パーティー
幸先不安・・・
「お待たせしました。
こちらが皆さんのギルドカードとなります。
そういえば皆さんはパーティー名はなんというんですか?」
パーティー名?そういえば考えてなかった。
「それなら漫画で見た名前でいいんじゃないか?
ブラックエンブレムとか漆黒の翼とかな」
「そんな中二病満載な名前にできるわけないだろう」
「マンガ?チュウニ?」
「あ、いや、なんでもない、気にしないでくれ」
そんな恥ずかしい名前選べるわけないだろう・・・
「じゃあ・・・フォレストってのはどう?
深い大森林の意味もあるの」
リアが提案をしてくれた。
確かに俺達も最初は森の中からのスタートだったし、ミーシャもリアもエルフだ。
森に関わる名前が似合うかもしれない。
「じゃあそれでいこう。
俺達のパーティー名はフォレストだ!」
「ではフォレストで登録しますね。
あとは素材の買い取りでしたね」
「ああ、このモンスターの素材を買い取ってほしい」
「ではあちらの倉庫に案内します。
そこで出してもらえたら運搬の手間が省けますからね」
俺達は倉庫に入っていった。
大きな空間が広がってる何もないところだった。
「今は買い取りの依頼がないので空っぽなんです。
量はどれくらいですか?」
「これならどんどん出しても問題はないな」
俺は【異次元空間】に入れていた素材を大量に出した。
森で狩りまくっていたモンスターは全て収納していたのだ。
「これほどの素材・・・しかも上位クラスのモンスターまで!」
かなりの量を出したが、まだまだ余裕はある。
だが、一気に出したらまずいだろうし、このあとの金策のためにも残しておくことにした。
「とんでもない量・・・さすがに査定には時間がかかると思うので、明日またギルドに来ていただけますか?」
「わかった」
これだけの量だ、時間がかかるのはわかるな。
今日は持ってるお金で泊まることにしよう。
「宿を探しているのでしたら、このギルドを出て右に行ったところにあるトント亭がおすすめですよ。
値段も安いし、食事もおいしいですよ」
「よし!そこにしようか。
ありがとう」
「いえいえ、ではまた明日お越しください」
俺達はギルドをあとにして宿に向かうことにした。
途中の道を歩いているときに
「・・・みんなわかってるね。
つけられてる」
ギルドを出た時から気配は感じていた。
上手く消してるようだが、すぐにわかった。
「このまま進んで路地裏に入ろう。
あまり人気のないところにおびき寄せよう」
ここは中央部に近い道だ。
騒ぎになると大変なことになる。
俺達は道の途中で路地裏に入った。
薄暗い道ではあったが、スキルのおかげで視覚は問題なかった。
「・・・・・」
やがて四人組のフードを被った集団が現れた。
これぞ今まさに襲われますという展開だ。
「なんの用かな?俺達は急いでるんだが」
「・・・・・」
やはり返事はない。ならば・・・
「俺が一人を捕らえる。
とし、ミーシャ、リアのほうはすきにしてくれ」
三人は散らばると一人ずつ相手をした。
謎の集団は魔法で応戦しようとしたが、あっけなく倒された。
俊也は斧で一撃、ミーシャはハンドガンでヘッドショット、リアは火炎魔法で敵が全滅していた。
俺は魔法の〈バインド〉を使って一人を捕らえた。
ミーシャとリアの強さは心配ないな。
「さて、なんで俺達をつけてきた?
何が目的だ?」
「・・・・・」
全く話す気がないな・・・仕方ない。
『お前たちの目的はなんだ?なぜつけてきた?』
「・・・俺達はそこのエルフを奴隷にするためにきた」
謎の男は何が起こってるか理解できなかった。
自分の意志とは関係なくベラベラとしゃべりだした。
「すまないね、ちょっと意識を操作させてもらったよ」
俺が使ったスキルは【意識操作】で、その人の意識を好きなように操作できるというものだ。
悪用厳禁のスキルだが、こいつには遠慮はいらないだろう。
『奴隷にするといったが、なぜ二人を狙った?』
「エルフは高く売れるからだ。
若ければより買い手がつくからな」
この世界にも奴隷制度はあるのか?
『誰の差し金だ?この世界では奴隷制度はあるのか?』
「人身売買は法で禁止されている。
だが一部の貴族が関わっていて、奴隷を売ることで私腹を肥やしている」
・・・人を物扱いしやがって。
「関与しているのは三人の貴族だ。
トニー・ビストン、バルマ・テイト、コマボ・インカの三人だ。
この三人が首謀者となって人身売買を行っている」
なるほど・・・名前を知ることが出来たのは大きい。
しかし、次の瞬間・・・男は血を吐いて自滅していった。
これ以上情報を出さないために自ら命を絶ったんだろう。
「どうするの?
このままにしておけないよね?」
ミーシャが不安そうに俺に聞いてきた。
「そうだな・・・放置はできないけど、まだ俺達はこの国に来たばかりだ。
まずは情報を集めよう」
それが最優先だ。
やるぞー!




