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転生して田舎でスローライフをおくりたい  作者: 錬金王


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おにぎり食べて一休み

 

「いいえ、今日はおにぎりです!」


「ああ、おにぎりね。いいわね」


 ミーナの言葉を聞いてエルナ母さんが微笑みながら言う。


 なるほど、おにぎりか。こういう出先での食べ物としてサンドイッチと同じくらい王道的だな。


「早速、シルフォード家の料理人さんに教えてくれたんだね」


「はい、ちょうどお米の使い方を尋ねられたので、お教えして昼食にしてはどうかと提案したんです」


 そういえば、シルフォード家のお土産としてお米もいくつか持ってきていたな。


「というかミーナって、お米の炊き方を覚えていたんだ」


「当たり前です! お米はパンと同じくらいハンバーグに合うんですよ! これはもう覚えるに決まっていますよ!」


 俺がそう言うと、ミーナがグッと拳を握りしめながら熱意のこもった声で言う。


 なるほど、伊達にバルトロの作った料理を狙って、厨房に入り浸っているのではないのだな。


 俺がミーナに少し感心していると、隣に座っているエリックが袖を軽く引っ張る。


「おい、アルフリート、お米とは何だ?」


「……私も気になる」


 エリックの疑問に便乗して、エリノラ姉さんの奥にいるルーナさんも尋ねてきた。


 間にいるエリノラ姉さんは答えるつもりがないのか、特に反応することなくバスケットを見つめている。


「カグラで食べられている主食の一つだよ。白くて甘みのある小さな粒で、お肉とか魚とかによく合うよ」


「甘いのか!?」


「いや、砂糖的な甘みじゃなくて、刺身的な甘みというか旨味ね」


「「……な、なるほど」」


 俺が軽く補足説明をするとエリックとルーナさんが微妙な表情で頷く。


 絶対二人共ピンときていないな。まあ、食べ物なんて言葉で説明するよりも実際に見てみる方が早いしな。


「じゃあ、開けますね」


 ミーナが元気よくそう言うと、中心にあったバスケットが開いていく。


 そこには綺麗な三角の形をしたおにぎりがぎっしりと入っていた。


「まあ、白くて綺麗ですね。これはどうやって食べるのですか?」


「サンドイッチと同じで手で掴んで食べればいいわよ」


「そうなのですね!」


 台詞だけ聞いていれば世間知らずの令嬢が庶民の屋台飯を食べる時のよう。


 だけど、見たことのない異国の料理を前にすれば誰だってそうなる。


「ほう、これがノルド殿言っていた米か。では、早速頂こう」


 エーガルさんは大きな手でおにぎりを掴むと、躊躇することなくそれを口に運ぶ。


「おお! 噛めば噛むほど甘みが出てくるな!」


 おにぎりを口にしたエーガルさんが感想を漏らした。


「ん? 何だこれ? 何かが入ってるぞ?」


「ああ、おにぎりはおかずと一緒に食べるのが一般的で、中におかずを入れるのですよ」


「なるほど、サンドイッチみたいだな。どれどれ中には何が入っているのか」


 心なしかワクワクとした様子で齧り付くエーガルさん。


「んおおお? 何だこれは昨日の醤油に似た味付けだな!」


「はい、料理人さんが醤油を使えば合うのではないかと、焼き魚に醤油ベースのソースを絡めてみたそうです」


 エーガルさんが疑問の声を上げると、控えていたミーナが説明。


 何それ絶対美味しいに決まっているじゃん。焼き魚と醤油ベースのタレが入っているとか絶対ヤバいやつだ!


