信頼
町に残った三人は襲撃に備えて町の警備をしていた。
「あ、あの・・・お二人とも大丈夫ですか?
顔がすごい怖いんですが」
「ええ、大丈夫よ。
何があってもいいように集中してるだけだから」
「そう、この町に何かあれば二人に顔向けできない」
和也と俊也がギルドから出ていって1日が経過した。
まだ二人は帰ってきていない。
「あのお二人なら心配はいらないと思いますが・・・早く帰ってきてほしいです」
ミーシャはセレナの言葉を聞きながら考えていた。
(多分数日はかかると思う・・・私達を巻き込まないためにもし遠くに行ってるのなら、帰ってくるのにも時間はかかる。
でも私達に出来ることは待つことのみ)
そんなことを考えながら町を移動していた。
「お姉ちゃん、あそこ」
リアが指差したところは、怪我人を治療している簡易テントであった。
町には病院がなく、医者が来てからテントの中で診療を行うというものだった。
「怪我人を治療していきましょう。
セレナさん、回復魔法は使えます?」
「はい!回復魔法は騎士の入隊時に全員取得することになってますので!」
「では手分けしていきましょう」
三人は分かれて怪我人に回復魔法を使っていった。
その日は結局それだけで終わってしまった。
ギルドの好意で部屋を用意してもらい、三人はそこで泊まることになった。
いつ帰ってきてもいいように和也と俊也の部屋も用意されている。
「町の人、とても感謝していましたね。
良いことをすると気持ちがいいです」
セレナがやりきった感を出してゆっくりしていた。
「ええ、明日も苦しんでいる人がいたら助けましょう。
今は私達が出来ることをしていけばいいはず」
ミーシャは明日の計画も考えていた。
「むぅ、女神とか言われたけど、そんなのには興味ない」
リアは怪我を治した人達から女神様と呼ばれていたが、恥ずかしくて足早に去っていた。
「お二人とも・・・いつ帰ってくるのでしょうね?」
「「・・・・・」」
三人とも心の中では心配と不安でいっぱいだった。
「セレナさんはどうして二人を心配してくれるの?
まだ出会って間もないっていうのに」
「・・・実は私、皆さんの監視役として同行していたんです。
火山のドラゴンを倒してくれるところまでついていき、何か不都合があれば私が抹消するという命を受けていました」
へぇ、これがセレナさんの本当の目的ってことね。
「でも王国を出発して、この町まで旅を続けていく内に皆さんのところが居心地がよくて、監視していることが馬鹿馬鹿しくなっちゃって」
「セレナさん・・・」
「だから、ドラゴンを討伐するまでは監視役としてではなく、仲間として皆さんに協力したいと思ったのです。
そのための協力なら惜しみません」
「・・・それなら、尚更かずととしを待つしかないわね!
ドラゴンもまだ倒してないし、一緒にやりたいことはたくさんあるから!」
三人はより仲を深めあうことができた。
一時的とはいえ、この旅は良い経験となるものであった。




