沼地の戦い
和也と俊也はハイリザードマンの討伐のために沼地へと来ていた。
そこで繰り広げられた戦いは・・・まさに一方的と言えるほどの光景であった。
「おい!そっちは終わったか!?」
「ほぼ終わってるよ!後はこいつで・・・仕舞いだ!」
その二人は血まみれであったが、傷は全く無くて、いまだに疲れた様子もなかった。
「なるほど、数だけのモンスターだな。
単体で見るとそんなに強くなかったな」
「そうだな、まとまってる時は範囲攻撃で一気に倒せたからな。
よし!後は尻尾を切り取って回収だ」
俺達は尻尾を綺麗に回収するためになるべく首やそれに近い位置を攻撃していた。
血痕などがついて汚れたら価値が下がるかもしれない。
時間をかけて尻尾のみを切り落とす作業が終わると
「ひゃーシャワー浴びてぇ。
体中血まみれだよ」
「同感だ。
早く戻って報告を・・・ん?」
「どうした?・・・この気配は」
二人は沼地の奥からこちらにやってくる気配を感じた。
ゆっくりと近づくその正体は、大きな蛇の化け物だった。
「こいつは・・・大蛇か?ずいぶんでかいな」
「恐らく先ほどの戦いでこいつを呼び寄せてしまったんだろう」
大蛇を前にして冷静に分析している余裕がある二人であった。
「ふむ、我を前にして臆さぬその度胸、面白い」
「おーしゃべる大蛇かぁ。
もしかして相当長生きしてるのか?」
「そうだな、軽く1000年は生きているであろう。
お前達はなぜここに来た?」
「依頼だよ。
ハイリザードマンの討伐でね、ちょっとおびき寄せるはずが、刺激がつよかったんだろう」
「ふむ、確かにここ最近のトカゲ共は数が増えすぎておる。
この沼地がかなり狭くなってしまうほど奴らの繁殖率は高い」
大蛇は少し不満そうにそう言った。
「普段からこんな感じだったのか?」
「いや、ここ数年の間に起きた現象だ。
最初は自然の理かと思っていたが、何か原因があるのだろうか・・・」
自然現象じゃないとすると・・・
「その数年前に誰かここに来たりはしなかったか?
怪しい奴とかは見なかったか?」
「ふーむ、そういえば一度だけ黒いフードと怪しげな仮面をつけた者がここに来たことがある。
これといった実力を感じ取れなかったからただ迷い込んだ者だと思ってたが、そやつが来てから急におかしくなったな」
となると、これは人為的か?
「大蛇さん、もしかしたら今回の件は誰かが仕組んだ可能性があります。
他に訪れた者はいますか?」
「いや、他はみな冒険者であった。
装備を揃えたパーティーで来ることが多く、一人で訪れた者はいなかったと思うぞ」
なぜそんなことを・・・何が目的なのだ?
「大蛇さん、いろいろ聞けて助かりました。
今更になっちゃいますが、戦う意思とかはあります?」
「いや、こうやって目障りなトカゲ共をかなり処分してくれたのだ、感謝しておる」
「お役に立てて光栄です。
では俺達はこれで」
「待つが良い。
お主達にこれを渡そう」
「これは?」
「我の鱗だ、売れば大層な金になるだろう。
トカゲのお礼といったところだ」
「ありがとうございます。
ありがたく使わせていただきます」
「ふふ、気持ちのいい者達だ。
何かあればまた尋ねてくるがよい。
我はこの沼地にいるからな」
「わかりました」
こうして俺達は臨時収入と大蛇というこの世界では生きた伝説と言われている生物と知り合いになることができた。




