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なろうにはクレクレが蔓延している。読者もそれを承知している。なら、逆にクレクレしない戦術もあるのでは?

作者: 夜鳴鳥

 評価ポイントを制す者はなろうを制す。


 評価ポイント数が多ければ多いほど読者に読まれやすくなるという構図は絶対的なものだ。ポイントがあればランキングに乗って、多くの人に読まれ、多くの感想を貰え、時には書籍化やコミカライズ化にまで漕ぎつけることができる。

 故になろうでの投稿におけるポイントの重要性は非常に高い。


 古くからのなろうの宿命であり。切って離せぬ宿業。


 その為、クレクレと呼ばれる行いは太古よりある。古事記にも載っている。

 文末などにあるクレクレの文言。なろうの黎明期~成長期あたりまでそこまで見かけなかった覚えがあるが、ここ数年は当たり前のように見かける。良し悪しはともかくとして、もはやクレクレはなろうに癒着した絶対的な文化だ。


 今時、ランキングに乗っている作品を無作為に選んで見てみれば、クレクレ文言がついている確率は極めて高い。


 それもそうだろう。クレクレは有効な行いだ。

 色々と賛否両論がある行いでこそあるが、リスクとリターンを天秤にかけた時、やはりリターンの方が大きい行いであると作者は思う。やらないよりは断然やった方がいい。


 もちろん、反対派の意見もわかる。


 「興がそがれる」「乞食みたいでみっともない」「毎回毎回鬱陶しい」等々……。


 どれも間違っていない。普通に正論だ。

 クレクレはその特性上、読者の目に触れる場所に書かなければ意味がない。となると、なろう読者が読む部分である「物語のページ」の延長線上につける必要性があって、それが一般的には毎話の末尾にある後書きだ。ここに書くのが最も効果的。物語を楽しんだ後に必ず目につく場所という意味でここに書く以外にない。


 だが、個人的にはそれが良くないと思っている。


 話を読み終わったばかりの、余韻が抜けきっていない状態で目に飛び込んでくる「評価してください!」等々の文言。


 せっかく物語の世界に浸っていたのに、その物語を紡いだ作者の浅ましさを直面するようで嫌な気分になってしまう。楽しんでいたはずの物語すら貶められたように感じる読者もいるだろう。わかる、非常にわかる。


 ……だがしかし、それを差し引いてもクレクレがあったが為に「しょうがねぇな!」とポイント入れてくれる読者は結構な数がいるはずだ。それがお情けではなく正当な作品の評価なのかどうかは置いといて、そうでなければクレクレがなろうに蔓延ることはない。


 それは何故か?

 何故みっともないクレクレに対して評価を入れてくれる、優しくも甘い読者が多いのか?


 作者はこう考えた、


 ――――もしかして、クレクレに感覚が麻痺しているのでは? 


 クレクレが有効な理由は色々とあるだろうが、あまりにもクレクレがなろうに飽和しすぎていて、クレクレに対してもはや喜怒哀楽を感じなくなってしまった一般なろう読者が多いのではないだろうか!?


 何ということだ……。

 読者はクレクレに対して正常な判断が出来なくなってしまった……。


 慣れというものは恐ろしい。最初はクレクレに対して嫌悪感を抱いていた誇り高き読者たちも、毎日のように繰り返されるクレクレの日々を耐え忍ぶうちに、もはやクレクレが好きなのか嫌いなのか判別がつかなくなってしまった!!


 実際、クレクレの有無が物語の面白さに関係していることはないと思われる。

 クレクレがあっても面白いものは面白い。つまらないものはつまらない。


 そうである以上、面白い小説を探すためには日々クレクレの嵐を浴び続けなくてはいけなかった。


 するとあら不思議。「評価してください!」→「しょうがねぇな!」とポイントをつけることに何ら違和感を覚えることなくポイントを投入してしまう読者が増産されてしまったのだ! クレクレは当たり前のことだから! 素直な読者は「欲しい!」と言われたらボタンをポチリと押す労力くらい惜しまない。だって何時ものことだからね!!


