少女――02
紅い髪を持つ少女は焦っていた。
頭部の血はなんとか適当ながらも包帯で巻けたが
、早く追っ手がこないかと心配が積もっていた。
少女は血のせいで、国の"王族"に追われていたのだ。しかし、この場を離れようにも離れられない、理由があった。
「風夜め!!あいつ、いつまで待たせる気だ!?……こっちは、時間が少ないってのに!!」
そう。風夜、と呼ばれる少年と彼女はこの場所で待ち合わせをしていたのだ。しかし、いつまでたっても彼は来ない。
このままでは、彼女は王族に捕まってしまう。
焦りと苛つきしか頭には無かった。
「未央!!
悪いな、王族の雑魚に足を引っ張られてた」
「ちっ…まあ、しゃあない。私は怪我が酷いんだ。お前の馬、いつもより早く走らせてほしい」
「うわっ…本当に怪我酷いな…。包帯もろくに巻けてないじゃねぇか」
「うるさい!そこは黙ってろ」
悪態をつきながらも彼女――未央は、風夜の手を取り馬に乗る。
そんな未央の様子に風夜は、そっと笑みを浮かべるが未央は気づいてない。すると、後ろから沢山の騎士が未央達を追ってきた。…王族の兵士だ。
「やばっ」
「妖精一族の異端、狩里 未央に差別殺しの鮫島 風夜だ!!
奴等は王族候補の裏切り者だ!!捕らえよ!!」
そうリーダー格の男が言うと、一斉に未央たちに襲いかかる兵士たち。
そんな兵士たちを見てニヤリと笑う風夜は、手に光を宿らせ乗ってる馬に押し当てた。
「俺の魔法は"重力魔法"だぜ?馬だって一気に体を軽くさせることができるの位、王族のアンタ等なら知ってんだろ」
そう言い、風夜が走れ!!と叫ぶと馬はそれに習い思いきり走り駆け出す。
どんどん差をつける。
その為、軽く振り回され未央が落ちそうになる。
そんな未央を引っ張り、再度馬に乗せる風夜。
「…危ないから、捕まってろ」
「あ、ありがとう」
「…おう」
そう言った風夜の顔は、ほんのり赤かった。




