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新たな悲劇がはじまる世界で
真実を知った私は、将来私を恨むだろうか。
真実を知った彼女は、何を思って私に手を掛けるだろうか。
真実を知った彼は、それでも変わらずに笑っているだろうか。
私を産んだ片割れは、何を思って消えていくのだろうか。
未来のことは、この私でも分からない。
それでも確かなのは、この世界が平和になること。
私も彼女も、この世界を平和にするために生まれるのだ。
私は七つに割った魂に話しかけた。
「私のために消えてくれ」
そこは、確かにある『世界』。
人々は魔物の襲来に日々怯えて暮らしていた。
魔物を従えるのは、七人の『魔王の卵』。
彼らは魔王の復活を今か今かと待ちわびていた。
これは、
世界の破滅を目論む『魔王』と、
それを阻止する一人の『勇者』の物語。