ。その目から流星を流してそうな視線を避けようとするが、顔を離しても離しても目を合わしてくる。
右向け、左向け、上向け、下向け。顔を合わすこと=死を意味するような気が俺はしたため、避ける。しかし、どれほど逃げてもフウカは顔を合わせてくる。
俺は、なんとか、なんとか逃げようとしたが…………とうとう耐えられなくなった。
観念。
俺はフウカと顔を合わす。その顔は、クリスマスプレゼントをもらった小学生のようにニヤニヤしている。それが美人というものにフウカは生まれたから、よけいにうざい。
こいつに美貌を与えたのは間違いだろ。見た目がいいだけで、人間は一体どれだけ得をするというのだ。
せこい。
「どうした?」
フウカは5月初旬まで俺に話しかけることは1度もなかった。俺から話しかけることはもちろんない。あれだけの生徒に神様かどうかの確認をしていたフウカだが、前の席に座っている俺には話しかけることは全くもってなかった。今思うと、わざとだろうとだったのだろうか。
なにしろ、フウカとは死後の世界で出会った人間だったから。
「あんたが神様なわけないじゃん。聞くだけ無駄ってやつよね。」
俺への蔑んだ目を凝らすフウカ。あーあ、そういうことだったのか・・・とはならない。聞くだけ無駄とはなんだ。確かに俺は神様ではないが、俺以外のほとんどの学校の生徒に尋ねておいて、俺に聞いてこないというのはどこか癪だ。最初っからこの女は俺のことをなめすぎではないだろうか。
「わざと話してなかったのか・・・忘れたのかと思ってた。」
「何?私に記憶喪失キャラでも付随させたいっていうの?キモっ!これだから地獄行きの死人は。」
いちいち癇に障る奴だ。多いに言い返してやりたかったが、フウカの中で俺は、地獄行きの死人キャラになっているようだ。固定概念に包まれるとはこういうことを言うだろうな、うん。
「まぁ、俺のことどうでもいいよ。何か言いたいことがあるんだろう?早く言えよ。」
なんだろう、フウカがうざかったからか、わざわざ話を振ってしまった。
「私は、現実世界に戻ってから1ヶ月、この学校の生徒ほぼ全員と仲良くなって、神様かどうか尋ねたは。」
フウカの自分語りが始まってしまった。完全にしまった。
「だけど、神様はどこにもいなかった。」
そりゃそうだろうと俺は納得してしまう。人間はにんげんだろうよ。神様ですか?と聞かれても、思わず驚いてしまう。そんな質問してくるやつはこの世にフウカしかいないからな。
「その神様が探してるって・・・・なんなんだ?神様なら、ここじゃなくて、天国とかにいるんじゃないか?」
「現実世界に神様はいるわ。私がこの目で1度見たことがあるからね。」
フウカは自信たっぷりに語った。
しかし俺は疑いの目を思わず持ってしまう。神様を見た?まさかそんなこと・・・・ないだろうと思ってしまった。
「小学生4年生。私が10歳の時の話よ。4月21日土曜日。とても若かった。神様みたいな風格は出ていなかったけれど、間違いなく神様だったの。でも、神様にはあれ以来会ってない。探しても、探しても、いない。せっかく現世に戻ってきたっていうのに。」
それは神様がここにはいないからじゃないからか。手当たり次第に声をかけて・・・
「私が神様になる。」
うん?うん?うん?うん?うん?神様になる、とは一体どういうことなのだろうか?
神様になる?
「どういうことだよ?」
正直言って、俺の目の前にいる変な少女をこれ以上深堀することはいかがなものかとは思ったが、意味の理解しがたい内容に聞いてしまった俺がいた。神様になるって一体どういうことだ。
「私が神様になれば、本物の神様の方は怒ってくると思わない?なりすましすることで、本物の神様の怒りをかうの。そしたら、出会えるじゃん。」
おぉぉぉ・・・・・・・・・ぽかーんとした感想を抱いてしまう。
「たしかに、なりすまして権力を得れば、本物は現れる・・・かも。」
「そうそう、あんた珍しく頭冴えてるわね。そういうことよ。」
なにやらフウカに褒められている俺である。「珍しく」と言われるほどお前との絡みはないがな。
なりすまし、相手に周知され、怒りをかい、召喚する。フウカらしいといえば、フウカらしい。
少なくとも俺は会いたい人がいたとしてもフウカみたいなことはしないし、できないだろう。
「ふーん、じゃあ頑張ってくれ。」
お腹が空いた。こいつと話していると、弁当を食べる時間がなくなってしまう。その思いここらで話を切り上げたいと思った。俺はゆっくりと、扉の方へと足を赴いていく。
「ちょっと待ちなさい。神様ってどうやってなるのよ??」
なにやら凄い難問がほり込またような気がした。フウカは少し怒った表情で俺のことを見ている。
逃げることを咎められた瞬間。
「神様になる方法??
たまらず聞き返してしまった。神様になる方法・・・・・・・・・
頭の中のギアを全力で回すがわからない。
いや、神様になる方法なんて普通わからないのではないのか?
そうだ、いつの間にかフウカのペースにおかされていた。そんなもの元からないではないか。
何を思索し始めていたんだバカらしい。
「神様になる方法・・・なんて知らなねぇーよ。」
パン!!!!
瞬間的なことだった。痛っ。いきなりフウカは俺のことをぶっ叩いてきた。右手で平手打ちである。
いきなりの衝撃に少し泣きそうになる。
「しっかりと、考えなさいよ。」
いや、そう言われましてもねこちとら神様になる方法など考えたことないんですよ。
地球上を探せば、何人かは神様になりたいという人間は確かにいるかもしれない。しかし、そんな人間普通はいないからなとフウカに言いたい。
しかし、もうフウカにぶたれたくはなかった。俺はそんな性癖を持った人間ではない。ぶたれるのはさすがに嫌だ。
俺は考えた。3分ほど、できるだけの弁当を食べる前のエネルギーを使い切り。
ぐるぐる頭の中を目まぐるしく回し、1つの道をみつけだした。
「神様部・・・・・・・」
「えっ・・・」
俺はポツリと呟いた。どこから生まれてきたのだろう。その単語はいったいどうやって生まれたのだろうか。考えに考えて生まれてきた言葉がそこにはあった。
「いっそのこと神様になる部活でも作ったらいいんじゃ・・・」
ゆっくりと顔を上げて、フウカの顔を見る。
「神様部よ・・・そう、神様部。神様部を作ればいいんだわ。」
神様部という言葉が発せられるたびに、フウカの言葉の強さが大きくなっていく。なにやら笑顔が多くなっている。
「神様部を作ればいいのよ!!」
俺が引いた引き金は地獄への始まりだった。