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落ちこぼれの少年

「ねぇユキアの夢って何?」

六歳ぐらいになる少女が隣に寝ている少年に聞く。

「う~ん分からないけどずっとこの木の下で寝れたらいいな」

「あたしもね、みんなと一緒に居れたらいい」

少女は頬笑みながら素直で真っ直ぐな瞳を向けてくる。その瞳には嘘をついていない。

「お~い!二人共先に行くぞ」

「あっ待って」

少女は遠くに居る少年少女の方へ行く。

「ユキアも行こう?」

少女は手を向けて、尋ねてくる。

「うん」

少女の手を掴もうとする。が手を握ることなく視界が歪んでいく。目の前は白い光で包まれていく。目の前に居る少女はどんどん遠くなっていく。白い光に包まれると今度は暗闇が広がっていく。そのまま少年は倒れた。

 暗闇の世界が広がる。

「ここは・・・・・どこ?・・・誰かいないの?」

少年は大きな声で周りに呼びかける。でも、誰一人として答えない。

「お~い誰かいないの?返事してよ」

この暗闇には少年ひとりしか居ないらしい。

『お前ここにどうやって来た?』

突如どこからもなく声が聞こえた。

「だれ?」

『わたしは・・・・・だ。名を言え』

「ぼくは、ユキア。ここはどこ?」

『ここは神に選ばれた者が来る扉の向こうだ。どうやら、お前はここに来るには早すぎるもう少し成長してから来い。そしたら、全てを教えよう』

「待って!もう一度名前を教えて」

『・・・・・だ』

少しずつ声が遠くなる。暗闇も消えていく。



まぶたを開けるとまぶしい朝日が差し込んできた。

「う~ん。もう朝か」

ドン

部屋の扉が突然開いた。一人の少女が入ってきた。

「ユキア!早くしなと遅刻するよ。」

「うるせーな!朝から。静かにしろよリーナ」

部屋に入ってきたのはリーナだった。

リーナス・リオルド。小さいころからの幼馴染でほとんど一緒にいる。

「うるさいじゃないよ。あんた初日から遅刻するつもり。」

「分かったからリビングに居ろ!支度してくるから。」

「はいはい」

リーナは、入ってきた扉から出て行く。

「そうだ!ご飯出来てるから」

階段の途中で叫ぶ。

俺の家は基本的には一人暮らしになっている。基本というか6年近く一人だが・・・・。その前は、家族3人暮らしだった。母さんは、俺が生まれてから3年ぐらいして病気で死んだ。母さんとの記憶は少しあるぐらいでほとんど覚えていない。父さんは僕が8歳の時に突然失踪した。周りに居た人たちが何日も探したが見つからなかった。父さんが何の仕事をしてどんな人と友好関係があったか分からないため、探すのをあきらめた。その後は、リーナの家や母さんの兄夫婦が面倒みたりしてくれた。それから、一人暮らしになった。

 着替えを済ませて下に降りるとリーナが本を読みながら待っていた。

「やっと来た。早く食べて行くよ」

机の上には朝ごはんがすでに出来ていた。

「あぁ」

5分ぐらいで食べてしまうと荷物を持って外に出た。

「今からなら間に合いそうね。」

俺らが今から行こうとしているのは魔法学校シーファスなのだ。

 この世界は魔法が存在しているのだ。魔法があると言っても全員使えるとは限らない。使えない人も中にはいる。といっても今になっては7割を超える人が使うことが出来る。だが僕はあまり使うことが出来ない。普通でも少しくらいなら魔力も存在している。

そんな、僕だけど唯一の取り柄が剣術と動体視力である。小さい頃に父さんから教えてもらい。腕は大人に負けないくらはあると思っている。

 そんな事を言っていると学園に着いた。

「ここが魔法学園か・・・・・・でかいな」

「早く受付してから入学式に行くよ」

「あぁ」

 シーファスは予想以上にでっかた。

 入学手続きを終えた僕らは入学式が行われる体育館に向かった。行く途中でラークとラル、ロクトに出会った。この三人も、幼馴染になるがリーナほど付き合いが長いわけではないが大切な仲間ではある。

