新たな発明
ここでファンタジー要素から外れます
なんでもありなのでお手柔らかにw
ミーシャとリアに案内されて、少し広めの部屋に向かった。
「ここが1番だと思いました。
お好きなようにお使いください」
「ありがとう。
この集落にいるまでは使わせてもらうよ」
「あ・・・はい・・・」
ミーシャは少し寂しそうな顔をした。
リアは俊也に抱きついて「一緒にあそぼ?」とおねだりしていた。
「行っておいで。
俺はミーシャと少し話があるから」
俊也とリアは外に出て行った。
「ミーシャ、確認したいことがある」
「はい、なんでしょう?」
「弓の経験があるといったね?どこまで使える?」
「えっと、普通くらいでしょうか。
一体くらいなら、運がよければ倒せるくらいかと」
弓は練習すれば誰でも使えるような物なのだろう。
でもミーシャはあまり上達していない。
そりゃそうだ・・・だってこの子は・・・
「ミーシャ、単刀直入に言おう。
君は弓には向いてない」
「え?」
ミーシャの驚きの表情は見てて辛い。
しかし、適性がないのにそこを伸ばそうとしても非効率だ。
ただ、ミーシャにはある才能があった。
「なぜですか?私には弓の才能がないって・・・なぜわかるんですか?」
「ミーシャ、俺にはその人の才能や能力を見る力があるんだ。
それでミーシャを見ていたんだが、君は弓よりも別のことに才能があることがわかったんだ」
「それは・・・なんですか?」
「銃だ」
「ジュウ?聞いたことない名前ですね。
何か新しい技術なんですか?」
俺はミーシャのある才能を見抜いていた。
「ミーシャは手先がとても器用だよね?
それも細かい作業なら失敗したことないくらいに」
「まだ出会って間もないのに、そこまでわかるんですね。
確かに私は戦いよりも裁縫や料理などの方が向いています。
でも、ここを守るためには一般的な弓は最低でも扱えないといけないということなんです」
なるほどね・・・仕方なく弓で戦ってた訳か。
「でも弓は狙いがぶれやすい。
風や空気、敵の速さにはついていけないんだろう。
しかし、俺が提案した銃はその問題を解決できる」
俺は目の前でスキル【創造】を発動させた。
念の為、ミーシャには他の人には秘密にすることを約束してもらった。
銃の仕組みとかはゲームとかで詳しかった。
元々そういうのも好きで調べたりとかしてたから、原理とかはわかってるつもりだ。
【創造】のためには同じ素材が必要というルールがあるが、全く同じと言うわけではない。
同じ原理の素材と理解があればそれを元に形作ることは可能だ。
モンスターが落とした素材の中には、鉄や火薬、合金など、貴重な素材が豊富にあった。
元々誰も寄り付かず、モンスターも進化していった結果、本来なら落とすはずのない素材もドロップするようだ。
レベル上げのためにモンスターをたくさん倒した際にたどり着いた理論だ。
それはともかく、その素材を駆使して銃の中で扱いやすい部類のハンドガンを作成してみる。
いきなりアサルトライフルとか作ってもよくわからないまま暴発したら怖いからね。
それに比べてハンドガンなら暴発する危険性が少ない。
扱いやすさならハンドガンが1番だ。
眩い光とともに、一丁の拳銃が現れた。
「これが、銃なんですか?」
「ああ、銃といってもいくつか種類があるんだ。
その中でも1番扱いやすいと言われてるこのハンドガンを作ってみた。
早速試してみよう、ミーシャ、近くに誰もいない広場とかあるかな?」
「少し離れたところに弓の練習場がありますよ。
この時間なら誰も使ってないはずです」
「ここから見える?」
「あ、はい。
あの木の枠で囲んであるところです。」
あの場所か・・・できれば人目は避けたい。
「よし、あの場所まで一気に行ってしまおう。
ミーシャ、俺と手を繋いでくれる?」
「え?あ、はい」
恥ずかしそうに手を差し出してきたミーシャは見ててこっちも恥ずかしくなった。
「えっと、じゃあ行くよ? 【テレポート】」
一瞬光に包まれたと思ったら、目の前は確かに練習場にいた。
「え!?あれ!?さっきまで部屋にいたんじゃ!?」
「これは【テレポート】といって、一度行ったところや見たところに行ける魔法だよ。
あの場所で見たからここに来れたんだ」
「すごい・・・こんなの聞いたことないです」
練習場には誰もおらず、いくつかの的があるだけだった。
「ちょうどいい。
ミーシャ、あの的に向かってこの銃を使ってみて。
使い方は俺が教えるから」
「わかりました」
ミーシャとの銃の訓練が始まった。
楽しくなってきました!