隠された謎
ドワーフの店に来た俺とミーシャは、店主に案内されて奥の部屋に入った。
そこは応接室のような部屋で机と椅子がある感じだった。
「お座りください、お茶を持ってきますので」
「ありがとうございます」
店主がお茶を用意してくれてから話を始めた。
「まず天珠石は私のご先祖様が見つけた貴重な石です。
これを加工して勇者に魔王を倒せる剣を作って渡したことが御伽話の始まりでした。
そして魔王を倒したことで、先代ドワーフの名前が広がっていったということです」
「なるほど、それほどの伝説なら確かに残っててもおかしくないですね」
「しかし、これは少し改変されていて、天珠石の持つ効果と魔王討伐後の剣の行方、そして勇者に起きた異変のことは何も書かれていないのです」
確かに書物には書かれてなかったな・・・。
「実は天珠石は特殊な効果を持っていて、持った相手の生命力を吸い取って溜め込む性質があります。
それ故に加工している時も、剣を持っている時も命を削る代物なのです。
だから先代もあまり長くなかったのかもしれません」
相当やばい物だな・・・でもその性質だからいいんだけどね。
「魔王討伐後の剣はその後、魔王に突き刺さったまま消滅したそうです。
だから回収も出来ず、今はもう存在しません。
そして勇者なのですが、その剣で戦い続けた結果、魔王を倒した瞬間に急激な老化で亡くなってしまいました。
まるで役目を終えた途端、力を失ったかのように」
「もしかして勇者はその天珠石の効果を勇者の力で抑え込んだいたと?」
「はい、老いもせずどんなモンスターも倒せる勇者の力は相当な物だったのでしょう。
だから魔王を倒して役目を終えたから力を無くして普通の人間になったのでしょう。
それの代償ってことですね」
悲惨な最後だな・・・
「とまあ、これが御伽話に隠された内容です。
なぜ改変されたのかは分かりませんが、恐らく世に出すと不都合があったのでしょう」
確かにそれなら納得だ、都合の悪いことは隠蔽する。
どこの世界でもあり得ることだ。
「そして天珠石の在処なのですが・・・これは手に入ることはないと思います」
「!? なぜですか!?」
「実は天珠石はここから西に行ったガブイン火山のドラゴンの瞳なのです。
しかし、そのドラゴンもいなくなってしまって、入手するための手立てがないのです」
「滅んでしまったのですか?」
「ええ、かれこれ150年は見ていません。
私も長命種ですが、その間は一度も見たことがないんですよね」
まずいな・・・あの石がないと目的の物が作れない。
「一度行ってみるのもありかもしれませんね。
何か手がかりがあると思いますよ」
「そうですね、調査して何もなければ諦めるしかありません。
いろいろ話してくださってありがとうございます。
えっと・・・」
「ああ、まだ名乗ってなかったですね。
私はグイーデン。
火山の調査気をつけてくださいね」
「はい」
俺達は店を出た。
「ねえ、火山の調査って大丈夫だと思う?」
「準備をしっかりすれば大丈夫だろう。
今からその準備をして明日行ってみようか」
「決めてからが早いのよね。
わかったわ」
そして俺達二人は火山調査のための買い出しに向かった。




