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吸血鬼少女たちの最期の戦場  作者: 兎乃鬼ぃちゃん
第一章 排除篇
11/14

全てを闇へと還すもの

久しぶりの投稿

短いです

◇◇◇



「────っ!?」


 天河音は、すぐさま反応し、後ろに跳ぶ。その瞬間、彼女がいたところへ剣が横に振られた。


「──ヨット。余裕がなくなってきていますね──っと!」


 天河が放った炎系魔術を剣を持った少女──上平鶴乃がスレスレで身を捩り躱す。

 その反応速度に、天河は目を見開いたが、この人なら当然だろう、と思うかのようににやけた。楽しんでいる──というわけではない。事実、楽しめるほどの余裕は、天河にはない。


 夜。それも零時を少し過ぎた時間帯である。

 彼女たちは、ショッピングモールなどが建ち並ぶ、比較的人混みが出来やすい街の中心部のとある建物の上、屋上に立っていた。

 この時間帯になれば、外にいる人は少ない。そのためか、周りを気にする素振りを見せていない。

 その建物の屋上は、所々ヒビが入り、崩れ、ぽっかりと半円の溝が出来ていた。

 この状態を見るに、力を抑えてはいなく──ほぼ本気で殺っていたのだろう。


「──あなたの目的はなんなんですか?」


 天河は息を整えながら、そう聞いた。それを聞いた鶴乃は、ハハ、と笑い、切り替わるように顔の表情が、変わった。睨み付けるような顔に。


「何を言っているのですか?これほどの力を有していながら、頭は馬鹿なのでしょうか」 


 (その言葉に──作者は「こんなキャラ要らね」と思いました嘘ですすみません許してください。)


 天河は、よくわからない、という顔をする。それを見た鶴乃は、イライラとした。


 (作者は思った。「・・・あれ?オレ、鶴乃をこんなキャラ設定にしたっけ?あ、いや、計画通りだ。うん、そうだな」と。)


「・・・?

 あなたがなにを言っているのか理解できませんが・・・。要は、私を殺しに来たのですね?」


 そうだ、というように、鶴乃は剣を地面に突き立てた。

 天河は剣を構え、いつでも対応できるように意識を研ぎ澄ませる。

 ジャリィン、と鳴らしながら剣を右手で地面から抜き、左脇に抱えるようにして構えた鶴乃は、鋭い目で天河を見た。──会話など不要だとでも言うように。

 そして───

 ジャリィン、と剣と剣が交差し、バチバチッ、と火花が散る。

 鶴乃が剣を押し込むと天河が押し返す。逆に天河が押し込むと鶴乃が押し返す。

 互いを互いに譲らない。

 

「お─────っ、らぁぁぁぁああああ!!」


 鶴乃がおもいっきり剣を横凪ぎに振った。技ではなく、筋力だけに頼った一撃。

 火花を散らし、天河の剣が弾かれ、天河は吹き飛ばされる。後方のフェンスに衝突する寸前でブーレキがきき、止まる。


「───ぐっ」


 天河の腕に力が入らなくなり、だらりとなる。そのため、音をたてて剣が地面におちた。

 そのことに気を止めず、鶴乃は剣を構え、天河に突撃していく。鶴乃の縦に大振りした剣を左に避けた天河は、手をついた後、受け身をとるように転がっていった。

 ガンッ、と音をたてた剣は、先ほどまで天河がいた地面を破壊していた。

 鶴乃は、天河の方を向き、コツ、コツ、と靴を鳴らし、歩く。


「フン。案外弱いのですね?体はぼろぼろ、体力も残ってない。魔力もない。そして、武器があっても振るうことができない。───この状況下で貴女にできることはただ一つ。───死ぬことだ」


 鶴乃が天河の目の前止まった。剣を地面にさし、天河を見る。

 天河は、何度も何度も、手に力を入れ立とうとするが、どうやっても立つことはできないまま。

 

「・・・死ぬこと、ですか」


 天河は、立つことを諦めたのか、仰向けになりそう呟いた。

 目から涙が出、すぐに顔の横を流れおちていく。

 天河の目線の先には、闇に染まる空と疎らに散る星、そして月があった。


「きれいです・・・。こうして、夜空を見上げるのもこれで最後、というわけですか。・・・短い人生の中で星をじっくり見たことは、片手で数えても大丈夫なくらいしかありませんでした」


