報告と別れ
王城に一泊した俺達は王様が待つ応接室に案内された。
応接室には数人の兵士とセレナとカインがいた。
俺達が席につくと、カインは火山で起きたことを説明していた。
王様もたまに質問するくらいでそれ以外は黙って聞いていた。
カインが一通り説明すると、王様は少し困ったような顔をしていた。
「まさかそのような事になっていたとは・・・もしこの四人と出会えてなかったら村は全滅、場合によってはドラゴンの被害も出ていたであろう。
何と感謝すればよいのか」
「気にしないでください。
俺達も向かうところでしたから」
「じゃがこれで何もなしというのは国の立場がない。
何か希望はあるか?
できることならなんでもしよう」
急に言われてもこれと言った物がないんだよね。
「うーん・・・みんなは何かある?」
「俺も特にはないな」
「私も特に・・・」
「何も考えてなかった」
参ったな・・・何かないだろうか?
「あの・・・皆さんはこの後どこに向かわれるのですか?」
セレナが聞いてきた。
「ああ、少し寄り道したら次の国に行こうと思う。
そろそろ出発のタイミングかなって思って」
「もしかしてアクバン帝国に行くつもりですか?
もしくはオルギンド王国ですか?」
「最終的にはどちらにも行くことになると思うよ」
「それでしたら船なんてどうでしょう?
この二つの国に行くなら船が必要です。
ここから北に向かうと港町があります。
そこで自由に行き来できる船があれば便利だと思いますよ」
「素晴らしいアイデアだセレナよ。
我が国から一隻、お前達に譲ろう。
船員もこちらで用意はしておこう」
「ありがとうございます」
「ふむ、じゃが準備に時間がかかるのでな。
それまではこの街に滞在するか?」
「いえ、大体の日にちだけ教えてもらえたらその日に来ますので」
「わかった。
時間にしては1ヶ月ほど欲しい。
船員以外にも物資や船の調整が必要だからな」
「わかりました。
ではまた1ヶ月後にここにきます」
話が終わると、セレナは立ってこちらを見てきた。
「みなさん短い間でしたが、一緒に冒険できて楽しかったです。
またこの国に来たら会いにきてください」
「セレナさんも元気でね」
「セレナなら大丈夫、何かあったら言ってね」
ミーシャとリアはセレナとのお別れを寂しがっていた。
女の子同士、一緒に過ごせたことは大きかっただろう。
たまに会いに来るようにもしよう。
「僕も彼女を支えます。
科学者としてこの国にも貢献していきますから」
「カインなら大丈夫だ。
しっかりやれよ」
「はい!」
カインも大丈夫そうだ。
それはそうと、次の国に行けるまで1ヶ月はかかる・・・でも次の国からは安全とは言えない。
こちらもしっかり準備しないと危険かもしれない。
そんなことを考えながら城を出た。
「さて、1ヶ月の期間があるが提案がある。
その間はエルフの集落で過ごさないか?
やりたいこともあるからさ」
「大丈夫だとは思うけど・・・やりたいことってなに?」
ミーシャが聞いてきた。
「それは着いてから説明するよ。
俊也もリアもそれでいいね?」
「ああ、問題ないぞ」
「久しぶりの帰省だね」
みんな納得してくれた。
「じゃあ【テレポート】で戻ろう」
そう言うと、俺達はエルフの集落があるザーシュの森に向かった。




