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26話 またカミはサボる。眼鏡少女なんていたか?

俺が目覚めたのは16時あたりの時間だったらしく。

ちょうど放課後の時間ということもあり、すぐさま俺はフウカに連れ出された。


「さぁ、いくわよーー。」

やる気満々のフウカが俺に圧をかけてくるから怖い。

俺は今まで、保健室で寝ていたんだろ。そんな奴をいきなり駆り出すなよ。


と、俺も心の内をフウカに告げれば、どんなにいいだろうか。

世界の平和を守るために、俺は奔走する。

「はい、わかりましたーー。」

フウカに気に入られる存在。本当に レアな存在だと言える。

正直、そのようなことを欲してい なかったが。


放課後の学校。

ぞろぞろと生徒が帰っていく。


「空歌フウカをお願いします。」


神様のフウカの記憶、大魔王のフウカの記憶。

2人のフウカに出会った。どちらもいい人だったかもしれない。

ただ、フウカにそんなことをやって欲しくない。


ただ、あの人たちには紛れも無い風格があった。

神様であったり、大魔王の風格が紛れもなくあった。


今のフウカとは別人かという風な様子である。


まぁ、今はたかだか学校の生徒会長を目指しているだけである。

それくらいの手伝いならばしてもいいと考えていた。



「浅倉千聖をよろしくお願いしまーす。」



うん??

何やら隣で聞いたことある声が耳に入ってくる。


「何してんすか?」

思わず隣で生徒会活動?を行う、浅倉千聖にツッコミを入れてしまう。


「何って、選挙活動です。見ればわかるでしょ。」


テキパキと来る生徒来る生徒に硬い握手を交わす。

放課後の校門前、ここで選挙活動をするのが当たり前といえば当たり前か。


「浅倉千聖をお願いしますーー。」


「空歌フウカをお願いしまーす。」


ここにフウカまでもが入ってきた。

またまたややこしいことになりそうな雰囲気を漂わせる


「先輩、私たちが先にしてたんですけど、邪魔しないでもらえますか?」

「邪魔にはなってないでしょーよ。」


「ええそーーですか?明らかに邪魔だと思うのですが。」


女の戦いとは男以上に怖いものがある。実際に殴り合うわけではないが、冷戦を感じさせるこの異様な雰囲気は気味の悪いものだと感じる。


「授業終わりの放課後、生徒がどこに来るのか。考えたらわかりますよね。そう、ここしかないんですよね。そこで選挙活動をしない人がどこにいるでしょうかね。あなた達のホームルームが先に終わりここに先に来ただけのことでしょ。なぜ、あなた達に掌握されなきゃならないのよ。」


「明らかに、奪い合いになるじゃないですか。そんなことされると、こちらも悲しくなってしまいますよ。生徒の奪い合いで得た票数なんて悲しいじゃないですか。そんなズルした票数をゲットしても意味ないじゃないですか。」


バチバチとした女の戦いが繰り広げられる。

こちらとしても、どうすれば良いのかわからないよ。

怖い怖い。


俺は浅倉とフウカの激しい争い言い合いから逃げて、その他の所で今日の俺の与えられた課題であるビラを配る。


それにしてもこのビラに映るフウカはいくらなんでも綺麗すぎやしないか。

写真映えをフウカが機にするとは思えない。

写真家さんの力量が見て取れる。天才だ。


最近では、ここまで技術が優れているとは…………

写真の加工の闇。


などとたわいもないことを考える間も、2人は高度な言い争いをしていた。



「祓野さん。祓野さん。」

どこからともなく聞こえる名前。しかし、聞いたことのない声な気がした。

横からちょんちょんとしてくる。


「えぇーーーーと、どなた様でしたっけ?えーと、フウカのチラシ欲しい方ですか?」

「いや、違いますよーー。」

なんだか真面目そうな眼鏡少女が目の前にいる。


「あんた、誰だ?俺の中学生の時の同級生とか?あぁ、あの時の俺が少し注意したファミレスの店員とか?いや、もしや夢の中でであったとか?」

「いえ、そんなとこでは会ってませけど。」


しまった。何個かの選択肢を言っておきながら、1つもかすらないなんて。

人間失格といっていいだろう。ただただダサい。


さて、この場合どうすれば良いか?