 (この一部を書きはじめてからさほど進んでないのにも関わらず、なんでこの描写が・・・?と思われた方々、私もそう思いました。)


「・・・なにか、他に言いたいことはないのですか?」


 鶴乃が、(親切なのかわからないけど)天河にそう聞いた。

 

「・・・最後に一つ、なぜ私を殺すのか、伺っても?」

「ええ。話すな、とは言われてませんので。

 貴女を殺すのは、貴女という()()が邪魔だからです」

「私という存在・・・」

「貴女という存在は、この世の理を歪ませます。そのための処置です」


 天河は、「そうですか」と言った。

 その言葉には、どんな感情が混ざり混んでいたのか。多分それは、天河本人にもわからないだろう。



「とまあ、この物語が終わっちまう展開に入ってるとこ悪いんだけど、ちょっといいか?」



 突然、どこからか男の声が聞こえてきた。しかし、「その聞こえてきた」は、たんなる「聞こえてきた」にすぎず、聞こえてきた方向はわからなかった。いや、わかるにはわかるのだ。ただそれが、全方向から聞こえているというだけで。


「だ、誰です!?」


 鶴乃は辺りを見渡す。だが、その声の主は見つけられなかった。

 天河は────


「って、おい!?気絶してるじゃねぇか!

 ・・・まあ、それはいい。死んではないから問題にはならない。で、だ。そこの()()()()()だな?つまりは、その体の持ち主ではないということ。──鶴乃を返せ」


 それを聞いた鶴乃は、顔色を変えた。


「な、!?お、お前は、誰だ!?」

「鶴乃は、そんな言葉づかいしねぇし。つうか、何してくれちゃってんの?馬鹿かお前()


 ばさり、と。

 何者かが、鶴乃の後ろに現れた。

 はっ、と後ろを振り向く鶴乃。

 それを()()()()()()()()()、鶴乃が動かなくなった。


「んぐっ!?」


 鶴乃は、どうにかして動こうと思うが、それは思うだけでできずにいた。


「あなたの動きを封じたのは、さて、誰でしょう?」


 と、何者かは、そんな馬鹿げた質問をした。

 彼の姿は確かにある。にもかかわらず、姿がわからない。まるで、靄にかかったような、モザイクがかかったような感じだった。

 

「おっと、これは失礼。人に会うときは、この姿は失礼にあたるやもしませんね。とは言いつつ、このままで居ようとする俺」


 なにやら、よくわからないことを彼は言った。

 声で推測するならば、まだ未成年なのだろう──少年は、パチンッ、と指を鳴らす。すると、鶴乃の体が急に、ガクン、と沈んだ。──彼女を拘束していた何かが、なくなったのだ。


「さて、ここからが本題だ」


 彼は──言った。


「見逃してやってもいいぜ?」


 と。

 そう彼は、言ったのだ。

 何の意図があってそう言ったのかはわからないが、鶴乃にとって、喜ばしいことであった。


「・・・なにが目的なのですか」


 起き上がった鶴乃は、彼に問う。


「目的?はっ!そんなこと、ひとつに決まってんだろ?」


 彼は、カカカ、と嗤いながら言った。


()()()()()()だよ」


 それを聞いた鶴乃は、戦闘態勢に入った。

 すぐさま剣を取り、地面を蹴る。ブンッ、と音がするほどの速度で彼に飛び掛かった。


「─────りゃァァァァアアアッ!!」


 両手に持った剣を左から右へ振り払った。

 無防備な彼の胴体へと一撃を入れた。


 ────と。


 ジャギィィィイイイインッッ!!


「そんな・・・バカな!」


 ───彼の胴体へと斬撃が入ると同時に、一本の剣がそれを阻害したのだ。

 そしてそれが、鶴乃を弾き飛ばした。


 ぶつかる壁など鶴乃の後方には無く、勢いそのまま地面を転がっていった。

 気絶するまでの攻撃ではなかったが、立つのに苦戦する鶴乃は、約一分後に剣を杖代りにして立ち上がった。その間、彼は、それを動かずに見ていた。


「その剣・・・いえ、刀は、貴方のものですか?」

「いやいや、その質問に意味があるのか?」


 それもそうね、と鶴乃は言った。

 彼の左手には、一振りの刀があった。漆黒の刀である。銘を──


「この刀の銘は、【焉黑(えんこく)】。全てを闇へと還す(もの)






 

 

話が進まない

ネタが思い付かない

後のネタは思い付くのだけれど・・・

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