船長と副船長
港町で喧嘩をしていた2人を止めるために俺達は人混みを分けて進んだ。
「船長さん!副船長さん!何をやってるんですか!
喧嘩は止めてください!」
セレナが一喝した。
「ああ!?…ってセレナ隊長さんじゃねえか!
もう着いたのかよ!?」
「王国からここまではもっと日数がかかると思ってたが…意外と早かったな!」
なかなか豪快な2人だ。
セレナの姿を見てもう怒りの表情はなかった。
「待ちくたびれてたぜ!
そこの4人が今回のお客さんだな?」
「はい、この4人を向こうの大陸まで運んで欲しいんです。
国王様からの命令は聞いてますよね?」
「おう!ただ1つ問題が出てきてな…出航前に使うセイレーンの涙が手に入らなくてな。
乗組員に探させてるがどこにも置いてないんだ。
いつもならそこらじゅうで売ってるんだが…」
何やら怪しい雰囲気だな…。
「そのセイレーンの涙ってなんなんだ?」
俺が疑問に思ったことを聞いた。
「セイレーンの涙ってのは船を災害から守るお守りみたいなもんだ。
あれがあるとどんな台風だろうが津波だろうが必ず目的地に着けるという代物だ。
今回のために用意されるはずだったんだが…なぜか手に入らなかったんだ」
ふむ…王国にその情報がいかなかったことが気がかりだが…。
「準備は船長と副船長に任せていたので私もそのことは聞いてませんでした。
しかし妙ですね…」
セレナが首を傾げていた。
割とメジャーなものなのだろう。
だがなぜかこのタイミングで品薄というのはおかしい。
「調べてみるか…船長さん、そのセイレーンの涙が手に入れば出航は出来るんですよね?」
「ああ、積荷は全て積み終わってるし、乗組員も全員待機済みだ。
あとはセイレーンの涙だけだな」
「わかりました。
こちらでも調べてみます。
それまではこの町で滞在していますので」
「すまねぇな…悪いが頼んだぜ。
こちらも総動員で調べてみるからな」
そう言って船長と副船長は船に向かった。
「おかしいです…セイレーンの涙は船乗りならみんな使ってるお守りだから急に品薄になるのは有り得ないはずです」
セレナがそう言うと、周りの船乗りにも聞いていた。
「すみません、セイレーンの涙はどこで手に入りますか?」
「ああ、わしのは少し前にそこの出店で買ったんじゃ。
だけどもう売っていないようでな。
店主も入ってこないと嘆いておったわい」
「そうですか…ありがとうございます」
どうやらかなり深刻な状態らしい。
「何か裏がありそうだな…俺達も手分けして聞き込みと売ってる店がないか調べてみよう」
みんなはそこで別れて各自調査を始めることにした。




