メイドのお仕事
ミーシャとリアはメイド募集に応募して城にきていた。
「あんたたちがメイド希望の子だね?
それぞれ名前をいいな」
メイド長と思われる女性が二人の面談を行っていた。
「アイシャと申します」「エリスと申します」
それぞれが考えた偽名を出した。
念の為、本名ではなく偽名であれば何があった時の対応が楽になるという考えだった。
そもそもここで働くのはあくまで情報収集のため、用が済めば黙って出ていくつもりだ。
「ふーん、アイシャにエリスか。
今の動作を見るになかなかいい筋してるじゃないか」
「お褒めにあずかり光栄でございます」
練習した通りの対応ができたと思う。
ミーシャ改めアイシャは丁寧な言葉を返した。
「素晴らしいね、合格だよ」
「まだ何もしておりませぬが?」
「あんたたちの礼儀作法やマナーの質はあたしが一目見ればわかるんだよ。
今までだって給料がいいからと適当な実力で来た連中ばかりだからね」
「そうでございましたか。
私達のことを高く評価していただきありがとうございます」
「はっはっ、余計気に入ったよ。
あんた達は王子へのお世話係になってもらおうかね」
「皇太子様でございますか!?」
ちょうど王子のことを調べたいから身近なお世話係は都合が良すぎる!
「ああ、あんたらなら問題はないだろう。
あたしが推薦しておくからビシバシ働きな!」
「かしこまりました」
あまりに順調すぎて逆に怖くなる。
基本的に何をするかはマニュアルが存在するらしい。
私達にもマニュアルは渡されたが、ほとんどは既に取得しているものばかりだった。
あまり役に立たないだろうから[収納ボックス]に入れておいた。
気を取り直して早速王子の元に向かった。
メイド長がドアをノックして「失礼致します」というと中に入っていったので私達も入った。
中では王子が机の上で勉強していた。
「勉強中に失礼します。
本日よりルギナ様のお世話係となる者をお連れしました」
「お世話係?」
ルギナは不思議そうに見ていた。
「お世話係を務めさせていただきます、アイシャと申します」
「同じくエリスと申します」
「うん!よろしくね」
ルギナは新しいお世話係に興味津々だった。
「では、私は退出致します。
何かありましたらこの者たちにお申し付けください」
メイド長はそう言って部屋を出て行った。
「ねえねえ!二人はどこから来たの?
すごい雰囲気を感じるよ!」
この王子は何でも興味を持つ普通の子のように思えてきた。
「私達は町で暮らす平民でございます。
皇太子様の期待されるほどの者ではございません」
「そうなんだ・・・でもこれからよろしくお願いします!」
素直でいい子みたい、なんでこの子が巻き込まれたんだろう?
「皇太子様、勉学が途中でございます。
再開致しましょう」
「あ、そうだった!ねえねえ、ちょっと分からないことがあるんだけど、聞いていい?」
「私達でわかることであればなんなりとお聞きください」
まずはこの仕事をこなしていこう。
この子の近くにいれば何かわかるかもしれない!
そう感じた二人はメイドとしての仕事を始めるのであった。




