表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/38

21話 空歌フウカは元神様である。

「何言ってるんだ。フウカは、元神様であり、元大魔王であるってことか。」


俺は驚きで口が開く。

そんなのが存在していいのだろうか。

それって、大学で例えると、元東大生であり元京大生。

いるかもしれないが、レアなことは間違いない。

しかし、フウカはそれ以上の存在なのではないか。


「はい。そのとおりですでございます。」

今永は真面目な顔で言う。その姿というのは、真面目すぎてふざけいるようにも見えるが。

俺は、三森に視線を送る。


「はい。」

できれば頷いて欲しくないが、迷いなく頷かれる。

あああ

「もっと詳しく教えてくれないか?」

「今のフウカ様は、記憶を失っておられます。詳しいことは、私どもも知らされていません。」

「なぜ、元神様であり、元大魔王なのか。私達はもちろん、白霜さんもわからないと。」


おいおい、ちょっと待ってくれよとツッコミを入れたくなるが、


「ただ、私たちは明確な目標を持ってここに来ています。」

「明確な目標??」


たしかにそうだ。いくら元神様、元大魔王とはいえ、フウカは今記憶を無くしている。

しかも、彼女は2回目の生、念のために言っておくが一応普通の人間である。

自由にさせてもいいじゃないか。わざわざ監視する必要があるのかという疑問は湧いてくる。


「私たちはここに任務で来ております。」

「監視役みたいなものか?」


フウカを動物に例えるのはどうかと思うが、いきなり暴れないようにしておかなくてはならないということか。まぁ、元神様とか、元大魔王みたいな奴はあぶないよな。


「いえ、違います。」

三森はボソッと否定する。


「じゃあ、何のために???」

「我々からしたら、フウカ様が神様の記憶を取り戻すためにです。」


記憶を取り戻すため?


「フウカの記憶を取り戻してどうするんだ?」

「神様になってもらいます。」


空歌フウカが神様だと、そんなこと起きてはいけないでしょ。


「神様って、一体なんなんだ?詳しく教えてくれないか?」

「神様は……人間が想像しているものであっています。人間の永久的な繁栄を促し、地球だけでなく、宇宙の安全を創造する存在です。」


たしかに、神様っぽい感じだな。

うん。俺の想像している神様と殆どあっている。

しかし、それをフウカがするというのか。

絶対にダメでしょ。


「フウカがやるって………」

「フウカ様は素晴らしい神様であったと先代から聞いています。我々が上から与えられた命令は、フウカ様が神様だけ目覚めるようにすることです。」


「元大魔王だと気づかれてはダメということか?」

「さすが新起さん、賢い。その通りです。我々としては、神様だけの記憶を取り戻して頂き、神様になってもらいたいのです。」


「じゃあ、向こう側の陣営。白霜アカリからしたら大魔王だけに目覚めてほしいということか?」


今永はコクリと頷く。

意味がわからない。そんなことがなぜ俺の周りで起こるのだ。


フウカの1回目の人生は、神様であり、大魔王である。

俺の周りには、天使2人と悪魔1人がいる。

その中でこいつらは記憶を取り戻させるために来たらしい。


天使達は、フウカの神様である記憶を取り戻させたいらしい。

悪魔達は、フウカの大魔王である記憶を取り戻させたいらしい。


記憶の一部を抜き出し、神様にもしくは大魔王に気づいて欲しいらしい。


なぜ俺の周りでこんなことが起こってるんだよ。

俺は2回目の人生だぞ。2回目の人生ぐらいゆっくりと暮らさせてくれよ。

あわよくば、お茶でもすすりながらゆっくりとチョコレートケーキを食したかたってのに。


なんでこんな忙しいことが怒ってるんだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