消耗戦
洞窟での長い戦いが繰り広げられていた。
かれこれ2時間は経っている。
壁の中から次々と現れる人形達を相手に5人は戦うことになったが、いくつかの懸念があった。
まず1つ目は洞窟内での戦闘のため、大技は洞窟が崩れる可能性があるため使えない。
2つ目は人形がずっと出ているため、終わりが見えないこと。
3つ目は和也と俊也はチートスキルで疲れは感じないが、ミーシャとリアとセレナは疲労が見え始めていた。
(このままではジリ貧か……何か手はないか)
「さて…どこまで戦えますかな?
人形はいくらでも出せますぞ〜」
ティアロスは不敵な笑みで戦いを見物していた。
無数にある人形が全て同じ動きをするので見ているだけでも気持ち悪い光景である。
「これは面倒だな…だが消耗させて弱ったところを叩こうと考えてるのが見え見えだぞ?」
「ふっふっふ、お分かり頂けて嬉しいですね。
こちらとしても最低限の労力で成果を出せればそれでいいですから」
こいつ…いい性格してやがるぜ。
「なら、こちらもそちらの思惑通りに動くのも癪だから好きにさせてもらうぜ」
和也は俊也に目配せをすると、俊也も理解して行動に移した。
「和也!ここは任せたぜ!みんなはこっちに!」
俊也は和也以外の3人を採掘場の入口近くに誘導した。
「とし!何を考えてるの!?」
「え!?なになに!?」
ミーシャとセレナは何をしているのかが理解出来なかった。
「……ここはとしを信じていこう」
リアだけは俊也の行動には意味があると理解して行動した。
「おや?あなた一人で何を考えているのですか?」
「ちょっと面白いことをな。
そのためには俺一人になる必要があるんだ」
和也はみんなが入口に移動したのを確認すると、大剣を構えた。
「悪いが、ジリジリと追い込まれるのは嫌いなんでね。
それに、人を弄ぶお前のことも大嫌いだからな。
さっさと終わらせるぞ」
「いったい何をやるつもりでしょうかね〜?
あまり大技を出すと洞窟が崩れて生き埋めになりますよ?」
「ああ、わかってる。
だから『この場所に影響がない』やり方でお前を倒す!」
和也は「ある魔法」を大剣に纏わせて攻撃を放った。
「やれやれ、何をするつもりで……」
次の瞬間、無数にいた人形達は跡形もなく消し去り、ティアロスの気配すら無くなっていた。
「ふぅ……おーい!もう終わったぞー」
和也が入口にいる仲間たちに声を掛けた。
「い、今のは一体……何が起きたんですか!?」
セレナは目の前で起きたことが全く理解できなかった。
「まあ、とりあえずここの問題は解決したし、一旦村に戻ろう。
何が起きたのかはそこで話すよ」
一行はひとまず洞窟から出ることにした。