 ……毒されてしまった。

 なろう読者は自覚している者もそうでない者も、クレクレに毒されたのだ。


 ここでやっと、このエッセイの本題に入る。



 なろうにはクレクレが蔓延している。読者もそれを承知している。


 ――なら、逆にクレクレしない戦術もあるのでは?

 


 なろう読者がクレクレに毒されているなら、それを逆手に取ってやろう。


 クレクレの蔓延する現在のなろうにおいても、クレクレに対するデメリットは確かにある。

 作品の硬派な雰囲気が壊されてしまう。作者に対して悪感情が沸き上がるなどだ。慣れてしまったと言ってもこの意見を持つ読者は多い。それはクレクレ反対派意見がエッセイジャンルランキング上位に来ることからも推察できる。


 なら、クレクレ反対派の支持率(評価ポイント)を得るために、あえてクレクレはしない!


 え? じゃあクレクレに毒された読者はどうするのかって?

 クレクレしてやらないと「ぬぁあーー!! クレクレが欲しいのぉぉぉおお!!!」と禁断症状にあえぐクレクレ中毒者は評価ポイントしてくれないんじゃないかって??



 ちょっと話はズレますけど貴方の作品。自分で面白いと思ってますよね?

 そうじゃなきゃモチベーションを保てないですもん。大なり小なり己の作品を評価している筈。だからこそプライベートな時間を削って労力を払って作品を書いている。違いますか?


 なら問題ありません。その作品がある程度のクオリティを保っているのなら、クレクレに毒された読者はクレクレがなくてもその作品に評価を入れてくれるでしょう! 何故なら、クレクレ中毒者は正確には「評価を入れる自分に酔っている泥酔者」なのですから!!

 彼らはクレクレがあろうとなかろうと、読んだ作品がある程度面白いと思えば評価を入れてくれます! クレクレ文化のせいで評価を入れる習慣を身に着けた彼らは、もはや「評価をしたいしたいおじさん」!! クレクレによって鍛えられたなろう隊の柱なのです! クレクレの有無はさほど重要ではない。


 逆言えば、当たり前のことですけど、面白くない作品はクレクレがあろうとなかろうとほとんど評価は入りません。入っても☆1とか☆2とかなんじゃないですかね。推測ですけど。


 これによってクレクレ反対派と、クレクレ恭順派の二勢力を味方につけることができるのです。

 これもクレクレが蔓延るなろう世界だからこその絡め手。孔明の策よ。


 まあ、真面目な話。流石に全くしないと「評価をしなくても問題ない系作者」と勘違いされてしまうこともあるので、ちょっとくらいはしてもいいかもですね。物語の区切りがつく時にほんの少しだけクレクレしたり。


 大層な言葉はいらないのです。『評価歓迎』この四文字があれば充分。


 クレクレに毒された読者は、この四文字から多くの美辞麗句なクレクレメッセージを勝手に想像してくれます。だってなろう界隈はクレクレに満ちていますからね。同じ穴の狢である以上、評価が欲しいという意思を伝えてあげれば、後は勝手に相手が適した内容に判断してくれましょう。


 ふっ。俺が汚れを被らなくても、ほら、ランキングに乗っている作品たちが勝手に色々なクレクレメッセージを量産してくれるだろう? その虎の威を借りれば良い。全く、俺のクレクレメッセージこそがクレクレ界の王などと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ!


 ――よって結論。


 クレクレの蔓延する今のなろう界隈。評価が欲しいが故に逆にクレクレをしない戦術――――あると思います!!




 ※注意、このエッセイは作者の独断と偏見によって構成されています。一切の確実性はありません。クレクレをするかどうかは自己責任でお願いします。皆様のなろうライフが満たされたものであることをお祈り申し上げます。以上。

リハビリがてらに初エッセイに挑戦してみたが……。思った以上に楽しい!

今後もちょくちょく書いてみようかな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ☆をつける場所は作品を最後までスクロールしないと表示されません。 [一言] 「評価をお願いします」 程度の一文をクレクレ認定するような人がわざわざ最後まで読まないって! というわけで正当…
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