黒いワンピース
掲載日:2025/12/04
海に咲く灯篭を、橋の上から見ている
波に合わせてゆらゆらと踊る
空には沢山の星が哭きそうな程綺麗だ
視界が滲んでいく
拳を握りしめる
きつく、痛く、強く
血が滲む程
ゆっくりと解いた手で空を掻く
病的に白い、細い腕があんなにも綺麗な星を隠した
生まれつき幽霊のように白い私は家でも、学校でも傷をつけられてきた
腕には痣がこべりついている
腕には切り傷が這っている
母は私の体に傷を増やす
昨日は脚を切られた
今日は頬を
明日は何処だろう
私は知っている
母にとってこれが愛だということ
私は知っている
母はそうやって愛されてきたこと
私もいつか蛙になる前に
海に沈もうと思った
橋から何かが落ちた気がした




