29話 戦いとはいついかなる時も
いきなり爆発音みたいなものが、聞こえる。
「なんだ!!!」
「なにが!」
いきなりのことであるようだ。丸香澄もあわてている。
眼鏡をかけた少女が表れている。
「どうした?」
いきなり起こったことに、わけがわからないでいる。
「あっ!!」
窓のほうを指さす。全員がそちらのほうを向く。
「あけろ、あけろー、人間は全て破壊する。」
窓から勢いよくたたいてくるのは見たことのある存在だった。
白霜あかりだ。
「なんで、あいつがここに。」
悪魔の世界からの使者。空歌フウカの元の大魔王である記憶を取り戻そうとしにきた人物。
天性のぶりっ子キャラを兼ね備えたすごい奴。男なんてものはすぐに落ちてしまうだろう。
「人間を破壊するーーーー。」
声の覇気みたいなもので窓のガラスがいっきに揺れる。
その勢いに一気に押される。
音の振動でガラスが今にも割れそうだ。
「逃げてください。」
「えっ」
俺の脳が反射で動く前に、目の前でなにかがおこっていた。
丸香澄は、いつの間にか身体を機械のようなものに武装している。
そして、刃の鋭さが際立つ刀を手にもつ。
「新起くん、こっち。」
伊藤先生に手を思いっきり引っ張られる。
いったい何が起きてるんだ。
ここはWHOのなんかじゃないのか。
安心安全に守られておけよ。
「新起くん、なに逃げてんの?」
瞬間移動かのよう、いきなり目の前に現れた三森。
俺はとっさによける。
なんで俺のことを狙ってくるんだ。
白霜は俺との協力関係・・・
「カミ君から、離れろ!!」
剣を振りかざし、丸は攻撃を放つ。
しかし、その攻撃はとっさにかわされてしまう。
目の前で繰り広げられる戦いに、俺は腰を引く。
「人間は抹殺しなくちゃならない。人間なんていらない。人間なんてーーーーー。」
圧倒的な雄たけびが部屋中にこだまする。
その様子に思わずひるんでしまう自分がいた。
その様子はいわば悪魔だった。
人間を無差別にあらがおうとする存在。
そんな存在にあらがわなくてはならないのか。
無理だ。
この存在に俺は・・・・・
「大丈夫ですか。新起さん!!!」
このピンチの時に颯爽とやってきたのは
大きな翼を羽ばたかせ、大きな光をきらびやかに見せる。
圧倒的な威圧感をもつ天使の姿。
「お前・・・・・」
「助けにきましたよ。」
絶妙的に完ぺきなタイミング、きらびやかな姿、イケメン高身長、すべての要素がかみ合っている。
「大丈夫?」
よこから冷たい声で囁くのは三森あかねだ。
「お前たち。」
天使の姿をした2人が俺の目の前に現れる。
「暴走してる。」
「えっ・・・・・・」
「白霜さんの、悪魔が暴走している。人間を敵視する存在に・・・」
白霜の中の悪魔・・・・
そんなものが姿をあらわしているというのか。
「天使までがここに・・・なにが起きてるんだ。」
伊藤先生も驚きを隠しきれない。
丸香澄も突然のことに色。
「なにが・・・・」




