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兄弟喧嘩

これは書いてて楽しかったです。

次の日の朝、俺は朝早くから俊也を起こして街の外れにきていた。


「朝っぱらからなんだよ〜・・・まだ眠いぞ」


「すまん、大事な話がある」


俺が真剣な顔でいうと、俊也も察して真剣な目をした。


「・・・もしかして昨日の夜のことか?」


「わかってたのか。

だが話の内容は聞いてないだろ?」


「部屋にいたんだ。

聞こえてるわけないだろ?」


「実は・・・」


俺は昨日ミーシャと話したことを伝えた。


俊也は一言も発さず、黙って聞いていた。


話し終えると、俊也は口を開いた。


「何を考えている・・・俺達は帰るためにこの旅を始めたんじゃないのかよ?」


「それはわかっている。

元の世界には帰りたい、だがミーシャやリアはどうする?

あんなに俺達のことを想ってくれてるのに」


「だが俺達はこの世界の者じゃない。

元の世界に帰らないといけないはずだ」


「だがな!俺達が帰れる方法があるのかわからないんだぞ!

もしかしたら帰れないかもしれない。

あるかどうかもわからない方法を探すのにどれくらいかかる?そもそも方法はあるのか?

そんな状態でミーシャに残って欲しいと言われたら揺らぐだろうが!」


「・・・・・」


俊也も黙ってしまった。


「それでも俺達が旅をする理由はその方法を探すことだろ?

探しもしないで方法がないと決めつけてるのは誰だ?」


「それは・・・」


俊也の言うこともわかる、その気持ちを無くすことだけはできない。


「じゃあこうしよう。

かず・・・俺と戦え」


「はあ!?何を言ってるんだ!」


「もちろん武器も魔法もスキルも禁止だ。

純粋な殴り合いでな」


「なんで急に・・・」


「昔、決まらない時は殴り合いして決めてたことがあっただろ?

俺が勝てば元の世界に戻る方法を引き続き探す。

お前が勝てば戻ることを諦めてこの世界に残る。

単純だろ?」


「・・・それはきついって」


正直今の俺達で殴り合ったらどうなるかわからない。


だが・・・


「わかった、それでいこう。

恨みっこなしだ」


「それでこそ弟よ」


こうなったら戦うしかない、久しぶりの兄弟喧嘩だ。


どちらも譲れないところがある。


それを決めるための戦いだ。


「・・・・」「・・・・」


少しの無言の後に、お互いが一歩を踏み出した。


「おらぁぁぁぁぁぁぁ!」

「いくぞぉぉぉぉぉぉ!」


二人は激突した。


拳がぶつかった途端、地面が大きく削れ、木は振動で薙ぎ倒され、近くの生き物は生存本能で逃げていく。


二人は大きく仰け反ると、また拳を突き出す。


それだけでものすごい衝撃波が伝わる。


始める前に周りにはバリアを張ってはいるが、それを貫通して外にも多少の影響は出る。


幸い近くには人がいなかったが、もし人がいたら衝撃で気を失っていただろう。


「やはり強いな兄貴は!だが俺も負けられねぇ!」


「弟も成長したな!これなら遠慮はいらないな!」


お互いの拳や蹴り、頭突きやラッシュなど決定打がなく、ただ時間と体力が減るだけの勝負であった。


同じ能力と双子ゆえのお互いを理解しているからこそ決着はつかなかった。


そして戦うこと3時間、地面にはたくさんのクレーターができており、その中に倒れてる双子の姿があった。


「まさか・・・引き分けになるとはな」


「ああ・・・もう動けない」


結局勝負はつかなかった。


これは殺し合いではなくお互いの譲れないところをかけた喧嘩なのだ。


「・・・じゃあこうしよう、この世界で帰る方法を探しながら見つけた時に考えるってことで」


俊也は俺が決めたことと俊也が決めたことを合わせたことを言ってきた。


「いいのか?」


「構わんよ。

探しながらまた考えればいいさ。

どうせすぐ見つかるとは思ってねえしな」


「・・・ありがとう」


「いいってことよ。

それより、休んだら戻るぞ。

ミーシャとリアが心配している」


「ああ・・・」


俺と俊也は以前よりもお互いのことをわかるようになった気がする。


本当に自慢の兄だなと思った。


長くなりましたが、読んでいただいてありがとうございます

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