向こうは俺のことを知ってるいるらしいが、俺は目の前の眼鏡少女のことを思い出せないままでいる。しかもてきとうな嘘も外してしまった。


どうする。どうする。


「浅倉千聖の応援演説、丸 香澄ですよ。何度か会ってますよね。」


と彼女にとっては常識のような言い方だ。

しかし、俺は悲しいかな思いだせないでいた。


応援演説をする人。俺と同じ役割を担っている。

だが、知らない。


こんな眼鏡をかけた少女をなぜ忘れることがあろうか

しかし、俺は記憶になかった。


「丸 香澄さん………って言ったけ。で、なんの用事なのよ。」

結論を気にすることはやめ、俺は彼女と話すことにした。

わからないものはわからないんだよ。


「あの、空歌フウカって何であんな生き物なの?」

「あっ、フウカのこと。何で何でしょーね。傲慢というか、変な性格してますよね。」


ふーーん、何というかフウカの情報が欲しいと言った感じか。

まぁ、こいつらは真面目に選挙活動をしているからこその行動か。

俺が普段から、適当に選挙活動をしている証拠というものだろう。

まぁ、フウカの怒りを買わない程度に俺は頑張ってるだけだから。


「そう言われてもなぁー、俺だってフウカのこと全然知らないないしな。」

知っていても、そう簡単に信じてもらえる内容ではない。

フウカは元神様で、元大魔王、誰が信じるのか。

そんな言葉を放ったところで受け入れてもらえるわけがない。

しかも、2回目の人生とかいうテンプレ的に起こる展開。


「知らないことないじゃないですか?毎日、一緒にいるじゃないですか。」


この眼鏡の女、中々話し方が独特でうざいな。

変にキャピキャピしていて、高いテンションで話しかけてくる。


「そんな毎日いるわけでも、ずっといるわけでもない。しかも、俺はフウカに対して興味がないからな。」



「またまたー、そんなこと言っちゃってー。」


無性にグイグイとおしてくる眼鏡っこに徐々に苛立ちを覚えてくる。


俺は、このままでは無限ループで一生終わらないと思ったので、

何かないかと脳を必死にさしささ働かせる。


数秒の思考の後、思わずポンと手を叩いてしまう。


「フウカが嫌いなものは、真っ赤なミネストローネだ。」


それっぽい答えを言うが、もちろん嘘である。

よくミネストローネみたいな、小学校の給食にしか出ないようなものを

口から出せたと思う。


「ふぇーー、ミネストローネ!!中々珍しい好物ですね。」


抱く感想はやはり同じか。ちょっと希少な料理を選んだのはミスだったかもしれない。

しかし、丸はメモ帳にすらすらと書く。


「ありがとうございます新起さん。良い情報を手に入れることができました。」


深々なお礼をしてくる。

俺も罪悪感からか、軽く会釈をする。


「新起くん。新起くん。」


足に蹴りを2発くらいつつ、耳には良く聞く声が入ってきた。


「カミーーーーーーーー、サボって何しとんじゃーーーー!!!」

加えて鮮やかな跳び蹴りくらう。助走をつけた綺麗な蹴りだ。


「おいっ、フウカ何しとんじゃーーー。」

さすがに痛かった。痛かったからこその怒りが倍増してくる。


「うん?あんたまた、サボってたわよね。」

「いや、違う。話かけれてだな………。」


俺は助けお求めるように、丸香澄、眼鏡の少女の方を向く。

しかし、眼鏡はそっぽを向き始める。


「はぁ??」


思わず怒りたくなる。何で俺、裏切られてんの。

おいおい意味わかんねんだけど。


「あんたが、また話しかけたんでしょ。」

「いや、違うって。違うって。」


俺は否定をするがどうにもならない。

フウカはそのままの勢いで俺に襲いかかってくる。

何で2回もこんなことになってんだよ。


俺の悲しみの叫び声が校舎中に響き渡る。

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