職人の拘り
小人ドワーフの店に来た俺達は、店に並んでいる武器を見ていた。
しかし・・・どれも粗悪品だ。
完成度でいえば40%もないだろう。
「店主さん、随分と品揃えが悪いけど、何か理由でもあるんですか?」
「おや?なぜ悪いと思うんですか?」
「見ただけでわかりますよ。
まるでわざと粗悪品を置いてるような・・・」
「よくお分かりで。
そこら辺の低レベルとは違うようですね」
「あはは、そう言っていただけて幸いです。
それで?なぜわざとこんなのを置いてるんですか?」
「これは一種の試練ですよ。
この商品を見抜けない間抜け共には武器は売りません。
見抜いて更に試練をクリアした者のみに売ります」
「なるほど、俺達は一段階をクリアしたんですね」
「はい、それともう一つもクリアしています」
「え?」
「実は見抜きの他にも実力を測ることにもしているんですが、さっきのゴロツキ共を見事に倒したので、それでクリアです」
「そうでしたか、では認められたと」
「はい、試すような真似をして申し訳ありません。
では本当の取引といきましょうか」
「俺は大剣を見せてほしいですね」
「なら俺はデカい斧を見せてくれ」
「奥へどうぞ」
俺達は店主に案内されて奥の部屋に向かった。
そこには・・・
煌びやかな武器防具が勢揃いの部屋だった。
「これは・・・すごい。
そこらへんの武器なんか足元にも及ばないほど強力なものばかりだ」
「私の最高傑作のみを置いています。
ぜひご覧ください」
俺達は一つ一つ装備を見て回った。
どれも目移りするほどの出来栄えだが、値段も飛び出るほどであった。
以前ギルドで解体してもらった費用でギリギリ足りないくらいである。
「さすがに手が出ないな。
残念だがこの武器をまた使っていくか」
そう言って今まで使ってた改造ロングソードを出してみた。
「ん?んんん?あの!その武器は!?」
店主が食い入るように武器をみてきた。
「ああ、これは拾った武器に自分達でエンチャントした物です。
元の武器が貧弱なので性能は高くないですが」
「この武器・・・私の作った剣よりも付与されてる能力が桁違いだ。
もし魔剣でこれをやったらどんな剣になるかわからない」
店主は興奮気味に剣を見ていた。
「この武器を譲ってくれませんか!?
他に武器はありますか!?」
「あ、はい、他には弓と矢もありますが」
「それも譲ってください!
その代わり、こちらもそれ以上のお返しをします!」
【異空間収納】から自分達がエンチャントした武器を出していった。
「これは研究のしがいがある。
ではこの大剣と斧をプレゼントしましょう」
「え?プレゼント?」
「はい!こんな貴重な資料をくれたのです。
これでお金を取るなんて釣り合ってません!
ぜひ使ってください!」
俺達は変わりとなる大剣と斧を受け取った。
「この大剣・・・凄まじい力を感じる」
「この斧もなんなんだ?握っただけで恐ろしい存在だとわかるぜ」
「私の最高傑作、大事に使ってくださいね?」
「ありがとうございます」
俺達は店を後にした。
良いものが手に入った。
「お前、剣じゃなくて大剣でよかったのか?」
俊也が俺に聞いてきた。
「ああ、こっちの方が耐えられそうだったからな」
「耐えられる?」
「まあ、見せる時が来たら見せるさ。
帰ろうぜ」
そして俺達は宿屋に戻った。




