2/22
かつての反動でひきこもり(でも母親)
「母さん、起きて―――ッ!」
……ひとまず、うるさいから寝る前に読んでいた本をぶん投げる。
当たったであろう鈍い音、ふぎゃっと言う間抜けな声、本が床に落ちたであろう音。
よし。
静かになったから寝なおそう。
「あっ、二度寝しないでよ!」
復活が早すぎるな、この息子は。
ちょっと鍛えすぎてうたれ強くなってるな。
ちっ。
「舌打ち止めてくれない?結構傷つくよ?」
どうでもいいから寝かせて。
森の奥の遺跡から発掘した魔法書を読んでたら、日付変わってたんだって。
超眠いんだって。
「……母さん、日付変わる前には寝るって約束したよね」
あぁ、そういえば、息子達に約束させた時に自分も約束したんだった。
失敗した。
「というか、もうばっちり起きてるよね?はい、さっさと顔洗ってダイニングに来てね。朝食出来上がってるから」
……図太くなってきたな。さすが私の息子。
しょうがない。
約束を破ってしまったし。
基本的に、私室までやってこない息子が起こしに来たんだから、何かあるんだろうし。
「ねむ………」
ああ、面倒くさい……。