デート その1
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城への潜入が終わった俺たちは、宿に【テレポート】で戻ると、すぐに休息を取った。
一晩中起きてたし、潜入なんて慣れないことをしたら疲れも溜まっている。
次に起きた時には昼前だった。
「やばい、寝過ぎたか・・・」
体を起こすと、机の上にメモがあった。
[疲れてたみたいなので起こしたら可哀想かなと思ってそのままにしました。
起きたら私を探してください ミーシャより]
気を遣わせちゃったかな、後で謝ろう。
そんなことを考えながら出かける準備をする。
どこにいったかは大体予想はついてる。
「では、いきますか」
俺は宿を後にして町に出かけた。
「あ、かず!こっちこっち!」
ミーシャは町のアクセサリーショップにいた。
昨日町の探索をしている時に、ミーシャがここに寄りたいと話をしているのを聞いていたのだ。
「ごめんごめん、昨日の疲れが取れなかったみたいで・・・何か見てるの?」
「うん、何かお揃いのアクセサリーがあったら欲しいなって思って」
「お揃い?」
「そう、かずとお揃いのアクセサリーを選びたいの」
お揃いのアクセサリーときいてドキッとする。
「男性でもつけれるのがいいよね。
何がいいと思う?」
「やはりネックレスやイヤリング、そして・・・ゆ、指輪とかかな?」
「指輪!それなら動きも束縛しないし、なによりかずのおよ・・・うん!お揃いで選びやすいよね!」
今言いかけたよな?ちゃんと聞いてたぞ〜?
「そ、それじゃ指輪を選びましょ!
こ、これなんてどうかな?」
明らかに動揺してる彼女を宥めながら、俺達は一組の指輪を購入して店を出た。
「ねえ、王都に来てからはこうやって二人でいることって少ないじゃない?
今日一日付き合ってほしいんだけど」
「もちろんいいよ」
俺達二人は町のスイーツショップやちょうど開催されていたサーカスを見に行ったりした。
まるでデートだ・・・人生で彼女なんて夢みたいだと思う。
遊んでいる内に夕方になってきた。
「だいぶ遊んだね。
ミーシャは満足できた?」
「うん!こうやって誰かと遊ぶなんて初めてだからつい時間を忘れちゃった!」
楽しそうな彼女を見てこちらも嬉しい気持ちになる。
「なぁミーシャ、もしもさ?急に俺がいなくなったりしたら・・・どうする?」
「え?」
俺はミーシャに聞いてみた。
「俺はこの世界の人間じゃない。
もしかしたら急に元の世界に戻されてしまうかもしれない。
そうなったら、お別れの挨拶もできないまま別れてしまうことになる」
「・・・・・」
ミーシャは俯いて何も言わなかった。
「帰る方法もわからない、いつ急に戻されるかわからない。
そんな中でミーシャと出会ってこんなに幸せを感じているのに、それが急に終わったりしたら・・・俺は耐えられる自信がない」
「私だって!」
ミーシャは声を張り上げた。
「私もかずと出会って命を救われて、こうやって一緒にいて、いろいろ教えてくれて、それで急にさよならなんて絶対に嫌!
お願い・・・どこにもいかないで・・・」
ミーシャは俺の胸に飛び込んで泣いてしまった。
こうまで気持ちを素直に伝えてくれる彼女がとても愛おしく思う。
だが、帰りたい気持ちと残りたい気持ちが揺らいでしまっている。
「ミーシャ、俺は帰りたい気持ちはあるけど、ここに残りたい気持ちもある。
でも、この旅が終わった時、ちゃんとはっきりさせる。
それまではずっとミーシャのそばに居続けるから」
「・・・うん」
その時がいつかはわからない。
でも、彼女と過ごせる日々はまだあるはずだ。
後悔のない選択をしたいと思う。
お次はもう一つのお話