入学式は以外にもすぐに終わった。終わるとみんな自分の教室に向かった。

「ユキア何組になった?」

「一応2組になった。ラークは?」

「俺も2組だ」

「私も同じだ」

「え~私とロクトだけが三組」

クラスは、1から4までに分かれている。どうやら、俺とラークそれにリーナが同じ2組でラルとロクトが3組になったらしい。

それぞれ、自分のクラスに行き適当に座った。席は決まっていないらしい。リーナは隣にラークは後ろに座った。

「みな早く座れ」

 教室の扉が開くと男性が一人入ってきて教壇に立って叫ぶ。座っていない奴はすばやく近くの席に座った。

「え~と俺がこのクラスの担任をするリーガだ。よろしく」

このクラスは、リーガ・アルスが担任をするらしい。特徴が、背が高く20代半ばと若い。

「今日は、入学式で疲れたと思うからこれくらいで終わる。明日は模擬試験を行う。と言ってもお前らの力を知ったり、交流を兼ねたものだから今日はあまり遊び過ぎるなよ。」

そう言うと教室から出て行った。みんなもそれに合わせて帰って行く。

「私たちも帰ろう」

「それもそうだな。」

横に置いてある荷物を持って立ち上がる。

「ね~買い物でも行こう?」

後ろを向くとロクトとラルがラークを差し置いて尋ねてきた。

「お前らいつ来たんだ?」

「今だよ」

「来るの早いな」

「それより行くのか?」

「俺は、別にいいけどリーナは?」

リーナの方を見る。

「いいよ」

「なら行くか」

四人はドアの向かっていたとき

「俺には聞かないのか」

後ろから声が聞こえた。ラークだった。

「あんたどうせ暇でしょ」

ラルからとてつもない殺気が放たれていて、ラークは何も何も言わずに着いて行った。

学校から少し離れた所にショッピングモールが存在している。俺らは、そこに行き買い物を始めた。女子は服を買い男子はそれの荷物を持つというべたな展開になっていた。

「ね~これどう?」

「それかわいいね。あっちのもいいよ」

「似合ってるかな?」

「とてもいいよ」

俺ら二人は近くのベンチに座って買うのを待っていた。

「はぁ~」

「ため息つくなよ」

「仕方ないだろ。女子の買い物は長いからよもうちょっと短くならないかな。」

「荷物持つのは俺たちなのにいろいろと回るんだよね」

「「はぁ~」」

その時、リーナがこっちに走ってくる。

「どうした?」

「私これが欲しいの」

リーナは、後ろか10着ぐらいに服を見せた。

「お前そんなに買うのか?服ならたくさん持ってるくせに」

「わかってないな~男は」

ラルもやって来るかごには服が入っている。

「これも俺に買えというのか?」

「そんなわけないよ。ユキアは、リーナのを買うんだから」

ユキアはほっとして力が抜けた。

「そのかわり、こいつが買うから」

ラルは、ラークの方を見る。

「何かの視線を感じる」

「買うよね」

ラルからは先ほどと同じ殺気が放たれている。

「買います。買わせていただきます。」

会計を済ませるとロクトが装飾店から戻ってきた。

「お前らも今終わったのか?」

「ロクトお前予知能力でも持ってんのか」

「なんの話だ?」

「気にするな」

ユキアがロクトの肩を軽く叩く。

ロクトの頭の上にはハテナマークがいくつか出現した。

「次行こう」

「ちょっと待てよ。飯にしないか」

「それもいいわね」

((救われた))

ユキアとラークは神に感謝した。

その後、レストランに入り食事を済ませた。代金は、ロクトが無理やり払わされた。払った後も少しの間レストランに居た。

「ねぇユキアってお金どうしてるの?」

ラルが突然問いかけてくる。

「あっ俺も気になる」

「確かに」

「・・・・」

三人共知りたがっている。

「えっと・・・・それは・・・・リーナの親父さんから援助してもらったり、たまにリーナとギルドに行ったりして・・・・。」

「リーナの家、五大貴族だもんね」

「ギルドにも行っているって事はギルドカード作っているの?」

「一応ね」

リーナとユキアはギルドカードを取り出した。その色は、リーナが赤、ユキアが緑だった。

「すごい赤だ」

「リーナはやっぱりすごいな」

その後、ギルドの事などを一時間くらい話して、帰宅した。


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