怒り、そして悲しみ
5万の人形と戦って数日が経過していた。
俺と俊也は人形を全滅させると、町に帰還した。
「終わったな。
後は町の状況確認と俺の腕の再生だ」
「俺も協力するぜ。
しかし、その姿をみてミーシャが冷静ではいられないだろうな」
そうだった・・・今の俺は右腕がない。
こんな姿を見せたらミーシャはどうなるかがわからない。
どうしようかと考えている時、最悪の状況になった。
「二人とも!帰ってきたのね!」
ミーシャとリア、そしてセレナは俺達を見つけて駆け寄ってきた。
(まずい・・・今の俺の姿を見たら)
「あれから数日経っても音沙汰なかったから心配したのよ?
でも無事に帰って・・・これ、て・・・」
ミーシャは俺の腕を見ると、絶望したような顔で俺に近づいてきた。
「腕が!腕がないじゃない!痛みは!?何があったの!?」
ミーシャはかなり取り乱しており、冷静ではなかった。
「落ち着けミーシャ。
俺は大丈夫だ、痛みはないようにしてあるから」
「でも!痛みがなくても私が冷静になれないわ!
治るのよね?一生このままって訳ではないわよね!?」
「再生させるから大丈夫だって。
ただ時間がかかるから火山への出発は遅れるかもしれない。
セレナさん、すまないが時間をくれないか?」
「え、ええ、再生させるってのも既に次元が違う話だけど、治るなら問題はないですが・・・」
「ありがとう」
「とし、怪我はない?」
「ああ、俺はなんともない。
だがかずが腕を無くしてしまった。
そこが反省すべき点だな」
「普通は反省とかで終わらせられる話ではない。
でもかずがあんなに冷静なら大丈夫ってことだよね?」
「腕一本の再生だから時間はかかるが、必ず元に戻るよ。
そのためには「あれ」が必要か・・・」
俊也は再生に必要な物には心当たりがあった。
あまりいいものではないが、この際仕方ないと割り切ることにした。
「ギルドに向かおう。
依頼のクリアと再生のための準備に入る」
俺達五人はギルドに向かった。
その道中・・・
(かずは冷静だけど、私はまだ冷静ではいられない。
あの様子だと本当に終わったみたいだけど、かずをこんな目に合わせた人は絶対に許せない。
治るまでは私がかずを支える・・・そして必ずこんなことをした人を見つけ出してみせるわ)
ミーシャは心の中で誓った。
愛する人を傷つけられたことによる怒りと、腕を無くした悲しみを必ず償わせると。
(お姉ちゃん・・・かなり危ない。
放っておいたら復讐に行っちゃうかもしれない。
私が抑えないと)
姉を1番理解しているリアは、ミーシャの奥底に芽生えた復讐心を何とかしようと考えた。
そしてその夜、この事件は意外な結末で終わることになる。




