20話 空歌フウカは元大魔王2
「向こう側??」
疑問だけを投げかけて、白霜はどこかに消えた。
これが悪魔の能力という奴なのかもしれない。
「なんだか良くない気しかしないな。」
俺のこの予感みたいなものが当たらないことを望
「あなた達も、悪魔なのか?」は
ど直球な言葉が口から出る。
こんなことを普通なら聞かないかもしれないが、昨日悪魔と話していたという判断です。
な
「いえ、我々は悪魔でさはありません。」
「悪魔ではない。どいうこと?」
俺はさらに不思議の目を高める。
悪魔、大魔王の存在も昨日初めて出会っただけなのに。
「私、今永トオルと三森アカネは天界から参りました、天使です。」
はっ?
予想の斜め上からだった。
昨日は悪魔で、今日は天使。そんなことがあって良いだろうか?
「天使が、ここに何の用で来たんだ?」
たしか昨日も似たようなことを言った気がする。
「空歌フウカさん。」
三森アカネの呟きが鮮明に脳に届く。
なぜなら、予想通りだったからである。
「昨日、白霜にフウカのことを聞いた時は、白霜は悪魔界の元大魔王で、記憶を無くしているって聞いたぞ。」
まだ、確実に信じた訳ではない。いくら変な奴だからと言って、あの見た目から元大魔王というのは連想しにくいからな。
「はい、その通りです。ただ、空歌フウカ様はそれだけの存在ではありません。」
今永が神妙な顔つきで俺のことを見る。
それだけではない?
「空歌フウカ様は、我々天界の最高位、元神様なのです。」
はっ??
となるのは普通の反応だろう。
はっ????
元神様っていったいなんだよ。
昨日は、元大魔王とか言ってなかったけ。
「いや、待て待てフウカは元大魔王とか言ってなかったっけ?」
「はい。そうでもあります。」
そうでもある??
元大魔王ですか? そうでもある。
空歌フウカ様は元神様である。
明らかに脳が混乱している。
俺の理解力が低いということも重々承知はしているものの、その前提を踏まえた所でも理解することができない。
「ちょっと待ってくれ。フウカは一体何者なんだ?今は人間の身をしているが、あいつは一体何者なんだ?」
「フウカ様は、我々からしたら元神様であります。それでいて、向こう側の陣営からからしたら元大魔王でもあります。」
「向こう側というのは、悪魔界のことか?」
「はい。そうです。」
それって、フウカが……………
あいつの1回目の生は、元神様であり、元大魔王である。
ということなのか。




