銃はロマンです
銃は面白いです・・・
俺はミーシャに一通りの銃の使い方を教えていった。
銃の組み立て、リロード、反動の制御、サイトの見方とそれによる誤差の修正など、教えられることは教えてみた。
「では、あの的に向かって撃ってみよう。
周りには結界を張ってるから変なところに行っても大丈夫だよ」
「や、やってみます」
ミーシャは緊張しながらも、銃を真っ直ぐに的に向けて構えた。
(撃った瞬間に爆発で銃の先端が上がる。
それを抑え込みながら制御する・・・)
俺が教えたことを頭の中で反復しながら銃の引き金を引く。
バァンという気持ちのいい音と共に的が粉砕される。
火力調整ミスったか・・・?
「やった!やりましたよカズさん!」
そう喜ぶミーシャは大喜びで俺に抱きついてきた。
「筋がいいよミーシャ。
やはり思った通り、ミーシャのこっちの方が才能あったね。
すごかったよ」
「カズさん・・・」
側から見たら恋人同志で抱き合ってるようにも見える。
「あの・・・ミーシャ?そろそろ離れてくれる?
ちょっと恥ずかしい」
「あ!ごめんなさい!」
お互いの体が離れる。
「・・・・」「・・・・」
無言の時間が流れたが、このままというわけにもいかない。
「そ、それで銃を使ってみた感想は?」
「そうですね、火力に関しては問題はないかと。
後は撃った瞬間の反動を制御する練習ができれば大丈夫だと思います」
今日初めて触ったよね?なんで理解してるの?
この子はやはり才能があった。
ただ気づくためのきっかけがなかっただけだ。
俺にはそれのきっかけを作ることができた。
後は練習だけだな。
「練習していけば、他の銃も扱えるかもね。
より難しく、強力な物をね」
「他にもあるんですね・・・でも先にこの銃を扱えるようになるのが先ですね」
「もちろんそうだけど、他にも教えることはあるよ」
「え?それはなんですか?」
「身を守る護身術だ。
銃は強力とはいえ、近くに来られたら一気に不利になる。
そこで、俺がミーシャに護身術を教える。
せめて身を守れるようにね」
「私に・・・でも、私にできるでしょうか?」
「俺が教えるから大丈夫だよ。
それに、あの時のことがもう起きないとははっきりとは言えない。
少しでも身を守る術を覚えていれば、大丈夫なはずだ」
ミーシャは悩みながら、俺をしっかり見た。
「教えてください。
妹を、リアを守れるように実力をつけたいです。
お願いします」
「わかった」
こうして、俺とミーシャの修行の日々が始まった。
次は視点が変わります