「なるほど、確かにこれはご飯と合う! 具を入れるのも納得だ!」


 エーガルさんが美味しそうに頬張るのを見て、ナタリアさん、エリックやルーナも手を伸ばす。


「ミーナさん、具材は全部同じなのですか?」


「いえ、いくつか違う種類のものが入っていますよ。エーガルさんが取った三列は同じ具材ですね」


「野菜は入っていないだろうな?」


「野菜は入っていませんよ」


 さすがにおにぎりに野菜は詰め込まないよね。巻きずしとかならともかく。


「それはいいな」


 野菜が入っていないとなると怖い者なしなのか、エリックは適当に近くにあったおにぎりを掴む。


「……お肉は?」


「確か、ここら辺だったと思います!」


 ミーナが指をさすと、ルーナさんとエリノラ姉さんがスッと手を伸ばして確保した。


 わかりやすい行動だな。


「じゃあ、私はこれにしてみます!」


「私はこっちにするわ」


 ナターシャさんとエルナ母さんは具材をミーナに聞くことなく掴み取った。


 そして、そのまま小さな口で啄むように食べる。


「あっ、確かに! アル君が甘いと言うのも納得です!」


 コクリコクリと首を振りながら言うナターシャさん。


 うんうん、お米って美味いというより、甘いっていう言葉が先に出るんだよね。


 前世でもいくつもの種類のお米を食べてきたが、カグラのお米は断トツの味だな。


「私の具材は何でしょう? わかるのもいいですけど、わからないというのもドキドキしますね」


「そうね。屋敷でもたまに予想外の具材が入っている時があって驚かされるわ」


「ええ! その時は何のおかずが入っていたんですか?」


「ウインナーとかチーズとかが入っていたわね」


「一緒に食べたことはないですけど合いそうな気がします」


「どっちも合うけど私はチーズの方が好きだったわ」


「私も料理人に色々試してもらうことにします! ……あ、でもこれなら中身が見えないから野菜を入れられるのでは……」


「そうね。肉と一緒に野菜を混ぜちゃえばいいと思うわ」


 和やかな会話から一転してきな臭いものになるナターシャさんとエルナ母さんの会話。


 どうやら思っている以上にエリックの野菜嫌いを何とかしようと思っているようだ。


「む、これは焼いたドスマグロか。ドスマグロの旨味と塩っ気が中々に合うな」


 一方野菜嫌いの息子は、それに気付くことなくおにぎりを味わっていた。


 こいつが呑気に手でおにぎりを食べられるのも今が最後だろうな。今後はビクビクしながらおにぎりを選ぶか、ナイフとフォークを使って食べるに違いない。


 次に会った時は、おにぎりはナイフとフォークがないと食べられんとか言いそうだ。


 まあ、そんなことは放って俺も食べよう。


 醤油ベースのソースが絡めてあるのもいいが、今は汗をかいてしまったしドスマグロの塩っ気が欲しい。


 エリックと同じ列のおにぎりを手に取って、俺も齧り付く。


 すると、米粒がパラリと口の中で溶けて、具材であるドスマグロの切り身が少し入ってきた。


 咀嚼する度に米から甘みが染み出し、ドスマグロの塩っ気のある旨味と見事に調和する。


 ああ、汗を多く掻いたからか塩味が特に美味しく感じられる。


 汗で流れ出てしまった塩分が即座に補給されていくようだ。


「……このおにぎりとかいうの、お肉ととても合う」


「でしょ?」


 ルーナさんとエリノラ姉さんは肉の入ったおにぎりが気に入ったのか、凄い勢いでおにぎりを食べていた。


 このまま放置しておくと、肉の入ったおにぎりがなくなってしまいそうなので、俺も一つ取り皿に取って確保しておこう。


 そして、ドスマグロのおにぎりを食べ終わると早速そちらも食べてみる。


 うーん、甘辛いソースのついた牛肉がたまらない。


 塩っ気のある焼き魚もいいが、こういう牛丼のような甘辛い肉とご飯の味も素晴らしいものだ。


「うん、やっぱり魚の方が好きだね」


「僕も!」


 俺がそうやって二個のおにぎりを食べている間に、ノルド父さん、シルヴィオ兄さんの方では焼き魚に醤油ベースのソースを絡めたおにぎりが猛烈に減っていた。


 そちらも絶滅の危機だったので俺は慌てて取り皿へ。


 気が付けば白一色に染まっていたバスケットの中身は、空白地帯が多く広がっており、一つも食べることなく無くなっているおにぎりもあった。


 ……ふう、お気に入りの具材があるのはいいけど、もうちょっと万遍なく食べてもらいたいものだ。




おにぎり回でした。魔法稽古は次ですから! それは絶対です。


感想返信ができていなくて申し訳ないです。全部は無理かもですが、隙を見て返信します。



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こちら新作になります。よろしければ下記タイトルからどうぞ↓

『異世界ではじめるキャンピングカー生活~固有スキル【車両召喚】は有用でした~』

― 新着の感想 ―
初めて食べる人と子供の頃から食べた経験があり、おにぎりに合った選択肢を知っている日本人とでは感想や態度は違って当然だと思います。 ポーランド人の友人も来日した際、珍しさが先に立ち特に違和感もなかったよ…
おにぎりの中身は具であっておかずではないと思っている 単純にバランスが悪い
[気になる点] おにぎりとくれば、そのおかず?口直し?になる漬物やくだもの、卵焼きなどはないのかな?<(・・? おにぎりの白。。。だけじゃ、彩に欠け味気ないのだが(苦笑)
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