「評価ポイント」 の付け方一例
「小説家になろう」 には、「評価システム」 がある。
長編・短編を問わず、読者が「文法・文章」「物語 (ストーリー)」 の二項目を、それぞれ「1ポイント」 から「5ポイント」 の間で評価することができる。
ポイントの評価は、「日間ランキング」 など各種「ランキング」 に載る際の基準となり、より高いポイントを獲得した作品が上位にランクインするシステムだ。
なお、各種ランキングは「お気に入り数×2ポイント+評価」 の合計点が高い順で掲載されている。
つまり面白い作品や読者が好きな作品があった場合「評価システム」 を使うことで、作者を応援したり、その作品をまだ知らないユーザーに教えたりすることができるのだ。
だからこそ、面白い作品の「評価」 は是非ともしていきたい。
しかしながら、初めて「評価」 を行う場合、果たして「何点を付ければいいのか?」 その指針がない。
実際に小説家になろうの「マニュアル」 にも以下のように書かれている。
ポイントを付けるための基準は小説家になろうでは用意しておりません。
読者の皆様の判断にお任せしております。
※「各種マニュアル」→「評価システム」 http://syosetu.com/man/hyouka/ より引用
これを読めば分かる通り、どのような評価をするのか、その基準をどうするのか等は、すべて「読者の自由」 である。
そこで今回、筆者は「評価法の一例」 を挙げたいと思う。
予め断っておくが、筆者はここで書いたものを強制するものではない。あくまでも、評価基準を設定する上で、助けになればと思い紹介するものである。
【基準点1=加点法】
加点法とは、最低点を基準としより良ければ点数をプラスしていく考え方である。
評価の基準点に達したものには「1」 を付け、その内容いかんで加点をしていく。
身近な例ではスポーツがある。例えば、マラソンの五輪代表選考。
日本陸連が指定した大会で基準値のタイムを満たすことで、代表選考会議の議題にのぼる。この時点で、評価基準に達したので「1点」 を付けられる。そして、前回の五輪大会や世界大会での成績などが「ボーナスポイント」 として加点される。
一方で、一定の基準に満たないものは評価されることは無い。
マラソンの例で言えば、指定された大会で基準のタイムを出さない限り、評価「1点」 を得ることはないのだ。
「小説家になろう」 の場合、この「基準点1」 の場合、読者が評価する最低基準 に達しない(評価したいと思わない) 場合は、「評価をしない」 という判断にもなる。
【基準点5:減点法】
減点法とは、基準を最高点において、問題があるたびに点数を引いていく評価法だ。
この採点法の身近な例としては、「英作文」「短作文」 などがある。
正しい文法や単語を使い、文型の意味も正しい場合「5点」 が与えられる。ただし、例えば英単語のスペルミスを「0.5点」、時制のミスを「1点」などと減点されていく。その為、5点満点であっても「4点」 や「3点」 になる可能性が高い。
「小説家になろう」 に当てはめると、ストーリーの矛盾や無理な展開、納得できない展開などがなければストーリー評価に「5」 を付け、誤字脱字や読みやすさなどに応じて文章評価の点数を付けていくと良いだろう。
【基準点3:平均・相対評価】
この評価法は前者二つと比較して少々異なる評価法だ。
評価を行う際の基準のひとつとして「絶対評価」 と「相対評価」 がある。
「絶対評価」 とは、その対象(作品) のみに焦点を当てて評価する方法だ。
一方で、「相対評価」 とは、「他」 と比較してどちらが優れているかを判断する。
学校の成績で例えるのなら、A君とB君がいる。A君はテストで毎回90点台を叩きだしクラストップだ。一方B君はテストで平均点を取れるか取れないかの生徒である。
この場合、テストの成績などから2人を比較して、A君を「5」、B君を「3」 にするのが相対評価だ。
では、「絶対評価」 とは何か。
実はB君、先学期のテストでは毎回「0点」 だった。しかし今学期は、平均点を取れるようになってきた。確かに、学力的にはA君には敵わないが、その努力は素晴らしいものがあるのではないだろうか。
このように考え、B君の努力や頑張りを考えて「4」 や「5」 にする。
対象を個々で評価し、「他」 と比較しないのが「絶対評価」である。
この絶対評価の場合、仮にA君が少しだらけてきたりしている場合、「4」になりB君と同じ点数になる可能性も充分ある。
上記二例は、どちらかといえば、「絶対評価」 の色合いが強いと言える。
一方で、「基準値3」 の場合、相対評価の色合いが強くなる。
他作品の平均を「3」 にして、それと比較して良ければ「4」 や「5」、悪ければ「2」 や「1」 が付けられるだろう。当然、他作品と同レベルなら「3」 だ。
この「他作品」 の基準も色々なパターンがあるだろう。
「小説家になろう」 の一般的な作品を基準にする場合や、読者のブックマーク作品を基準にする場合。あるいは読者が最も好きな作品を基準にしても良いだろう。
今回、三種類の評価法の考えを挙げたが、どの作品に何ポイントを付けるのか、あるいは評価をしないのかは読者の自由だ。
当然、私が挙げたもの以外の評価法も沢山あるだろう。中には読了したら、取り敢えず「1」 や「5」を付ける読者や、自分が好きな作品にすべて「5」 を付けている読者もいるだろう。
重要なことは、まず純粋に作品を楽しむことだ。その上で、もし「評価をしてもいいかな」 という作品にであった幸運に恵まれたなら、是非評価をしてほしい。
面白い作品を読者に知らせ、また作者を応援することにもつながるのだから……。