~ニンギョヒメ~3~
前回の続きです
「うん?」
倒れていた水沢さんは、ゆっくりと目を開け答えた。
どうやら、気分が悪くて倒れていたとかそういうことじゃないみたい。
あぁ、よかった。
「なんでこんな所にいるの?」
私は当たり間のように気になっていた疑問を、彼女へとぶつける。
「なんでかな。こうしてると水の中に居るみたいでさ、安心するんだぁー」
「水の中?」
「そう。わたしは、人魚姫だから」
「へぇ……」
一瞬、水沢さんの表情はどこか無理をしているように見えた。
自分の感情を、嘘で覆ってしまっているみたいな感じだ。
「あ、その顔は信じてないな。言ってることは本当だよ」
「どういう意味?」
いきなりお話の中に登場する人魚姫だと言われても、私にはさっぱり意味がわからなかった。
なんだか、さっきから分からないことばかりだ。
「うーん。叶わない恋をしてるから、かな?」
「えっ?」
「なんてね。私って、ロマンチストだから」
水沢さんの言葉はどこまでが本当で、どこからが嘘なんだろう。
私はそう思わずにいられなかった。
彼女の言葉には強く感情が乗っていたから。
「さてと、そろそろ帰るね。今日は部活も無いし」
「あ、うん……」
「それじゃあね、今川さん」
そう言うと水沢さんはすっと立ち上がり、校舎の方へと走ってっていった。




