表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

相談です。

 昼ご飯の食器を洗いながら、俺はぼうっと昼寝をしているばーちゃんを眺めた。

 Tシャツの袖から覗く腕は折れそうに細い。

 俺が小さい頃よりも確実に痩せている。

「どうしたもんかな……」

『飯を食わせればいいだろう』

 小さな呟きに答えをくれたのは、赤織様(あかおりさま)だった。いきなりのことだったので、皿を落としかける。

『そんなに驚くことか?』

「ビビるっつーの、そんなに急に出てこられたら!」

 ふうむと白い手を細い顎にかけ、赤織様は考え込む。

『成る程、食ってほしくても食ってくれんという訳か』

「そうなんだよ。なんかいい方法ねーかな?」

 うわ、妖怪に普通に相談してる俺って……。

 そんな俺の心を読んだのか、彼は少しだけ眉をしかめたが、一瞬で元の顔に戻った。

『食いたいと思わせればいいんじゃないか?』

「だからそれをどうしたらいいかって訊いてんの」

宮ノ佑(みやのすけ)が作ればいいのよ!』

 会話に加わって来たのは、氷室(ひむろ)だ。

「俺がぁ?」

 正直面倒くさい……。

『お世話になっているばあさんの為だろ、面倒とか思うな』

「う、」

 言われてみればその通りだ。

『そうなると、次は何を作るかよね!』

『私は鯉の煮しめが食べたい』

「それは赤織様個人の希望だろ」

『あたしはオムライス!』

「だーかーらー」

 ああもうこいつらはっ。

 奴らに聞いていても、なにもいい考えは浮かんでこない。

 ちょうど最後の皿を洗い終えたところだ。

『ちょっと、どこ行くのよ』

「料理本探してくる」

 ばーちゃんも料理本の一冊や二冊、持っていた筈だ。

 確か本棚にあった筈……と、俺はごそごそと棚を漁り始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