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閑山自撰詩篇

神の威光の屈折率

作者: 竹井閑山

You Tubeで、指揮者の佐渡裕がこんなことを言っていた。

チャンスは皆、平等にある。

そしてそのチャンスを活かせるかどうかは、感謝の心にかかっている、と。

では、私にもチャンスがあったのだ。

これまで、真面目に人生に対処し、

人並みに感謝の心を持ちあわせていたはずなのに。

何がどこで、

どう狂ってしまったのだろう。


近所の神社にお参りに行った。

賽銭箱の縁にパックの酒が供えてないか、

まずはそこに目がいってしまう。

今日は何もない。

と、縁に五円玉が引っ掛かっているのが見えた。

思わず手を伸ばしてその五円玉を取る。

これは人が願を掛けて投げ入れた賽銭だ。

箱になおしておくのが筋だろう。


しばし間をおいて、

鞄から財布を取り出し、

五円玉を中に納めた。

本日はご縁をいただいたのだ――

鈴をふり、

二度礼をして、

二度柏手を打った。

今度の宝くじで一等が当選いたしまして……


鳥居を出てから考えた。

BIGは宝くじじゃなかったっけ。

でも、BIGって言うとすかされちゃうんだよな。

宝くじ、と言っておいて、願がそれたところで、

うまく一等に命中するかもしれないからな。

その補正が難しいんだな。

自分の心がどんな具合に屈折しているか、

こいつを知るには、じつに経験に頼るしかないんだよ。



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