襲撃者
俺はキャンプの準備をみんなに任せてギルドに向かった。
査定も終わっているだろうし、明日の買い出しのための資金を得るためだ。
ギルドに着くと何やら騒がしい。
「何かあったんですか?」
カウンターの受付の子に聞いてみた。
「町の外で死体が発見されたんです。
しかも見るも無惨な姿に・・・」
「モンスターの仕業とかでは?」
「それが・・・ナイフで切られたような切り傷がたくさんありまして、荷物も見つからず、明らかに人為的な殺傷の仕方でした。
モンスターならそんなやり方はしないはずなので」
人為的、盗賊か何かか?
念の為俊也に連絡しておくか。
ギルドから少し離れてスマホを取り出した。
「もしもし、としか?実は頼みがあるんだが」
「どうした?」
「今すぐそこに結界を張ってくれ。
理由は戻ってから話すから頼む」
「わかった、任せてくれ」
俺は連絡を済ませるとギルドに入っていき、査定が終わってることを確認すると資金を貰った。
「状態もよく、レアな素材もあったのでサービスしておきました」
「ありがとうございます」
「またお願いしますね」
俺はギルドを出てスキル【隠密】を使った。
何か嫌な予感がする・・・急いで戻ろう。
だがその予感は当たってしまった。
キャンプに戻る途中、近道のために建物の上を飛んでいたのだが、民家に入っていく黒いフードの集団を見つけた。
なんだあれは?調べてみるか。
慎重に建物に近づくと、中で一人の男が話をしていた。
「・・・まもなくこの家の主人が戻る。
そいつを殺して金目の物は全て奪え」
盗賊か・・・ずいぶんと物騒なことで。
さて、どうするか?聞いてしまった以上、ほっとく訳にもいかない。
ならば・・・
「このまま待っていればドアを開けて入ってくる。
そこを・・・ぐへ」
一人の男の首が飛んだ。
何の前触れもなく飛んだのだ。
「誰だ!?」
返ってくる答えはない。
ただ一人、また一人と首だけが飛んでいく。
「どこだ?なんの攻撃だ?」
辺りを警戒しても姿は見えない。
だが確かに誰かいる。
「・・・そこか!」
残った男が壁に向かってナイフを投げた。
ナイフは空中に止まり、そこに隠れていた俺の指に挟まっていた。
「よくぞ見抜いたな、褒めてやるよ」
俺は顔がバレないように鼻までマスクを付けていた。
「貴様か・・・仲間を殺したのは?何をした?」
「答えるつもりはないね」
「・・・仲間を殺しやがって」
「お前だって主人を殺すとか物騒なこと言ってたじゃねえか。
今日町の外で発見された死体はお前の仕業か?」
「あれは他の仲間のやったことだ。
俺じゃない」
「なるほど、他にも仲間はいるってことか。
どれくらいいる?」
「・・・5万」
「なに?デタラメな数字を言うな」
「デタラメではない。
既にこの町に潜んでいる。
お前ごときには止められんだろうな」
「そこまで言う理由はなんだ?」
「それはな・・・こういうことだよ!」
男の体が赤く発光しだした。
「まさか、自爆!?」
「秘密を知ったお前は生かしてかえさん。
俺も始末されるだろうし、道連れにしてやるよ」
「・・・ちっ!こうなったらあの方法だ!」
俺は即座に転移魔法を発動させた。
送る場所は・・・町から離れた上空だ!
「いっけぇぇぇぇぇぇ!」
魔法の発動と同時に周りの死体も全て送り込んだ。
「ひゃはははは!・・・ここはなん」
そこまで言って男は自爆した。
遥か一万メートル上空で爆散した。
「さすがにあれなら・・・大丈夫だろう。
俺も去るか」
後始末は魔法で行い、何事もなかったかのようにして家を出た。
男の言ってたことが本当であれば、この町に安全なところはない。
まさか・・・最悪な考えが頭をよぎるが、今は確認の仕様がない。
一度戻って相談しよう、そう考えてみんなのところに戻った。




